大学アドミニストレーターを目指す大学職員のブログ

大学や高等教育関連、法令の解説が中心のブログ

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2018-01-01から1年間の記事一覧

大学職員が理解すべき大学設置基準と解説⑪共同教育課程・工学に関する教育課程・国際連携学科・雑則について

大学設置基準について、本記事でシリーズとしては最後になります。今回は、第10章の共同教育課程、第11章の工学部の学部、第12章の国際連携学科、第13章の雑則について取り上げます。 なお、平成30文科高第287号(平成30年7月5日)で第11章の工学部教育に関…

平成30年度の私立大学等改革総合支援事業タイプ1の留意点と疑問点

平成30年度の私立大学等改革総合支援事業は、タイプ2の地域連携がタイプ5のプラットフォームに吸収されました。またタイプ1の「教育の質的転換」については、大きく設問が変更されています。 <タイプ1の変更点の概要はこちら> www.daigaku23.com しか…

平成30年度私学助成一般補助の教育の質に係る客観的指標とH29年度改革総合支援事業タイプ1との相違点メモ

平成30年度から私学助成に「教育の質に係る客観的指標」が新しく追加されました。平成29年度の私立大学等改革総合支援事業(以下「支援事業)を踏襲すると聞いていたのですが、若干変更点があるようです。 そこで私がここは押さえておこうと思った点をメモと…

平成30年度私立大学等改革総合支援事業【タイプ1:教育の質的転換】のメモ(最終版10.4更新)

平成30年7月31日に私立大学等改革総合支援事業の調査の依頼が各私立大学になされました。 本ブログの本記事では、タイプ1「教育の質的転換」に着目し、昨年度からの変更点も含め、メモとしてまとめます。 (平成30年8月1日更新) (平成30年8月2日更新) (…

読了記録:英語教育に関する書籍4冊

最近、高大接続などの仕事の関連や自分の子供は小学校で英語教育が始まるので、以下の本を読了しました。 全解説 英語革命2020 作者: 安河内哲也 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2018/04/12 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 想定された読者…

大学職員が理解すべき大学設置基準と解説⑩事務組織について

大学設置基準シリーズの第10弾です、今回は第9章の「事務組織等」についてです。この章はかなり短い章となります。 事務組織について 厚生補導と職業的自立 第四十一条 大学は、その事務を遂行するため、専任の職員を置く適当な事務組織を設けるものとする。…

Liquid Textの有料版の主な機能と使い方

PDFを書き込むだけではなく、重要な文章や図面を抜き出したり、複数のPDFから引用してマインドマップのように考えを整理する時は、iPadアプリの「Liquid Text」を活用しています。 PDFに書き込むだけなら、他のアプリやソフトでも充分ですが、考えをまとめる…

大学職員が理解すべき大学設置基準と解説⑨校地、校舎等と校舎面積の考え方

大学設置基準シリーズの第9弾です、今回は第8章の「校地、校舎等の施設及び設備等」です。この章も非常に長いのですが、内容はさほど難しい箇所もありませんので、最低限覚えておけばいい箇所だけピックアップします。 校地・運動場・校舎等施設について …

平成33年度(2021年度)大学入学者選抜実施要項の各大学の予告リンクのまとめ(2019.4.6更新。今後随時更新)

「高大接続システム改革会議」の最終報告においてまとめられたように、現在高大接続や入学者選抜の改革が進みつつあります。 高大接続システム改革会議「最終報告」の公表について:文部科学省 また平成29年7月13日に通知された「平成33年度大学入学…

学位プログラムと新たな学修プログラム

平成30年6月8日に大学設置基準が改正され、工学系の学科の縦割りに関する改正がされました。 今回は、この改正についての議論や今後の方向性について、整理をしていきます。 学位プログラムとは何か 学位プログラムと組織 学位プログラムのあり方を見据えた…

読了記録:研修開発入門「研修転移の理論と実践」

2018年6月21日に発売された中原先生や他3人の著者による『研修開発入門「研修転移の理論と実践」』を読了しました。 この本の第一弾の「研修開発入門」は、具体的な研修の考え方やHowなどが余すところなく記載され、学内外でSDや職員研修を行う上で非…

大学職員が理解すべき大学設置基準と解説⑧卒業の要件等

大学設置基準シリーズの第8弾、今回は第7章の「卒業の要件等」です。 今回、5千字程度ですので、目次をつけておきます。 ①単位について ②CAP(キャップ)制 ③既習得単位の認定等 ④科目等履修生 ⑤卒業の要件 ⑥授業時間制 それではまず該当の設置基準を確…

大学の質保証~第3期認証評価から考える大学の内部質保証の私論~

大学は法令により7年に1回、認証評価を受審する必要があります。またこの認証評価は2018年度より第3サイクル目となっています。認証評価は第1サイクルは自己点検・評価が出来ているか、第2サイクルは内部質保証の仕組みがあるか、第3サイクルは第2期…

第3期教育振興基本計画の高等教育に関する記述のまとめ

平成30年6月18日に文部科学省のホームページ(新着情報)に、第3期教育振興基本計画が掲載されました。 第3期教育振興基本計画:文部科学省 概要だけでは、どうも高等教育に関してどのように書かれているかが掴みにくい部分があるので、下記についてまとめま…

大学アドミニストレーターとは何なのか?

このブログ名にもなっている「大学アドミニストレーター」は、大学で働いていると一度は耳にした事がある用語だと思います。 この「大学アドミニストレータ」に関しては、大学事務職員は「事務職員」であって、アドミニストレータとかそんなのは関係ないとか…

IRと大学職員㉙文部科学省の文書とIRの変遷

IRは、「執行部の支援」や「データから情報へ変換し報告する」といった定義が一般的であるかと思います。 また、私立大学等改革総合支援事業では、専任の教職員や部署がある事とIRは教学をやっているが設問の点数を取る条件となっております。それでは、…

IRと大学職員㉘データマネジメントとは何か

5月1日時点での1年次生というと、どんな数字を思い浮かべますか? ここは大学によって定義がまちまちかもしれませんが、1年次生=入学生+留年生等も含む場合があります。そうすると、5月1日時点での1年次生と入学生では、数字が異なる可能性があります。…

【コラム】大学評価というお仕事

大学評価という仕事は、おそらく当事者にならないと中々イメージがしにくい業務であると思っています。そしてそれは設置形態にもよって違うイメージがあるのではないかと感じてもいます まあ評価といっても、例えば自己点検評価や認証評価、分野別評価、外部…

東京オリンピック及びパラリンピックの学生ボランティアの課題

オリンピック開催2年前となり、オリンピック・パラリンピックと大学との連携が進んでいます。 tokyo2020.org さて、最近大学内外で話題になるのはオリンピックのボランティアについてです。ボランティアの募集はこれから始まるのですが、案として「大会ボラ…

初心者が規程や規則を策定する際の手順例

社会人中堅ともなると、法令が変わったり、新しい事業をやる場合に規程を改変したり、新規に策定をする必要があります。 しかし、日常業務の中で規程を学ぶ機会は中々ありません。そこで先日、大学職員の文書というテーマから、「規程」に関するワークショッ…

内部質保証と第3期認証評価②法令及び省令の理解

大学が第3期認証評価の申請や内部質保証を進める上でまず確認しなければならない事は、学校教育法や大学設置基準などに沿った大学運営が出来ているかどうかです。 例えば大学設置基準は、大学としての最低限の基準ですので、これすら担保出来ていないのでは…

IRと大学職員㉗データと情報の違い

IRを行う上で、そのデータを出してとか、その情報が欲しいとか言われたり、言ったりしていませんでしょうか?またどちらも同じような意味合いで使っているケースも多いかもしれません。 しかし、データと情報はまったく異なります。例えばIRの定義や何か…

内部質保証と第3期認証評価①会議資料や議事録の点検

平成30年度より大学の認証評価は第3期もしくは第3クールと呼ばれ、内部質保証がきちんと出来ているかについて厳しく問われるようになりました。(第1期は自己点検評価をしているか、第2期は自己点検評価を不断的に行い、内部質保証の仕組みが出来ている…

リカレント教育は寄附講座にしたらどうだろうか

5月15日に中央教育審議会大学分科会将来構想部会 第14回制度・教育改革ワーキンググループが行われました。 この会議での議題は、社会人の学び直しに係る制度改正、実務家教員の登用制度、認証評価制度です。 なお社会人の学び直し(以下、「リカレント教育…

大学間連携の難しさ

ここ数年、大学の連携の話がよく聞くようになっている。それはコンソーシアムだけでなく、補助金や政策誘導による大学間連携共同教育推進事業や私立大学等改革総合支援事業のプラットフォームも連携の一つであある。 <参考> 大学間連携共同教育推進事業:…

読了記録:「アメリカの大学に学ぶ学習支援の手引き」「通じない日本語」他

以下の本を読了しました。 アメリカの大学に学ぶ学習支援の手引き まずは「アメリカの大学に学ぶ学習支援の手引き」です。 学習支援というと学生支援と混同しつつ、アメリカの学生支援についてのみ言及しているのかと思っていました。しかし、中で言及されて…

読了記録:「おそろしいビッグデータ」や「「大学改革」という病」

以下の本を読了した。 ●おそろしいビッグデータ 超類型化AI社会のリスク 著者は法学の研究者であり、ビッグデータがもたらす個人にふりかかるかもしれない危険を法律に基づいて分かりやすく説明している。 ビッグデータについては概要だけ説明されているが…

大学職員が理解すべき大学設置基準と解説⑦教育課程

大学設置基準シリーズ第7弾、今回は教育課程です。今回はちょっと長いです。 (教育課程の編成方針) 第十九条 大学は、当該大学、学部及び学科又は課程等の教育上の目的を達成するために必要な授業科目を自ら開設し、体系的に教育課程を編成するものとする…

アセスメントポリシーとは何か~アセスメントポリシーの課題と私学助成の要件~

平成30年度、私立大学の補助金担当者は、次のニュースが気になる人が多かったのではないでしょうか。 between.shinken-ad.co.jp一般補助に平成29年度の私立大学等改革総合支援事業タイプ1の項目が一般補助にうつるという話もありますが、筆者が特に気になっ…

大学職員が理解すべき大学設置基準と解説⑥収容定員

今回は大学設置基準第5章の「収容定員」ですが、非常に短いです。まずが該当の大学設置基準を見てみます。 (収容定員) 第十八条 収容定員は、学科又は課程を単位とし、学部ごとに学則で定めるものとする。この場合において、第二十六条の規定による昼夜開講…