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初心者が規程や規則を策定する際の手順例

社会人中堅ともなると、法令が変わったり、新しい事業をやる場合に規程を改変したり、新規に策定をする必要があります。

 

しかし、日常業務の中で規程を学ぶ機会は中々ありません。そこで先日、大学職員の文書というテーマから、「規程」に関するワークショップを行いました。

 

そもそも何故「規程」をテーマにしたかというと、こんな理由があります。

  • 規程を根拠とした仕事をしなければならない。
  • その為には、規程を読めなければならない。また読めるとは単に文章が読めるではなく、規程の内容を理解する事も意味する。
  • 「規程読めるなんてあたり前だろう」と思う人もいるかもしれませんが、他大学の同年代の大学職員を話をしていると、若手中堅では決してそんな事がないという結論になります。

 

なお、規程に関連して、先輩ブロガーのhigh190さんは「法制執務」の勉強をすすめています。該当記事が下記ですので、是非読んでみて下さい。

high190.hatenablog.com

またhigh190さんが紹介されているこの本は、是非手元に置いておいたほうが良い本です。

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さて、規程を策定する話に戻りましょう。規程を策定する際にこんなチェックを自分でしてみましょう。

●大学や法人に規程の作成に関するマニュアルはあるか?

大学によっては規程作成についてのマニュアルや注意点を明文化しています。これは必ずチェックしておきましょう。

 

●法制執務や法令の基礎知識を押さえているか?

法令をきちんと読めるぐらいの知識は身につけておきましょう。項と号の違いが分からないケースもありますので、基礎は重要です。

 

●関連法令や学内の上位規程についてきちんと理解する。

国の法令や、例えば学則といった上位規程に逆らった内容になってはいけません。きちんと上の(もしくは基礎となる)法令や規程についてはきちんと確認をしましょう。

 

●他大学や他組織の規程は、あくまでも参考程度にする。

●自学の規程の構成の特徴や文言の特徴を把握する。

あえて2つ並べました。たまに、「規程出来ました!」といって、よく見ると組織名と一部を変えただけの他大学の規程を基にしたなとすぐ分かるものがあります。そもそも、規程は組織によって構成や表現方法が違っている事があります。

また規程は、簡素化して最小限のみ記載する(細かいものは細則や内規等で決める)大学もあれば、全ての事項を規程にぶち込む大学もあります。

この辺りは、組織文化でもあるので、他の規程に目を通しておいて、特徴を必ずつかんでおきましょう。

 

●学内にいる規程警察を見つけて、チェックしてもらう。

ある程度の年齢の人で、大概「規程警察」がいます。個人的には次の係がいるように思います。

①文書チェック係(文書の変な場所、例えば半角全角だったりスペースの使い方などを詳しく見る人達)

②内容チェック係(他の規程も熟知しており、矛盾等がないかをチェックする人達)

あと、組織文化からのチェックする人とかもいそうですね。

この①②の人達を見つけて、うまく使うのが肝だと思います。

 

●規程の変更であれば、何故そのように規定されたかの当時の背景を知っておく

規程を改正する時に、たまに「ん?」と思う内容があります。でも、何故そのように記載されているかは、遡れるのであれば理由は確認しておきましょう。たまに思いもしない理由があって、やっぱここはそのままにしておこうというケースもあります。

 

 

自分も規程策定はあまり得意ではない仕事ですが、重要なのはその規程だけを見るのではなくて、背景や基礎となるものをきちんと理解しておくという事かと思っています。