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平成30年度私立大学等改革総合支援事業【タイプ1:教育の質的転換】のメモ(最終版10.4更新)

平成30年7月31日に私立大学等改革総合支援事業の調査の依頼が各私立大学になされました。

 

本ブログの本記事では、タイプ1「教育の質的転換」に着目し、昨年度からの変更点も含め、メモとしてまとめます。

(平成30年8月1日更新)

(平成30年8月2日更新)

(平成30年10月4日更新)

一般補助の教育の質に係る客観的な指標についてはこちらに解説をしています。 

www.daigaku23.com

 

 

改革総合支援事業の根拠資料に関する留意点

改革総合支援事業、また経常費の教育の質に係る指標もそうですが、根拠資料については大学がきちんと説明できるものである事が必要です。

ただ、調査票に掲載されている根拠資料全てを集めないといけないかというとそうではありません。例えば授業アンケートに関して、根拠資料では「規程」となっていますが、授業アンケート実施について規程化するのではなく、実施要領等で明示している大学もあります。その場合は、規程ではなく実施要領を示せばよいでしょう。

また、たまに聞くのは設問の根拠資料だけは集めたけど、確認表に記載されている内容の根拠資料は集めていなかったという事です。統合版の根拠資料欄だけではなく、確認表欄も見たうえで根拠資料をそろえましょう。

1.経営組織の活性化

①3つの方針の点検評価について

昨年度までは、3つの方針を点検評価は地域社会や産業界等の学外の参画が必要でした。おそらく外部評価委員会が各大学で該当していたかと思います。

今年度は大きく変わり、上記に加えて学生の代表者が直接参画する必要があります。また全学か全学部で実施している事が必要になります。

点検評価項目には、入学者選抜や施設設備などのいずれかについて聴取していればよいとされています。

ここで押さえておくのは、昨年度まで求められていた外部評価委員会等はやっている事を前提に、学生の代表者も入れたPDCAサイクルの構築をしているかどうかです。

おそらくは地域社会や産業界の参画を得た外部評価とは別でよいのではないかと推察されますので、半期か1年に1回は学生を入れた点検評価を行う機関決定を行うのがよいでしょう。(もちろん9月末までには全学か全学部で、その会議等を行う必要があります)

 

②教学マネジメント体制の構築とIR情報の利用の教育課程の適切性の検証

学長を中心とした、副学長や学長補佐などの教学マネジメント体制の構築は昨年度と大きく変わりません。しかし、IRの情報を活用して教育課程の適切性について検証しているかの項目が入ってきています。

このIRは学修時間や学修実態成績や学修行動調査などのアセスメント関連や資格取得実績や就職等についてが該当します。つまり教育課程編成について、様々な量的データをもとにカリキュラムが適切であるかを組織的に検討する必要があるのです。

(例えばアセスメントポリシーに則った評価として、学修行動調査などの活用も考えられます)

また今年から教学マネジメント体制について、厳しく設定がされています。例えば半数以上の学部長がいるなども求められているので、注意しましょう。

なお、これは昨年度中に今年度の教育課程について検討した会議ですので、やっていない大学は間に合わないですね。

 

③IR機能の整備と機能強化

IRは専任教員や職員が配置している事が求められていました。しかし今年度は、IRの企画や実施方法等に関する高等教育プログラムを履修した者を担当教職員に配置している事が求められています。

さらにIRに関する情報の公表が求められるようになりました。無難なのは、公表データや報告書にIR室(組織)から発信しているものであることを書いておく場合ですね。

さて私が知っている限りは、IRを学ぶ高等教育プログラムは殆どありません。しかしIRに関するプログラムだけではなく「高等教育のマネジメント」や「調査・統計・分析等」に関するものとあります。これらに関するプログラムに参加して、証明書があればいいわけですね。

例えば考えられるものとして下記の履修証明プログラムがあります。

履修証明プログラム|筑波大学 大学研究センター

アカデミック・リンク 教育・学修支援専門職養成プログラム|千葉大学アカデミック・リンク・センター

履修証明プログラム「アカデミック・リーダー育成プロ... | ニュース | 東北大学 -TOHOKU UNIVERSITY-

ただ履修証明プログラムを受けて、プログラムを終了して、履修証明発行までは時間がかかります。

また学位、例えば修士号はどうなるかは「高等教育のマネジメント」に関する学位であば該当するという話がありました。(この辺りは大学によって話は違いましたので、各大学で確認して下さい)

例えば東京大学大学院教育学研究科大学経営・政策コースや桜美林大学の大学アドミニストレーション研究科、広島大学大学院教育学研究科高等教育学専攻といった修了生、また学士ですが大正大学教育人間学科教育・学校経営マネジメントコースの卒業生をIR担当教職員としたら、要件はクリアできてしまいます。

また、点数は下がりますが、IRに関する研修を定期的に受けている回答もあります。その場合は、今までの出張に関する書類(特に研修や出張報告書)を過去数年分用意しておいたほうがいいです(少なくとも昨年度から今までのものはコピーしておきましょう)

なお、IRのセミナーに出ていると、参加証明や証明書に印鑑が欲しいという人も見かけますが、そのようなものがなくとも良いのではと考えます。2018年の夏に行われたIR系のセミナーには、は証明だけ欲しいような人も見られました。

 

④学長裁量経費について

学長裁量経費は今まで制度(予算)があればよかったのが、その予算額もしくは教育研究経費の割合で点数がつくことになります。ただ研究や社会貢献活動、学修環境の整備まで幅広く含まれる事に留意が必要です。

例えば教育・社会貢献・研究などそれぞれ学長の裁量で選定するような事業があれば、それぞれの予算を合算してよいと解釈しています。

また学長の裁量が規程や要領、会議などの議事録などから確認できる資料が必要です。例えば、学内の競争的資金は学長の裁量で選定されるといったものであれば該当するでしょう。 

⑤学修成果の卒業時のアンケート調査の回収・実施率

平成30年度からの新規の設問となります。ただ、卒業時のアンケート調査をやっているかどうかを求められるのではなく、回収率や実施率まで問われています。⑥の卒業後調査の設問と分かりにくいですが、こちらは卒業時にするアンケートで学修成果に関するものです。⑥は卒業後に行い、キャリアの状況や学位プログラムの教育目標の点検評価などにも活用できる調査となります。

またこの設問で厳しいのは回収率が50%以上・80%以上が求められている事です。まあ卒業前にやるアンケートであれば、もしかしたら回収率のハードルは比較的低いかもしれません。なお、全学で80%以上の回収率が必要と解釈しています。

 

⑥卒業生のキャリアの状況等に調査の実施

⑤と異なり、卒業生へのキャリアの状況等に関する調査を実施しているかどうかになります。⑤と違い、ハードルは若干低くなりそうです。

何故なら卒業生へのアンケートはどうしても回収率が課題です。大学によっては数パーセントの回収率となっているとも聞きます。

ただ今後、この質問が改革総合支援事業で数年間続くようであれば、回収率も今後問われる可能性があります。回収率アップの施策も検討しておいたほうが無難かと思います。

 

2.教育内容・教育方法に関する取組

⑦事前事後学習を促す授業の開講

学生に講義等で事前事後学習を促す授業の開講について求められています。おそらく、シラバスに事前事後学習がしっかり書いているかが求められています。

ここでの事前事後学習には「授業の下調べ、学生同士のディスカッション」などが例示されています。基準は今年度のシラバスですが、ウェブシラバスは9月末が基準日となっている事については注意したほうがいいですね。

シラバス全てを印刷してエビデンスにするのは、あまり現実的ではないので、シラバス作成要領とシラバスの代表例を各学部2~3用意しておけばいいかなと思います。

 

⑧アクティブラーニング

平成29年度も開くアクティブラーニングの設問はありました。そこではアクティブアラーニングは課題解決型の学習と定義されておりました。

ただ今年からは、それに加えて、ディスカッションやグループワークなども入ってきています。アクティブラーニングとはこんなものというような皆が思うものになったのは大きいです。

これらがシラバスに書いてあればエビデンスにはなりそうです。ただ開講科目の割合になっていますが、アクティブラーニングと言うのであれば、講義科目とかに限定しなくていいのかはちょっと疑問です。理由としては、実習や演習が多いカリキュラムであれば必然的に増えるとも解釈はできる事が挙げられます。

私がここで困ったのは、シラバスで授業形態や授業内容での記載を調べるときに、「プレゼンテーション」「プレゼン」「presentation」や半角全角が混じっていたりと、同じ意味なのに微妙に違うのは大変でした。 

⑨情報リテラシー教育に関する授業

これはさほど難しくはないかと思います。おそらく1年次に情報科目の必修であれば、やっている事ですね。具体的には情報のモラルに関するものや情報検索に関するものが含まれるようです。

根拠資料はシラバスとありますが、大学によってはシラバスの授業内容が簡潔に書いているものもあるので、使っている教材やテキストなどもあったほうが後々安心かもしれません。

 

⑩ICTを活用した双方向型授業や自主学習支援

双方向型授業はクリッカーなどで分かるのですが、自主学習支援の範囲が問題ですね。機材の貸し出しだけではなく、例えばeラーニングなどが該当するとの事です。ただ全学や学部とは書いていませんので、一部でもやっていればいいかもしれません。

これはシラバスや学生への案内文(もしかすると履修の手引き)などがエビデンスとなります。自主学習支援も定義が書いていないので、資格支援でeラーニングなどを使っている場合は確認が必要ですね。LMSならOKだと思います。

 

⑪全授業科目で履修系統図もしくはナンバリングの実施し、HPで公表

HPで公表が新しく加わりました。履修系統図とナンバリングは昨年度と同じ内容ですので、それをHPで公表していればOKなので、履修系統図が既に履修要項にあるなどしていれば難しくはないです。

 

⑫成績評価でGPAの導入と進級判定・卒業判定・退学勧告のいずれか及び、①履修上限単位数や、②履修者に求める成績水準の設定、③教員や授業科目間の成績評価基準の平準化に使われているか

昨年まではGPAは進級判定・卒業判定・退学勧告のどれかに活用されていれば良かったです。今年はさらにCAP制度の緩和や成績に関する事項まで踏み込んできています。さらに①~③のやっているかどうか、成績の分布状況を公表しているかまで求めています。これはかなり難しいですね。①はともかく、②と③の対応できる大学はそう多くないと思います。

また組織的にやっているかが必要ですので、科目間で教員同士が口頭で打ち合せをしたはエビデンスが作りにくいです。会議(根拠規程含む)とその次第や議事録などが用意できるかが重要ですね。

 

⑬CAP制度の成績による上限数緩和制度などがあるかどうか

昨年はCAP制度があるかどうかでしたが、今回から成績による緩和や成績不振者への支援制度などもあるかどうかが問われています。

まあ履修要項や規程にあればいいですし、上限何単位までのキャップ制かまでは書いていないので制度としてあればいいわけですね。

 

⑭学生の学修成果について、学修指導やキャリア相談に活用しているか?

アセスメントテストやアンケート調査結果、ルーブリックについて学修指導等で活用しているかが問われています。今まではルーブリックやアンケート調査をやっていれば良かったのですが、今回からきちんと指導に活用する事が求められています。

特にどのように活用したかは記録などをきちんと取るようにし、それをエビデンスにする必要があります。

解釈に迷うのは、挙げられている4つの選択肢のいずれかを全学的に行い、それを学修相談に活用している事が条件なのかです。ちょっと分かりにくいので表にしてみます。

まず下記のようにアンケート調査を全学部で複数学年実施し、その結果を活用していれば問題ありません。

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では次の場合はどうでしょうか。このパターンはア~エのどれかについて学部でやっています。これは「活用については、仕組みが確立されたうえで、いずれかの活用実態があれば、実際の対象が学部等の一部の学生であっても構わない」のいずれかをどう解釈するかだと思います。

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調べて出した結論としては、どうもこれでいけると判断をしてはいます。

 

⑮カリキュラムコーディネーターがカリキュラム編成に参画しているか

現在、日本にカリキュラムコーディネーターと呼ばれる人が何人いるのでしょうか?そう多くはないと思うのですが…。

カリキュラムコーディネーターの外部研修を受け、教育課程編成に関わる会議に委員として参加していればいいでしょうが、該当者がいる大学はさほど多くないのではないでしょうか。

また専任職員が参画しているほうが、専任教員が参画しているより点数が高く配点されています。さらにカリキュラム編成に関わる外部研修の受講など、少しハードルが高くなっています。

対応としては、

・教育課程編成に関する会議の委員の誰かを外部研修に参加させる(なお、カリキュラム編成だけではなく、設置・課程認定等に関する手続きや履修指導まで含めるとされていますので、だいぶ幅が広い解釈が出来ます。)

・誰かをカリキュラムコーディネーターとして特別の職務で雇用する

研修に参加した後で、9月末までに教育課程編成に関する会議を開催するぐらいしかないかなと思います。実現性は低いので、私は後回しにする設問ですね。

 

3 教職員等の質的向上に関する取組 

⑯ティーチングポートフォリオの作成の義務付け

教員の教員面の評価制度を発展させた設問です。なお教員の評価制度は、優れた教員の表彰などが該当します。なお評価制度は前提条件でさらにさらにティーチングポートフォリオを全学部に義務付けているかが求められています。

義務付けなので、やっているかや内容の是非については問われません。またQ&Aにありますが業績書の教育活動に関するものではない事には注意しましょう。

なおここでは自己省察が重要です。例えばティーチングポートフォリオという名称でなくとも、教育面について自己省察があるものは該当する可能性があります。

 

⑰FDの組織の設置とFDの実施

これは昨年度とおそらく変わりません。注意するのは教員のFDの参加率が100%かどうかですね。大学によっては参加していない教員には、FDのビデオを見せて、レポートを書かせるといった事もやっていると聞きます。

 

⑱授業評価結果の分析・検討し、学生の代表者またが学外者が参画するFDを実施

今までは授業アンケートの結果を教員表彰や自主的な改善に活用していればよかったのですが、FD、しかも学生や学外者が参画するものが求められています。

注意すべきは、その学部の全授業を対象にしていること、このFDの参加者は一部の教員でもよいという事ですね。また参画なので、授業評価結果に関する講演ではなく、意見聴取の場をFDとして行うという解釈になると思います。

 

⑲アセスメントポリシーを踏まえた成績評価のFDの実施

アセスメントポリシーは教育課程や授業レベルで策定されることが求められています。

ただ、カリキュラムポリシーをガイドライン

ディプロマ・ポリシーの達成のために,どのような教育課程を編成し,どのような教育内容・方法を実施し,学修成果をどのように評価するのかを定める基本的な方針。

を受けて作成してれば、学修成果や学修評価について記載していると思います。この記載があれば、アセスメントを定めていると解釈もできます。

成績評価に関するFDの実施については、アセスメントポリシーの理解と成績評価の実態(例えば科目ごとの分布図の提示)についての議論をするのでもいいかなとは思いますが、確認が必要になりそうです。例えばアセスメントポリシーやカリキュラムポリシーの学修評価でルーブリックが記載されていれば、ルーブリックのFDでも該当する可能性があります。

 

⑳シラバス作成方法に関するをFDの全教員を対象として実施

これは昨年度に行っているかが肝ですね。またシラバスについての記載項目が決められていますが、昨年度の改革総合支援事業にあった内容ですのでハードルはそう高くありません。

シラバスの依頼はおそらく冬だと思うので、今年はこれについてFDをやるかどうかは検討案件にもなります。

 

㉑SDを実施しているか

FDは今まで参加率がキーでしたが、SDは実施していればOKでした。しかし今回から、全ての専任教職員の全員が参加していることが求められています。SDの参加率は来るだろうと思っていましたがとうとうですね。

なお複数回のSDを実施していれば、どれかに参加していればいいそうなので、FDの参加率とさほど変わらない要件になりそうです。

また内容についてはいくつも提示されていて、ハラスメントもOKという事なので、これについてはだいぶハードルが下がった気がします。(懸念は全教員がSDに参加しているかですので、ハラスメント研修がOKなら教員は参加している事が多いのでだいぶ楽になります)

 

㉒TA等の教育サポートスタッフの資質向上の研修

これSAでもいいそうです。またメンターも含まれます。雇用やボランティアについても含むそうですが、地方の小規模大学にはTAなどはいないケースも沢山ありますよね。

 

4.高大接続改革の推進

㉓多面的・総合的に評価する入学者選抜

アドミッションポリシーに基づいて、学力の3要素を踏まえた多面的・総合的に評価する入学者選抜を実施に関する項目です。

これは次の3つが記載されています。

ア 一般入試において、学力検査のほか、学力の3要素を多面的・総合的に評価する入学者選抜を実施しているか 

イ 高等学校学習指導要領を踏まえた「言語活動」を通して育成された「思考力・判断力・表現力」を評価するため、自らの考えを立論し、それを表現するなどの記述式問題を出題しているか
ウ AO入試及び推薦入試において、大学教育を受けるために必要な基礎学力の状況を把握するため、独自検査や高等学校の教科の評定平均値のいずれかを合否判定に活用しているか

これらについては昨年度とほぼ変わりません。

 

㉔-ア アドミッション・オフィサー

これは昨年と変わらずですが、入試・学生募集にかかるアドミッションオフィサーが企画や選抜に参画しているかが求められています。これはある職員が企画と選抜の両方に参加しているかのエビデンスが必要です。

最近は、AO入試や推薦入試の面接に職員が入るケースも聞きますので、それなら該当しそうです。

 

㉔-イ 入学者の追跡調査

こちらも昨年度と同じですね、成績や活動実績から入試の選抜の妥当性について検証する必要があります。例えばIRが基礎資料をつくり、入試委員会などで検証をするといった事が考えられます。

 

㉕多様な背景を持つ受験生の受入れ

これは昨年度より具体的になりました。下記から、いくつ以上を受け入れているかが求められています。

ア 専門高校から進学を希望する者

イ 帰国生徒、日本語を母語としない生徒、留学生

ウ 特別な支援を必要とする者

エ 高等学校や大学の中退等で再チャレンジを志す者

オ 学び直しや新しい分野の学修をしたい社会人

カ 地域に貢献したい意欲を有する者

キ 科学や芸術などの特定の分野で卓越した能力を磨いてきた者

例えばカの地域貢献だとこういうものでしょうかね

地域人材育成入試 | 地域創生学部特設サイト-地域創生の最先端を学ぶ【大正大学】

㉖入学前教育の実施

これは全学部の全ての選抜方法で入学前教育について実施しているかが求められています。一般入試で合格した学生にも入学前教育を課しているかのチェックをしましょう。

なお、設問は義務付けをしているかどうかですので、内容や回収率は関係ありません。また課題なので、入学前セミナーなどでは該当するかは精査が必要ですね。

 

㉗初年次教育の実施

補完教育ではない、初年次教育の実施について求められています。根拠資料にシラバスともありますので、正課内外の初年次教育でいけそうです。

ただ大学としてどの科目が初年次教育として考えているのかは、学内での共通認識が必要かと思います。(おそらく基礎ゼミなどの科目が多いと思います。)

 

㉘高校と大学との連携

これも昨年と変わらない項目です。高校生が大学の授業を経験する機会はあるか(例えば出前授業やオープンキャンパスでの授業体験)、高校と大学との協議体制はあるか、人事交流はあるかなどが求められています。

 

終わりに

全体としてみるとFDの実施が増えたような気がします。提示されているFDの全てをやろうとすると他のテーマのFDはやりにくくなってしまいますね。また学生の参画を求めるものもいくつか見られるようになったのは今年度の大きな特徴であろうと思います。