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平成30年度の私立大学等改革総合支援事業タイプ1の留意点と疑問点

平成30年度の私立大学等改革総合支援事業は、タイプ2の地域連携がタイプ5のプラットフォームに吸収されました。またタイプ1の「教育の質的転換」については、大きく設問が変更されています。

<タイプ1の変更点の概要はこちら>

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しかし、設問が変わった事により、いくつかの疑問点や懸念点、留意点があります。

 

留意点

1.設問ごとによる基準時点が異なる

今回は特に基準時点が設問によってかなり異なります。

殆どは期間設定は昨年の9月から今年の9月末からですが、平成28年度から基準となっているものもあります。

また、ある一定の時点を示したものや、平成30年度の事業であればいいとなっているものもあるので、逐一チェックが必要となります。

 

2.3つのポリシーを踏まえた点検・評価

H30から、3つの方針の点検評価は外部評価だけではなく、学生の代表者が参画する事となりました。これについては特に異論はありませんが、基準時点が平成28年度4月からなのが違和感があります。

ただ各大学には自己点検評価サイクルがあります。例えば、施設設備は毎年点検評価を行う必要はないかもしれません。しかし、入学者選抜や学修成果については毎年点検評価を行う必要があると判断する場合も多いでしょう。

今回タイプ1に申請する場合は、どのような自己点検評価サイクルでやっているのかといった資料も準備したほうがいいかなと感じています。

 

3.様々なFDの実施

平成30年度から、FDは参加率100%ではなく、成績評価、シラバス作成といった具体的なFDの実施が求めらています。また成績水準の設定や成績評価基準の平準化も組織として行うのであれば、FDとしても差し支えないと思います。

ただFDについては、内容が固定化限定化されるのは果たしていいのかといった懸念もあります。(どれぐらいの回数のFDをやると国や事業団は考えているのでしょうかね)

 

疑問点

1.根拠資料について

根拠資料は、原則「~~等」となっているので、その設問に対して大学が組織的に取り組んでいる事実を示せればよいと解釈しています。ただ、困惑するのは「方針(ポリシー)の規程」と記載されていたりします。

方針は方針であって、規程にする必要はないと思いますが、これについては混乱する大学もあるでしょう。規程にする意味や重みが大学によって異なりますが、規程とはどういうものが該当するのかを踏まえるべきだという印象があります。

 

2.IR機能強化

「IRの企画や実施方法等に関する専門的な高等教育プログラムを受講するもの」という内容があります。

例として履修証明プログラムが記載されています。さらに条件として修了証明書といった証明書が必要です。ただ、これに該当するプログラムは全国でどのぐらい開催されているのでしょうか?

高等教育のマネジメントに関するものなどもOKとの事ですが、筑波大学、東北大学、千葉大学などが該当するのではとも思っています。(千葉大学はちょっと難しい判断ですね)

寧ろ、IRの実績や修士号以上の関連学位がある人は駄目なんでしょうかね?

 

 3.アクティブラーニング

アクティブラーニングは昨年度までPBLでしたが、今年からはディベートやグループワークも入りました。ただ対象科目が平成30年度開講科目となっています。これだと実習なども全部対象に入る事になります。学位プログラムによっては、達成の難易度が変わるかもしれません。

あと、シラバスの15回の内、1回でも書いてあればいいですのかね?調べるのはかなり大変そうです。

 

4.カリキュラムコーディネーター

カリキュラム編成に係る外部研修を受けているかといった内容が今回はあります。IRと同様で、これもカリキュラム編成の外部研修は年間でどこがどれぐらいの頻度でやっているのかと思います。

東北大学で先日ありましたが、定期的にやっているものは殆どないと思います。またカリキュラムコーディネーターを小規模中規模大学が採用するのはかなり困難ですよね。

 

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5.SDの実施

SDは「当該大学の教育研究活動等の適切かつ効果的な運営を図るため、その職員に必要な知識及び技能を習得させ、並びにその能力及び資質を向上させるための研修」と大学設置基準に記載されています。

ただ、今回の改革総合支援事業では、教員向けのFDが職員の事務にも係る内容があるから職員のSDとカウントしてもいいという解釈が記載されています。内容は理解できますが、かなり違和感がある内容です。 

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