大学アドミニストレーターを目指す大学職員のブログ

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大学アドミニストレーターとは何なのか?

このブログ名にもなっている「大学アドミニストレーター」は、大学事務職員は事務職員であってそんなのは関係ないとかという意見も最近は耳にします。

 

そもそも「大学アドミニストレーター」とは何のかを明確にしないまま議論や意見を出されている気がしますし、私自身もこのブログを書き始めた時は、ほわっとしたイメージしかないままブログ名をつけています。

 

それでは「大学アドミニストレーター」とは、どのような説明がされているのでしょうか。まずは文部科学省の過去の大学分科会等の議事録からどのようにされているかをおっていきます。(なお、東京大学や桜美林大学の大学院の取組み例もキーワード検索で引っかかっておりますが、今回は除外しました。またほぼ同じ記述は同一のものとしています)

 

平成18年10月19日(木曜日)

中央教育審議会 大学分科会 制度部会(第21回(第3期第6回))議事録・配付資料−文部科学省

【妹尾堅一郎氏(東京大学先端科学技術研究センター特任教授)の意見発表:「実務家教員のあり方と大学ADの育成」】

次に大学のアドミニストレーター及びスタッフディベロップメントについてである。国立大学の法人化や大学間競争が激化する中で,職員の戦力化が非常に大きな課題となっている。現在,職員への役割期待,ロールモデルが変容してきており,これまでの単に事務作業を行うオペレーターモデルからアドミニストレーターモデル,ディレクターモデルへと変化している。しかし,職員研修を行うと,作業処理のみに関心が集中したり,複雑な思考に不慣れでマニュアルを求めたがったり,生産性や専門性の欠如といった状況が見える。では,スタッフディベロップメントや大学アドミニストレーターの育成のためには,どのようなロールモデルと行動活動イメージを策定し,それらに必要などのような知識とスキルのインベントリーを形成し,その学習に相応しいどのようなカリキュラムを編成すれば良いのか。そのため,「大学アドミニストレーター検定」制度の創設を提案する。検定を行うには,能力の担保と学習意欲の促進が主たる狙いである。その方法や育成標準を提示することが重要である。また,今後は大学の統廃合等のために教員と共に職員の流動性が高まるので,その場合も役に立つだろう。例えば,マーケティングや広報,総務(危機管理)については国公私共通の検定とし,財務,教務・学事,国際交流等は国公私別の検定にした方が良いかもしれない。これにより,大学経営管理の再検討・再吟味を通じ生産性の向上に寄与する等が期待できる。さらには幹部教員への啓発効果等の副次的効果も現れるのではないか。

平成18年12月1日(金曜日)

中央教育審議会 大学分科会 大学教育部会(第9回)議事録・配付資料 [資料3]−文部科学省

5  教職員の職能開発(ファカルティ・ディベロップメント等)

                ~略~

5  教員の教育研究活動を支援する体制が質・量ともに不十分ではないか。専門性の高い事務職員、大学アドミニストレーターの養成・研修(SDなど)、そのための環境整備(例:検定制度)が必要ではないか。

平成19年5月10日(木曜日) 15時~17時30分

制度・教育部会 学士課程教育の在り方に関する小委員会(第2回) 議事録:文部科学省

 大学アドミニストレーターに求められるものは、プロフェッショナルな職員に求められるものに加えて、業務管理能力、人事管理と人材育成能力、コミュニケーション能力、プレゼンテーション能力などだろう。
 最後に、大学教職員の職能開発を促進するためには、次のような取組みが必要である。

大学職員養成のための大学院設置を計画的に整備できるようにすること。自分たちで学びたいと職員たちは思っている。全体では44パーセント程度、20代は70パーセント超で、30代、40代は58パーセント程度。一部地域にだけに偏るとまずいので、できれば全国各地域、連合大学院や、通信制大学院などを含む多様な形態で取り組むことが望ましい。
大学職員が大学院で学ぶ場合の授業料補助制度などを検討すること。
職員の自律的な成長を促すために職員研修の補助制度や科学研究費の大学職員枠を設けること。特に地方の大学には手厚く。
FDは、教員だけでなく、職員も共に参加して行うものとして位置づけること。FDは教員、SDは職員いうことではなく、一緒にやることによって職員の職能開発がさらに進むと思う。
大学職員の検定制度とその学習プログラムは性急に進めるのではなく、その可否も含めて、当学会や国立大学マネジメント研究会等の意見を十分に聞き、実施する場合に実効あるものとすること。
中教審など高等教育の在り方を審議する委員会等については、大学職員も構成員に加えること。

 平成18年度から平成19年度の意見を整理すると、オペレーターであった大学事務職員からの発展した大学アドミニストレーターは、専門職として必要な知識能力のみならず業務管理や人事管理といった管理職の側面も合わせ持つものであるとされています。

 

ここから数年間は文部科学省のHPを検索した結果として大学アドミニストレーターの文言は出てこず、次は平成26年度になります。

 

平成26年12月5日

大学教育部会(第32回) 議事録:文部科学省

【西川学校法人立命館人事部長】御紹介いただきました,学校法人立命館で人事部長を拝命しております西川と申します。本日は,よろしくお願いいたします。
                 ~略~
 三つ目は,大学「高度専門職」と大学アドミニストレーターの育成と書いておりますが,実はこの「高度専門職」を育成することを通じて,結果として大学のマネジメントや大学運営,あるいは戦略的なことができる職員育成にもつながっていく。つまり,大学アドミニストレーター育成そのものにも実はなるのではないかと思っております。

 平成28年1月18日(月曜日)

大学教育部会(第41回) 議事録:文部科学省

(下記は資料1-1 大学における専門的職員の活用の実態把握に関する調査結果(概要)に基づいての意見)

【篠田委員】 私も実態調査の方から少し感想的な発言をしたいと思いますけれども,現在専門職員を配置している状況については,最初の2番目のシートで出されておりますけれども,これを拝見しますと,図書だとか,学生の健康管理だとか,既存の資格をベースにして専門職というようなところが現実的には多いというふうに,情報もそうなんですけれども,読み取れるんですが,非常に関心を持って見ましたのは,シートの6番目の今後配置したい職務で特に重要と考える専門的な職員というところなんですけれども,ここではむしろIRの力ですとか,執行部判断に対する総合的な補佐というような形で,この,何といいますか,特定の分野の専門職というよりは,学長や,私立大学の場合には理事長のリーダーシップを支えて,大学運営全体の実態を分析しながら,政策提言をしてくというような領域のところに,全体の大学としては関心というか,強めていきたいという,このあたりのところが非常に注目する。国立大学で見れば,研究とか国際とかというところが突出をしているわけですけれども,全体的にはそこのところに今後の専門的な職員の力をつけていきたいという傾向が読み取れるというのは非常に重要で,これは学校教育法が改定をされて,学長や理事長のリーダーシップが強化をして,大学改革を推進していかなければいけないというところに,職員の役割や力をどのように高めていくのかという点で言うと,一つの方向が出ている,傾向が出ているのじゃないかなと思います。
こういうふうに見てみますと,研究や国際やという特定分野の専門職育成をしていくというのと,今まで大学アドミニストレーターと言われているようなゼネラリスト的な要素も持った専門職を養成しているという,二つの側面があるというふうに見ますと,今日の提起にありますような形で,それをどのように専門職として育成をし,養成をしていくのかというのを,今の段階ではっきり方向付けを定義するというのはやはり難しい段階にあるというふうには思います。

平成28年度の篠田委員の発言を見ると、大学アドミニストレーターはゼネラリスト的な要素を持った専門職という面が変わらずにあるのではとも読み取れます。

 

私自身の考えとしては、「大学アドミニストレーター」とは、教学もしくは財務や大学運営についての深い見識と体験を持ち、大学の教育研究と行政を担う・もしくは学長を補佐する・経営に関わる者であると捉えています。(教学か財務や大学運営かは、今までの職歴や経験によるでしょう。)

たまに課長クラスを大学アドミニストレーターとしているケースも見受けられますが、それには非常に違和感がありまして、おそらく大学に数名しかいないのではないでしょうか?少なくとも今の組織において、そう言えるだろうな且つ尊敬できる人はそう多くはありません。

ただこの考えは大学の組織形態、組織文化、論じる人の立場によっても違うでしょう。

 

 

少なくとも大学職員として心がけていかなければいけないのは、オペレーターである事に甘んじるのではなく、何らかの専門性を持ち、大学の教育研究や運営を支えられるような知識や能力を身につけなければなりません。