大学基準協会より2023年10月16日第4期機関別認証評価の大学基準や評価項目が公表されました。
7年に1回の認証評価ですが、大学基準協会が第4期に入るのがはやく、聞く限りは評価団体によっては大学基準協会の動向を伺っているところもあるようです。
今回は大学基準や評価項目・評価の視点から、大学として確認・検討したほうがいいことをメモ書きとして残しておきます。
なお、取り組んでいない場合に時間や投資が必要なものを記載するようにしています。
基準1 理念・目的
大学で理念・目的がないところはないと思いますが、理念目的を学内外にきちんと公表しているかや中期計画の策定と検証をしているかが必要です。
基準2 内部質保証
内部質保証の考えは認証評価機関によって微妙に異なり、大学基準協会や学位授与機構がかなり厳しく見ます。(機関によっては自己点検・評価をしていれば内部質保証OKというユルユルなところもある)
そのうえで、内部質保証推進組織や根拠を明示し、教育や自己点検・評価・改善活動に対して調整や支援を内部質保証推進組織が実施する実用があります。
※単に確認してOKではなく、内部質保証推進組織が課題に対し真摯に向かい合う必要があるのです。
※今回から学生参画や外部評価、相互評価などが重要なキーワードになっているように思います。なおこれらはあまり事例報告や先行研究がありません。
3.教育研究組織
ここは大学の理念に基づき、また社会的要請等にも配慮して教育研究組織が置かれているかです。この組織は学部学科だけではなく、研究所やセンターも含みます。
4.教育・学習
教育では特に学習成果が重要です。単に学習成果ではなく、3つの方針のディプロマポリシーに記載した知識・能力・態度をきちんと測定し、その結果を改善活動にも活用しているかが問われます。
なお、ディプロマポリシーの知識・能力・態度についておおざっぱに書いている大学は3つの方針の見直しも視野に入れることも必要です。
また教育方法として、遠隔授業の理由付けや遠隔授業の工夫、多様な学生への対応なども確認しましょう。
5.学生の受け入れ
学生の受け入れは学生数の適切な管理も必要ですが、学生の受け入れ方針に基づいて、適切に実施しているか、さらに点検評価も単に入学者数だけではなく、学生の受け入れ方針に基づいてどうだったかも点検・評価が必要です。
6.教員・教員組織
ここ授業補助者とか基幹教員とか、年齢に偏りがないとかありますが、今回のキーワードは科目適合性です。該当教員の研究業績等から科目を持つのにふさわしい研究業績があるかが問われています。設置認可で改組したばかりや教職課程だといろいろとあり、一定の質は担保できているようにも思いますが、過去10年も研究業績がない教員が仮にいた場合は大学としての姿勢が問われるかと思います。
7.学生支援
学生支援については多様な学生への対応や遠隔授業の際の環境の配慮などが必要です。最近はキャンパスソーシャルワーカーを置く大学もありますね。
8.教育研究等環境
教育研究等環境は学生や教職員に対し十分か、例えば学生調査などでも定期的に把握し、点検評価をしているかを確認が必要です
9.社会連携・社会貢献
ここは比較的ボーナスポイントで他の領域で長所がなくてもここはつくケースが多いですよね。ただしやるだけではなく、自己点検・評価と改善活動はしっかりやるようにしましょう。
10.大学運営・財務
ここでは中長期計画の策定、適切な実施や点検評価、また適切な人員配置や教職協働・連携、組織的なSDなどが必要です。
組織的なSDは場当たり的ではなく、SDの方針を策定し、SDの当面の計画を策定(体系的に研修が記載されているもの)などが必要ではないかと思います。