高等教育の無償化が2020年度から始まります。ただ、これは給付が2020年度から始まるという事です。
無償化には、①無償化の支援対象者が要件を満たし、②該当の大学が無償化の対象となっている必要があります。なお、大学側は高等教育の無償化の対象大学となる場合は申請をする必要があるとの事です。
大学側が確認・検討する事項の個人的チェックリストをまとめました。このリストは、大学の今までの教育等の取組み状況によっては、関係ない項目、さらに必要な項目もあります。
おそらく某外部の〇〇〇〇院の検査の時に確実に詳細に見られる所ですよね。
なお高等教育無償化の詳細は、下記の平成30年11月22日をご覧ください。
チェック・検討リスト
学生の支援者の要件に関する事項
・既存のGPAの活用と今回の制度の整合性の確認・検討
・出席率や修得単位数について、迅速な把握や対応できる仕組みの構築
・(可能であれば)在学生で対象となる学生の割合見込みの算出
大学側の要件
実務家教員の配置
・全教員の職歴と担当科目の関係
・シラバスに実務経験のある教員によるシラバスの項目(検索できるようにしておく)か、「実務経験のある教員による授業科目一覧」を作成し、大学のHPで公開する。
・念のため、学科単位での実務家教員が担当する単位数の確認。
外部人材の理事の任命
・外部理事の現状の確認
・外部理事に期待する役割の明確化(法人としての考えの明確化)
・外部理事の担当する職務内容について
厳格な成績評価の実施・公表について
・毎年度の学生の学習状況を確認するシステム・制度
・2019年度(平成31年度)のシラバスに、授業の方法及び内容、到達目標、成績評価の方法・基準の項目があるか
・成績の客観的指標(GPA)についての確認
・GPAの算定についてのHPの公表
・GPAの活用状況についてのHPでの公表
・成績分布状況の資料(IRに依頼?)
・上記項目の記載について、シラバスのガイドラインを定めているか。また公表はどうするか
・実務家教員の科目の記載欄はあるか
・単位の認定について明確(ポリシー化等)を行い、シラバス等で明らかにしているか(もしくは関連規程があるかを確認)、公表はどうするか
・既存のGPAの活用と今回の制度の整合性の確認・検討(再掲)
・出席率や修得単位数について、迅速な把握や対応できる仕組みの構築(再掲)
・学生の学修状況に係る参考情報の公表(学修行動調査、卒業時調査等の報告書公表も該当?)
財務・経営情報の開示
・情報開示のURLと適切に開示されているか
チェックリストを考える上でのメモ
大学進学後の学生の支援者の要件と大学の対応
高等教育の無償化の支援の対象となっても、学習状況について一定の要件が支援対象者に求められています。具体的には以下のものです。
○ 具体的には、以下のいずれかに該当する場合には、直ちに支給をしないこととする。
ⅰ 大学等により、退学・停学その他の処分を受けた場合
ⅱ 修業年限で卒業できないことが確定したと大学等が判断した場合
ⅲ 1年間に修得した単位数が年間の標準的な修得単位数の5割以下の場合
ⅳ 1年間の出席率が5割以下であるなど学習意欲が著しく低いと大学等が判断した場合
○ また、毎年度の確認において、次のいずれかに該当する場合には、大学等が「警告」を行い、それを連続で受けた場合には支給をしないこととする。
ⅰ 1年間に修得した単位数が年間の標準的な修得単位数の6割以下の場合
ⅱ GPA(平均成績)等の客観的指標が学生の所属する学部等において下位4分の1に属する場合
ⅲ 1年間の出席率が8割以下であるなど学習意欲が低いと大学等が判断した場
まずここから確認すべきは、標準的な修得単位数の5割以下です。例えば、大学や該当学部の標準的な年間の修得単位数の平均なのか、キャップ制度(履修登録の上限)の半分かでも対象学生は異なります。
また出席率が5割や8割以下とありますので、出席状況を迅速かつ確実に把握する事が求められるでしょう(最近は、学生証にあるICチップを読み取ってシステム上で出席率を管理する大学も増えましたね)
GPAについては、下位4分の1とありますので、成績全体・出席率などを包括的に把握し、警告までするシステムを大学側は構築する必要があります。
課題として、平成30年度の経常費に関わる「教育の質に係る客観的指標」に「GPA制度の導入、活用」の設問があります。これは平成29年度以前の私立大学等改革総合支援事業にあった内容の為、GPAが〇以下(おそらく固定値)であれば退学勧告に用いると規定している大学もあるでしょう。
今回の無償化でのGPAは「学生の所属する学部等において下位4分の1に属する場合」とあるので、既に規定しているGPAの活用との整合性をどうするかを検討しなければなりません。
あと「出席率8割以下など学習意欲が低い」との記載が気になります。
「国側は、授業は全部出席するもの」という事なのでしょう。ただ「試験規定などで3分の1以上欠席すると試験出来ない」という大学も多いので、学生からすると3分の1までは休んでもいいというのが昔からありましてね、今回の無償化の要件で、3分の1休むと学習意欲が低いとみなし、警告をしなければならないのですね。
高等教育の支援措置の対象となる大学の要件と対応
実務経験のある教員による授業科目の配置
まずは言葉の定義を確認します。
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言葉の定義 |
実務経験のある教員 |
学外での勤務経験だけではなく、担当する授業科目に関連した実務経験を有している者 |
実務経験のある教員による授業科目 |
実務経験を十分に授業に活かしつつ、実践的教育を行っていること |
今回はオムニバスや学外のインターンシップや実習・研修が授業の中心などの実務的教育から構成される授業科目も該当します。
さて、どれぐらいの単位数を実務家教員に配置すればいいかですが、卒業に修得が必要となる単位数の1割以上ですので、大学であれば124単位の13単位以上となります。(ここは、各大学が定める卒業要件の単位数ではなく、各設置基準を基準とするようです)
実務経験のある教員による授業科目か否かについては、授業計画(シラバス)等で明記する必要があります。これは誰が明記するか、本人の実務教員という申告か、どこかの会議体で該当の教員の職歴や業績を見ながら実務教員科目とシラバスに明記するか、おそらくここは外部の検査の対象となると思いますので、授業担当教員の自己判断だけではなく、どこかの会議体できちんと確認をすべき事項だと思います。
資格系科目が中心の学部であれば、担当する授業科目に関連した実務経験を有している教員は多いですので、あまり心配はしていません。また実学等を従事する大学や学部であれば、専任の実務家教員はいるかと思うので、その教員が担当する科目単位数を合わせれば何とかなりそうです。