「法令でSD(スタッフディベロップメント)も義務化になる事だし研修をやりましょう。でも何をしたらいいのだろう。アンケートをとって検討しよう」
このように考える大学もあるかもしれません。私自身、業務内外で勉強会・研修会に関わる事があり、テーマ設定する上でこのような軸があるのではと整理してみました。
1.理解(修得)させたい事と理解(修得)したい事
イメージとしてはトップダウンとボトムアップです。執行部は大学の事を踏まえて、教職員にこのような事を理解させたいというテーマがあります。例えば最近だと3つのポリシーでしょうか。また理解したい事とは現場からの要望によって設定するテーマもあります。
2.知識かスキルか
テーマ設定をする上で(もしくは到達目標を設定する上で)、知識を得て欲しいのか、スキルを得て欲しいのか、それとも両方か。これによって、SDの方法も異なってきます。
3.対象は全教職員か、一部のみか、それとも組織か
SDを議論すると階層別というキーワードが出てくることがあります。全教職員であればかなり幅広いテーマとなりますし、一部、例えば管理運営に関することであれば一部の職階のみとすることもあります。
4.課題とテーマとする場合、組織としての課題か個としての課題か
研修のテーマは何をすればいいですかと聞くと、個々が日常から抱えている課題からテーマとするケースが少なくないように感じます。それもいいのですが、管理職の場合は、組織としての課題も出すことが必要ではないかと感じます。
5.短期的か長期的か
4の課題と関連しますが、短期的な結果を出したいものなのか、長期的にSDを行い結果を出すものなのかを考えます。まあ短期的に散発でやって、補助金の証拠作りとするのはあまり関心はできません(私立大学等改革総合支援事業では、タイプ1採択を目指す大学はSDの方針や年間計画を策定するのでしょう)
6.補助金の要件か否か
既に過去記事で述べていますが、私立大学等改革総合支援事業にタイプ1のSDの実施に関する項目があります。 ここでは①3つのポリシー・自己点検・内部質保証、②教学マネジメントに関わる専門的職員の育成、③大学改革、④学生の厚生補導、⑤業務領域の知見の獲得を目的とするSDを実施する必要があります。
7.何の為か?大学?学生?
「大学の為」と「学生の為」は、同じ意味を持つときもあり、まったく違う意味を持つこともあるのではないかと思います。大学の為といって、教学からの観点と経営の観点から見ることもできます。ただ経営の為だから学生の為にならないという事ではなく、大学(組織)の維持存続も遠回りですが学生の為という言えるのではと思います。
とりあえず、書きながら思いつくものを列挙してみました。(今後追記する場合があります)
私見ですが、SDは「教えて君」を満足させる場ではないと考えています。大学には様々な知見があり、調べる事も他業種と比較して容易です。4番に書きましたが、個の課題であれば組織としてのSDで取り上げるのではなく、個で調べるかグループで解決する方法を模索する必要もあるのではないかと思います。(その為の支援は必要と思います)