研究をするうえで、原資というのは欠かすことが出来ません。まあお金はなくても研究できないことはないですが、持ち出しがあったりとか、書籍代も馬鹿にはなりません。
さて、教育・研究機関の教職員問うであって、他の科研の応募資格を持たない人(研究者番号を持っていない人)で一人で行う研究を助成し、奨励することを目的とした科学研究費助成事業があります。
全分野で申請することができ、教育現場等の実務に基づく研究が対象です。
つまり大学職員も申請できるわけで、自分もかなり長い期間申請をしております。ただこの奨励研究は採択率が低くて2023年の採択率(2024年度実施事業)は15.4%でした。
さて、自分も運良くn回採択されたことがあったので、ちょっとティップスというかこの辺は経験を少しまとめておきます。
申請書 研究目的や研究方法の内容
奨励研究は申請書の指定ページ数が非常に少ないです。1年間の助成ということもあり、そこまで書くことはないかと思いきや、ページ数が少なすぎて、その研究の必要性や背景・問題意識、研究のRQ(リサーチクエスチョン)、研究の方法、研究ができそうかどうかをコンパクトに書くことが求められます。
特に研究の方法はどのような研究方法なのか、単に調べるだけではなく、研究手法も入れたほうがいいように思います。さらに研究のスケジュールも図や表などで分かりやすくいれましょう。
科研費の申請書で、太字や下線を引くことがありますが、これは最低限かつ強調部分だけ読めば分かるようにしましょう。
研究の実現性は、研究協力者として例えば学内の先生に指導してもらえるとか、大学院の指導教員がいるとかであればそれを書きましょう。自分も仲のよい先生などに頼んだことがあります。
個人的にはかなり攻めた内容のほうが採択されるようにも思いますし、社会的意義をしっかり書くようにしたほうがいいです(例:国の●●という会議で課題であるとされている)
まあかなり攻めた内容で出して採択されると「誰がこんな計画出したんじゃ〜〜〜!」と思うことがあるのですけど。
あとは「教育現場等の実務に基づく研究が対象」をふまえておくことが必要ですね。
申請書 これまでの研究活動及びその成果
ここはさすがになしというわけにも行かないので、書けるように発表や書き物を日常からしておきましょう。
自分の場合は、最初に申請者の今までの研究実績として、大学院でどういう研究をして、今はどういう研究をしているかを書いて、その後に関連の活字業績や発表を書きました。
費用の計上について
奨励研究は100万まで申請することができるのですが、2023年度採択結果として1課題あたりの配分額は平均438,000円、最高480,000円です。
パソコンとかいれると60-70万とかいってしまうことがあるのですが、それだと「申請額多過ぎじゃね?」と言われて駄目だったときがありました。個人的には毎回40-50万ぐらいで出して、そこから圧縮される感じですね。
おわりに
奨励研究ですが、大学によっては申請を認めんというところも聞きますので、研究担当部署にそれとなく聞いてみるのがいいように思います。
あと奨励研究は間接経費がないので、そこも含んでおいてください