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アセスメントポリシーを私学助成の要件とするには、ポリシーの指針が必要ではないだろうか

 (特に私学の)大学関係者は、私学助成の次のニュースが気になる人が多かったのではないでしょうか。

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特に気になったのはこの部分です。(下線は筆者)

「改革総合支援事業では教育の質の『向上』を掲げながら、実際には質の『維持』に該当するような項目も含まれていた。それらは今後、私学助成を配分する大学に標準的に求める要件として位置付ける」と文科省の担当者。「アセスメントポリシーの整備」は改革総合支援事業にもない新しい項目だが、それ以外は大学設置基準レベルの課題にきちんと取り組んでいれば補助金を大きく減らされることはなく、ある程度、定員割れしていてもここでカバーできるような設定にするという。

私立大学等改革総合支援事業の項目内容から、担当者間では「そのうち一般補助になるだろう」と話をしていたのが、現実になってきたなと思います。ただアセスメントポリシーがこの中に含まれているのは個人的にはちょっと違和感があります。今回はその違和感についてまとめています。

 

さて本ブログでもアセスメントポリシーについて、過去に何回かふれたことがあります。

www.daigaku23.com 

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この2つの記事が書いた2年前の2012年の質的転換答申の用語集にアセスメントポリシーの記載があります。

http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2012/10/04/1325048_3.pdf

【アセスメント・ポリシー】(p17、20)
学生の学修成果の評価(アセスメント)について、その目的、達成すべき質的水準及び具体的実施方法などについて定めた学内の方針。英国では、高等教育質保証機構QAA:Quality Assurance Agency for Higher Education)が中心となって質保証に関する規範(※)を策定し、各大学が満たすべきアセスメントの質的水準や手法などについて規定している。各大学では、これを踏まえて学内の方針を定めている。

 

また大学ポートレートの用語集にも、アセスメントポリシーの用語解説があります。

アセスメントポリシー|大学ポートレート(私学版)

学生の学習成果の評価(アセスメント)の方針です。
アセスメントポリシーは学生の学修成果の評価について、各大学等が、その目的、達成すべき質的水準、評価の実施方法などについて定めた学内の方針です。

 

先進的な大学はおそらく2014年ぐらいからアセスメントポリシーを策定し始めたのですが、アセスメントポリシーと一体して議論される3つの方針について2016年3月に大きな契機がありました。それは中央教育審議会大学分科会大学教育部会から出された「「卒業認定・学位授与の方針」(ディプロマ・ポリシー),「教育課程編成・実施の方針」(カリキュラム・ポリシー)及び「入学者受入れの方針」(アドミッション・ポリシー)の策定及び運用に関するガイドライン」です。

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/houkoku/__icsFiles/afieldfile/2016/04/01/1369248_01_1.pdf

このガイドラインには、3つの方針の基本的な考え方が示されています。(ガイドラインP3)(下線は筆者)

ディプロマ・ポリシー
各大学,学部・学科等の教育理念に基づき,どのような力を身に付けた者に卒業を認定し,学位を授与するのかを定める基本的な方針であり,学生の学修成果の目標ともなるもの。

カリキュラム・ポリシー

ディプロマ・ポリシーの達成のために,どのような教育課程を編成し,どのような教育内容・方法を実施し,学修成果をどのように評価するのかを定める基本的な方針。

アドミッション・ポリシー

各大学,学部・学科等の教育理念,ディプロマ・ポリシー,カリキュラム・ポリシーに基づく教育内容等を踏まえ,どのように入学者を受け入れるかを定める基本的な方針であり,受け入れる学生に求める学習成果(「学力の3要素」※についてどのような成果を求めるか)を示すもの。

※(1)知識・技能,(2)思考力・判断力・表現力等の能力,(3)主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度

 このガイドラインでは、カリキュラム・ポリシーに教育課程の編成に加えて、学修成果について記載がされていることに留意する必要があります。

また同ガイドラインのカリキュラム・ポリシーの個別留意事項として次のように記載されています。(同ガイドラインP6)

(カリキュラム・ポリシーについて)
ディプロマ・ポリシーを踏まえた教育課程編成,当該教育課程における学修方法・学修過程,学修成果の評価の在り方等を具体的に示すこと。その際,能動的学修の充実等,大学教育の質的転換に向けた取組の充実を重視すること。
・ 卒業認定・学位授与に求められる体系的な教育課程の構築に向けて,初年次教育,教養教育,専門教育,キャリア教育等の様々な観点から検討を行うこと。特に,初年次教育については,多様な入学者が自ら学修計画を立て,主体的な学びを実践できるようにする観点から充実を図ること。

これにより、カリキュラムポリシーに教育評価が記載されることになったのですが、そうすると今までに策定していたアセスメントポリシーとの整合性の問題が出てきました。これを受けて、平成28~平成29年当時はこのように考えておりました。

①アセスメントポリシーの内容は既にカリキュラムポリシーに含まれる事になるのだから、策定する必要はないかもしれない。

②しかしあくまでポリシーでありアセスメントに関する具体性が乏しいため、いつ・どのようにアセスメントをするかを記載したアセスメントプランを策定する必要がある。

よって、カリキュラムポリシーに記載した学修成果に沿ったアセスメントプランやアセスメントツールの再構築が必要ではないか?と思い、学内でも同様に検討を行っておりました。(ただ、従来策定したアセスメントポリシーは生きておりましたので、これらも踏まえ、検討をしておりました)

 

しかし、今回補助金の要件としてアセスメントポリシーが新たに脚光を浴びた印象があります。私としては、私学助成の要件にするのであれば、私学が混乱しない為に、

①今回の3つの方針の基本的な考え方とアセスメントポリシーの定義との整合性をどうするのか?

②もしくはカリキュラムポリシーとアセスメントポリシーは学修成果に関する記載は重複してもいいのか?

③アセスメントプランは必要なのか

といった内容について説明できる指針を明らかにする必要があると思っています。

 

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