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大学基準協会第3期認証評価の判定保留と基準の公表と自己点検評価

 認証評価は、学校教育法第109条により、受審する事が求められています。

第百九条 大学は、その教育研究水準の向上に資するため、文部科学大臣の定めるところにより、当該大学の教育及び研究、組織及び運営並びに施設及び設備(次項において「教育研究等」という。)の状況について自ら点検及び評価を行い、その結果を公表するものとする。
○2 大学は、前項の措置に加え、当該大学の教育研究等の総合的な状況について、政令で定める期間ごとに、文部科学大臣の認証を受けた者(以下「認証評価機関」という。)による評価(以下「認証評価」という。)を受けるものとする。ただし、認証評価機関が存在しない場合その他特別の事由がある場合であつて、文部科学大臣の定める措置を講じているときは、この限りでない。

 平成30年度から第3期となり、例えば大学基準協会では「大学評価ハンドブック」が公表されています。また2018年4月13日に、平成31年度に受審する大学向けの改訂版の「大学評価ハンドブック」が公開されました。ハンドブックのPDFデータや主な改訂内容については次の一覧にまとめられております。

www.juaa.or.jp

 この改訂を見ると、様式の追加や具体的な説明が追記されております。特に一番大きい追加は「判定及び判定保留の基準とその運用方針(以下、「方針」)」かと思います。これには、認証評価の「適合・不適合・保留」の基準だけではなく、運用方針が明示され、問題事項や判断対象などが明示されています。

 

 ではどのような時に不適合とされるのでしょうか?評価では判定をする前に、いくつか「是正勧告」が提言されます。

1.問題の重大性
○「是正勧告」が下記の何れかに該当し、大学としてふさわしい教育の水準及び質の確保を困難にする問題を特に重大なものとする(法令事項に限らない)。
▸ その問題によって、学生は学位に見合う教育を受けることができない。
▸ その問題によって、当該大学の教育研究活動の安定的・継続的な実施が見通せない。
▸ 他の重大な問題の原因となるなど、教育の質や大学の運営等に与える影響が大きい。

2.改善に向けた取り組み状況等の考慮
○改善に向けた取り組み状況を総合的に考慮した結果、近い将来の改善が期待できる場合は、「不適合」と判定せず判定を「保留」する。その際、将来的な改善計画を考慮する場合は、再評価時までの改善の蓋然性を重視する。
○ 上記に関わらず、近い将来の改善が期待できる問題であっても、問題の重大性に鑑みて、判定を「保留」せず「不適合」とすることも検討する。

(法令事項に限らず)大学としての質が担保できない場合は是正事項とし不適合とするが、きちんと改善計画を立てていて改善が見込まれる場合は、その限りではないという事ですね。言い換えると、大学が自らの問題を認識し、きちんと改善できるかどうかが問われています。(言い換えると自浄作用はあるかという事でしょうか)

 

これは方針に記載されている専任教員数についての事例を見るとイメージしやすいかと思います。この専任教員数がどのような時に指摘され不適合となるのかを見てみると、次のように記載されています。

≪「不適合」に相当する場合≫
下記の何れかに当たる場合は、「不適合」とする。
不足又は超過する状態が、大学評価実施前年度の「大学基礎データ」基準日ですでに1年以上継続したものであり、かつ同日時点で公募又はこれに相当する手続を進めていない場合。
・ 不足又は超過する数が相当数にのぼる場合。

 平成31年度に大学基準協会で認証評価を受けようとする大学は、前年度の取組をもとに自己点検評価報告書を作成し、平成31年4月に報告書を提出、秋頃に実地調査で平成32年の3月に評価結果を受領します。(詳細はハンドブック15ページ)また教員数などの基本的なデータは、前年度の5月1日が基準日となります。

 では5月1日のデータで専任教員が大学設置基準から見て足りないことが分かりました。この場合どうするでしょうか?そのまま足りないとだけ報告しますか?それとも公募等を行い、後期あるいは翌年4月から着任できるように学内手続きを進めますか?内部質保証は、自らが課題を認識し、それを改善していくとも言えます。課題を認識しておきながら(もしくは気づいてすらいないなどで)何も手をうっていないのでは、内部質保証システムが欠落していると言ってもよいかもしれません。また自己点検評価報告書には、5月1日では教員数が足りないが、○月に公募し、10月から教授が1人着任といった事が確認できるようにしておく必要があります。

 また大学基準協会で受審する場合は「基礎要件に係る評価の指針」は必ず確認しましょう。

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 この指針は法令要件等に基づいております。法令で定められていることが出来ていない大学は、言うまでもなく指摘がされております。逆に法令で求めれているものもこの指針には大部分が集約されているとも言えます。可能であれば(むしろ必ず)前年度の5月1日までには、基礎要件は全て満たしておく必要があるでしょう。

 そしてこれらについて確認を行うのは専任の大学職員であると私は考えております。認証評価で求めているのは自らが自浄作用を持っているかどうかです。そもそもその内容がOKなのかどうかの基準(や法令)をきちんと理解して、自己点検評価を行う際の最低限の基準は持っておかないといけないのだと思います。