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調整業務の難しさと内容について

仕事をする上で問題になりやすい・炎上しやすい原因の一つとして、調整がきちんと出来ていないという事があります。

自分の仕事の基本はルーチンワークだから調整業務なんてないと思う人もいるかもしれません。ただルーチンワークであっても、何かしら問題やイレギュラーな事が起こる、あるいは方針が変わり何かが一新される場合は、調整業務はついてまわります。

同じ組織で同じ目的を持っていても、人が多数いる組織で働く以上は利害関係や考えや背景が違う人がいますので、事前の調整は欠かすことが出来ません特に同じ社内(私は大学が職場なので学内)であっても、他部門との調整は非常に難しい事が多々あります。

調整は簡単なのか

職場の中には「調整業務なんて簡単」と豪語される方もいます。

おそらく調整というイメージが人によってかなり相違があります。例えば調整をするという事は、スケジュール調整だけをイメージする人がいるかもしれません。

さらに右から来たものをスケジュールだけ調整しつつ、左へ流す事を調整と思う人がいるかもしれません。

スケジュール調整は、簡単にスケジュール調整が出来るツールもありますので、それを使うと非常に簡単です。ただ調整ツールが使えない、もしくは忙しい人達を集める会議のスケジュール調整は少し大変なことがあります。これは難易度の高さではなく、手間がかかる場合があるというだけです。

また右から左へ流すだけの仕事、特に同一職場内でそれをやっているのであれば、あまり意味のない仕事であると感じます。言うなれば子供のお使いレベルの仕事です。

そしておそらく調整の仕事というのは単にスケジュール調整をして、仕事をぶん投げることだけではありません。

 

調整の仕事とは何か

調整の仕事といっても人によってイメージが違うので、定義をする事は中々難しいように感じます。ただ私は、調整の仕事とは「(各組織の利害関係や利益を踏まえ)一つの目的を達成する為に、組織(例えば部署や部局間)をつなぎ、ある方向に関連の部署や人たちが動き出す為のコミュニケーションと政治的な仕事」であると思っています。

例えばミーティングをするにあたって、スケジュール調整なども調整業務の一つではありますが、それは調整の仕事のほんの一部分でしかありません。

調整をする上で注意すること

調整の仕事は単にスケジュール調整や仕事を投げることではなく、コミュニケーションや政治的な仕事も含むとしました。その中で私が調整業務の注意すべき点として心がけているのは次の事です。

  • 他人は自分と同一ではないという事
  • 仕事の方法や速度は自分基準で考えない事
  • たんに仕事を流すだけではなく、調整者もきちんと汗をかくこと
  • 常に信頼関係を築くこと

特に大事なのは3つ目と4つ目です。調整業務だからといって、他の人達に「あれやれこれやれ」は上手くいかない原因の1つであると思います。調整者も出来るところはやっていく、つまり汗をかかないと「あいつは口ばかりだ」と言われて、信頼すらしてもらえません。少し無理な調整(お願いごと)だと「○○さんに言われたから、何とかしてやろう」という事がたまにありますが、口ばっかりで何もしない調整者だと「○○さんは適当だし、仕事しないから、基本は断ろう」となってしまう危惧があります。

調整をするにはどういう能力が必要なのか

では、調整をしていくにはどのような能力が必要なのでしょうか。私自身は日々の仕事を見ているとこれらは必要であると感じています。

  1. 高度な政治力とコミュニケーション力
  2. 業界や組織、個人の先を見通す力
  3. ネットワークと実績
  4. その分野に関する高度な知識

さらに先程の注意点でも述べた信頼性も欠かせません。ただ高度な知識はなくとも、まわりの(信頼できる)人(部下・や上司、同僚)がその知識を持っていて、知識提供があればその限りではないと思います。

 

調整で炎上する例

調整の仕事は、調整者の責任が問われるものです。この責任がある事をきちんと理解出来ていない人は管理職であろうと炎上します(そもそも調整が出来るから管理職にではなく、年齢だけで何となく管理職になった人に多いのではないでしょうか)

調整業務の中で炎上する簡単な例として、こんなものが考えられます。

  1. 調整者Zは、AとBの部署と調整しないといけないのに、Aの部署からBの部署に連絡がされるという思い込みで、結局連絡すらしていなかった
  2. その調整は、役職にあるZ自身が責任を持ってやるべき事なのに、責務を果たしておらず、炎上後は鎮火をしようとせずに「悪いのはAの部署」と主張した。

これは単にZの仕事の出来なさが原因の一つの要因ではないかと思います。

ただ調整の仕事は、思い込んではダメなのと、少し引っかかる事は大事にすることが重要なんだと思います。何か引っかかるという事は知識や今までの経験知からだと思います。そもそも仕事が出来ない人は引っかかる事すらなく、疑うことなく、何もせずに炎上して何もできません・しません。

 

終わりに〜調整業務は誰でも出来るのか?〜

調整業務といっても、その規模や組織文化、調整者の職位や信頼によって難易度がまったく違います。また調整する仕事は年齢が上がる、役職があがる事につれ、増えていく組織が多いと思います。

そして役職がついて調整が出来ない人というのは、恥ずかしい事であり一般的な仕事が出来ないと思ってもいいのではないかと思っています。

ただ中には極端な前例主義で変える必要はないから調整をしないという人もいますよね。