IRの業務に限った話ではないですが、データ集計・分析等の報告をする上でいくつか気をつけている点があります。IRは、データ分析だけではなく、データの収集、データから情報への変換(データ集計・分析)、報告といった流れがあり、データ分析までがIRではありません。報告もIRの大きな役割です。それでは、一担当者が気をつけている事をまとめてみました。
①.報告対象者を見据えているか
・報告対象者はどのような立ち位置の人か(執行部?現場?)
派生して考えると、相手の年齢層はいくつぐらいですか?たまに経験豊富な方々がほとんどの会議資料で、文字サイズは小さい時がありますので、その辺りも考慮が必要です。
・報告対象者のデータを読み取る力はどのくらいあるか?
統計分析をたくさん行っても、報告対象者がその分析・意味を分からなければ、分析・報告する意味はないと思っています。例えば様々な分析を行っても、どこかで分かりやすく解説は最低限入れておく必要があります。
・二次報告者を見据えているか?
分析したデータ報告は、IR担当者が直接報告を行った人からさらに別の方(二次報告者)へ報告をする場合があります。意味が分からない事は、IR担当者が直接説明できる機会があればいいですが、そうでない場合は、一次報告者が二次報告者に対して説明ができるような資料を作成する必要があると思います。
②.報告書の様式について
・ページ数はどの程度か(適切な量か)
様々な分析・探求的なデータ分析は否定するものではありませんが、全ての結果を載せると膨大な量になる場合があります。例えば分厚い報告書を出して、「○ページを見て下さい。次は○ページです」としてもいいのですが、報告書の最初に伝えたい事項・要約・サマリーがあってもいいのかなと思います。
・フルカラーについては注意
データを扱う以上、グラフ等を載せる事は多くなります。ただ、あまりにカラフルなのも考慮が必要です。例えば、ページ数が多い場合はフルカラー印刷はコストが高いです。会議によっては、原則白黒コピーの会議もあります。その場合、IR担当者が会議の場で「赤の部分は○○です」といっても、報告対象者の手持ち資料は白黒かもしれません。フルカラーはPDF版や報告書はいいですが、例えば、グラフは色の濃淡で表現し、白黒印刷でも見えるようにする、二色刷り印刷に対応した報告書にするといった工夫が考えられます。(二色刷りだと、白黒印刷とコストがほとんど変わらない場合もあります)
③その他
・自己満足な報告書になっていないか
例えば、分析手法を勉強して、色々分析をしてみるのは大事ですが、自分が分かることは相手も分かるとは限りません。
・事前調整はすんでいるか
よくありがちな話ですが、分析になるとご専門の先生がたもおりますので、そういう人たちは調整(俗にいう根回し)が必要な時があります。自分の場合は、「これはどうですかね?」と教えてもらうと一緒にやっている時が多いです。
何個か気をつけている事項について列挙してみました。組織文化によってもだいぶ違うかと思います。専門的な仕事になりがちだからこそ、相手をきちんと見て業務をすべきだなと感じています。