最近SDの義務化を含め、周囲(学内外)ではSDについての話をちょくちょく聞きます。また本ブログでもSDについて、現在の動向や私個人の情報を発信してきました。今回は、SDの取組みをテーマとして公表されている情報を基にまとめてみます。
先日、大学基準協会の評価結果検索画面で、2015年度に受審した大学の評価結果を見ることができるようになりました。そこで本記事では上記に該当する大学の評価結果より、組織としてどのようなSDに取組んでいるかを調べてみました。
<参考>
なお、該当は2015年度に評価を実施した、大学評価・私立大学・判定が適合となっている大学を対象としています。またSDは、ここでは「大学(事務)職員を対象とした組織的な制度」とします。
(余談ではありますが、評価書では大学職員ではなく事務職員という標記が多かったです。)
まずは多くの大学で取組まれていたものを下記に列記しました。(順不同です)
・人事評価や目標管理制度の構築
・新人研修
・管理職研修
・役割別研修
・経験年数別研修
・課題別・部課別研修
・語学研修
・海外研修
・他大学への出向制度
・スタッフ・ポートフォリオの作成
・若手職員の人材育成を目的とした業務改善プロジェクト
・外部団体主催の研修会に参加
・建学の精神を高揚する為の研修
・メンター制度
・個々の自己研鑽への予算措置(例えば、自己啓発研修女性など)
・教職員一体の「FD・SD研修」の実施
・部署横断型のプロジェクト活動
・クレーム対応研修
各大学も全てではなくとも、上記のうち、いくつかは制度としてあるかと思います。また建学の精神を高揚する研修とありますが、学生への自校(史)教育と同様のものかと推察されます。SDとはいっても、人事制度や人事マネジメントと捉えるほうが適切なものもあります。
続いて、個人的に気になった特色あるSD制度や研修の取組みです。
○大阪体育大学
2009年度に行った「中堅若手職員による大阪体育大学のビジョン試案作成研修」
○大谷大学
2014年度から、専任職員としての身分を保持したまま一定の間、所定労働時間を短くする「大学職員ショートタイムワーク制度」←経験豊富な人材流出を防ぐことを目的としているそうです。
○金沢工業大学
功労のあった職員に対する「理事長賞」や「永年勤続賞」。
○九州ルーテル学院大学
毎年度1人最低1回は外部の研修会に参加することを目的とし、成果を事務職員会議で報告する。
○京都精華大学
個人研究費の支給、学外研究を認めている。
○京都ノートルダム女子大学
大学が求める事務職員のあるべき姿を「事務職員像」として明文化している。
○福岡大学
人事考課で評価が高い職員に対して、国内外業務研修、大学院修学制度といったキャリア支援の制度が検討されている。
○北星学園大学
職員研修プログラムの中で大学共通科目「北星学」の聴講を取り入れている。←シラバスを拝見すると自校教育の科目の内容です。
前回のブログ記事で紹介したようなSDの定義ではありませんが、各大学の特色ある取組みは興味深く、九州ルーテル学院大学の行った(参加した)だけでは終わらない取り組みや京都光華大学の個人研究費の支給は所属機関でも取組めないだろうかと思っています。
<参考 今までのSDに関する本ブログの記事>