先日、SDについて考えるワークショップ「アカデミック・カフェ・キャラバン」をご縁で主催者として参加しました。
当日の様子については、同じく主催者の方のブログで紹介されておりますので、ここで当日の紹介は省略します。
さて、この会でも「なるほど、自分も共感するし、そう考える」という数々の示唆をいただいたのですが、その中の一つに関連して、職場内でSDの話題になった際にどれを対象とし、何を目的としているのだろうと思う時があります。
例えば、次の例を考えてみます。組織の「2・6・2の法則」は聞いたことがある人は多いと思います。
<参考>組織の2・6・2の法則
この法則にした場合、SDはどのように考えるのでしょうか。20%のできる人を「A」、60%の普通の人を「B」、20%のできない人を「C」としてみました。
①Aを引き上げて、組織(管理運営)を引っ張っていきたい。
例えば選抜者研修とか、階層別研修もこの例に当てはまるかと思います。
②各層を引っ張り挙げて、みんな出来る人にしたい(現実的に可能かどうかはわかりません)
①よりはるかに難しく、最適解がないかと思います。特にSDの話をする上で、C層の参加率は悪いとか、興味を示してくれないとか、そのためにはどうしたらいいか、結局どうしようもないという事はよく聞く話です。これも階層別研修などもあたるのでしょうか。
③組織のビジョンを達成できる人材育成を行う
大学の組織のビジョンとして、私学であれば建学の精神や大学の教育目標、具体化した中期計画などがあります。そのビジョンを達成する為に、職員はどのような役割が求められ、どのような人材が必要となるかを見据え、SDを実施する事も考えられます。イメージとしては、各層だけを動かすのではなく、土台そのものを動かすというものです。全ての層を一定水準まで
以上のように学内で「SDが必要、義務化になったからやりましょう!」と言うだけではなく、どこをターゲットにし、何を目的とするのかといった相互理解は必要ではないでしょうか。なお、上記の3案もどれが正解・不正解かは組織によって全く異なると思います。一番楽なのはA層を対象にする事ですが、組織としていかがなものかという所は個人的に感じています。
ただSDの義務化は、能力及び資質を向上させるための研修の機会を推進するには良いカンフル剤になる可能性はあります。ただ目的や方法を間違えると、SDを忌避してしまう可能性も考えられますので、現状をきちんと把握する必要がりますし、何(大学、学生)の為のSDという事を軽視し理想だけを実施するSDはやらないように気をつけねばならないですね。
<過去のSDに関する本ブログの記事>