大学アドミニストレーターを目指す大学職員のブログ

大学職員から見る大学や高等教育関連の話題が中心。

【スポンサーリンク】

平成30年度設置計画履行状況等調査結果の特徴について~是正意見を中心に~

2019年3月28日(木)に文部科学省のホームページで「設置計画履行状況等調査の結果について(平成30年度)」が公表されました。例年、この結果は2月下旬に公表されていましたので、かなり遅い公表時期です。

http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/ninka/1413782.htm

さて、この設置計画等履行状況等調査ですが、大学の設置等の認可の申請及び届出に係る手続き等に関する規則に基づいて、大学・学部等を設置する時に示した計画に沿って適切に履行しているか、計画を履行するにあたって指摘された留意事項の対応状況が確認をするものです。

なお、設置計画履行状況等調査の概要については昨年度の「平成29年度設置計画履行状況等調査」関連記事をご覧下さい。

<関連記事>

www.daigaku23.com

さて、今回は平成30年度設置計画履行状況等調査だけを見るのでは、平成27年度以降の設置計画履行状況等調査から概観して、平成30年度の指摘事項、特に是正意見の特色について触れてみます。(平成27年度から取り上げたのは、用語の定義「指摘事項」が平成26年度と平成27年度では異なる為です)

平成27年度から平成30年度設置計画履行状況等調査について

まずは平成27年度からの設置計画履行状況等調査の調査対象や指摘をされた校数(短大等も含む)です。

  H27 H28 H29 H30
調査対象 450 443 412 442
意見あり 270 237 208 118
警告 1 0 0  
法令違反       0
是正 9 2 5 18
改善 269 237 208 108
意見なし 180 206 204  

母数は4年間、あまり変わりませんが、改善意見だけは平成30年度は大幅に減少しています。

私見ですが、改善意見は「定年規程に定める退職年齢を超える専任教員数の割合が高い」とか「入学定員超過が高いor入学定員未充足」あたりが多いかと思いますが、それらが全体的に改善されたのでしょうか。

また平成27年度に警告がありますが、これは東京福祉大学の「教育課程の改善として授業科目を大幅に変更しているが、過年度入学者が履修した科目が学則上から削除されており、経過措置や読替規定も存在していない。」といった内容です。

 

平成30年度の是正意見の特徴

平成27年度から平成29年度の是正意見として、こんなものがあります。

平成27年度 ・教員数が設置基準上必要とされる人数を満たしていない。
・教員の補充がされていない。
・大学設置基準上の授業時間数が確保出来ていない。
・一部の科目が大学教育として適切な内容ではない。
・認可時の留意事項について対応の報告がない。
・シラバスがない科目がある。
平成28年度 ・必修の専門科目で主要な科目が専任教員が担当していない(大学設置基準10条)
・入学定員超過が続いている。
平成29年度 ・定員を大幅に超過して学生を受け入れている。
・他大学との単位互換(留学認定科目による授業実態がない)
・シラバスの14回・15回目に定期試験を行う科目がある(必要授業時間数を確保できていない)
・専任教員数が認可時の計画から大幅に減少している。

大学設置基準を満たしていない点であったり、設置認可時の計画書、つまり大学を作るうえでの約束が十分に守られていない事の指摘が多いようです。

 

では平成30年度の是正意見ですが、こんなものが見受けられます。赤字は今回の特徴とみられる箇所です。

  • ジョイントディグリープログラム(海外大学との共同学位授与)におけるシラバスの記載について
  • 専任教員数が認可時・届出時の計画から減少している
  • 平均入学定員充足率が低い(是正は0.3倍以下?)
  • 学生数が定員を大きく超過している
  • キャリアプランニングの到達目標が就職対策に向けた設定となっている
  • 学生への履修指導が十分に実施されていない
  • 海外セミナーでの海外大学で取得した単位の認定方法が適切でない
  • 推薦入試の募集人員が5割を超えた推薦入試の募集人員の設定になっている。
  • 科目の定期試験についてシラバスで明示された到達目標を確認する内容になっていない、大学教育の水準に照らしてふさわしくない内容がある。

 今回、気になるのは是正意見として平均入学定員充足率や推薦入試の募集人員などが入ってきています。

平均入学定員充足率は今までは改善意見で指摘されていましたが、今回から是正意見となり、とうとう入学定員に関して足りない場合もとうとうかと感じています。

ただ改善意見が何年も続いたから是正意見となったのか、それとも今回の是正意見には倍率が書いてあるので、0.3倍未満が是正意見となっているのかもしれません。

あと驚くべき指摘がありますね。ある短大の専攻の平均入学定員超過率が3.24倍とあります。ただこの短大の情報公開を見ると専攻ごとの入学者数や定員数を出していませんでした。