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大学の内部質保証の取組における留意点私論

我が国の大学の質保証システム(仕組み)として、大学設置基準、設置認可・アフターケア、認証評価、内部質保証、情報公開などがあります。

内部質保証は認証評価においてその適切性や成果などが確認されるなど、これらの質保証システムは独立するのではなく、相互に関連し、質保証を保証しているのです。

内部質保証の取組と相違

さて、内部質保証は大学によって、所掌している組織、方法ややっている内容は異なることがあります。これは大学が独自に構築するものであるから当然ではあるのですが、大学が受審している認証評価機関によっても内部質保証に求めている(基準や評価の観点)が若干違うためと考えています。

※第3期認証評価の話であり、第4期、また今後検討される新たな第三者評価はどうなるかわかりません)

ただ内部質保証は大学が行っている自己点検・評価とPDCAサイクルを密接に関連し、評価結果を踏まえ、大学が自らの質を保証するために行うものであり、直接的に内部質保証を所掌する組織が動くこともあれば、改善指示を出すだけといったこともあります。

とはいえ内部質保証を強硬に進めると学内でも問題がでてきます。今回はちょっと思いついたものをまとめてみます。

内部質保証の留意点私論

さて、ここからが本題です。内部質保証を行う際にどのような点に留意したらいいのでしょうか。様々な大学の事例や報告書や経験する中でいくつかを書いてみます。

①密室で行われる内部質保証

説明するまでもないですね。あと院政型内部質保証というのもあり、内部質保証の組織はあるけど、実質的な取組をしておらず、裏で数人の会議でやっているというのもあります。

②理想を押しつける内部質保証

改善というのは果てしない物ですし、組織や人なので一気に改善することは難しい場合があります。それを無視して「やれ」だけでは、あとで反動が必ず来ます。

反動なんてないよと思っても、該当する人がいなくなったら、揺れ戻しがくることがあります。そのためには、段階的に改善する、100%の理想ではなく着地点(妥協点)をきちんと決めておくことが必要です。内部質保証担当なんて役割であって、偉くないのです。

③責任を押しつける、責め立てる内部質保証

②とも関連するのですが、例えば○○をやらないといけないけど今の資源では出来ないという現場から意見があったとします。

ここで、現状把握と今後を見据えて段階的か着地点を模索するのがいいかと思うのですが、「これが出来ていないのはあなたたちが悪い」と責め立て相手の責任があるかのようにし、無理矢理やらせるような内部質保証は嫌がられます。というかドン引きします。

④認証評価を通すための内部質保証によるブルジットジョブ

これも言うまでもないですね。確かに認証評価は大学としての内部質保証活動を見なすよい契機です。でも必要以上のことを内部質保証から求めると現場の負担感というか、なんでこんなブルジットジョブをやらねばいかんのかと軋轢が出てきます。