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体験的 教職課程の再課程認定についての所感

多くの大学が設置している教職課程について、定期的に訪れる再課程認定の実施がじょじょに見えてきました。

おそらく2027年に教員免許の法改正があれば、最短で2027年度末には再課程認定の書類を出すことになります。

そうするとこの記事を書いているのは2025年6月ですので、書類提出の時間まであと2年を切っています

・・・・これは非常にまずいというか、再課程認定の準備をしっかりするのは2年以上は必要だと思っています。そうすると時間がなさすぎる。

(そうならないために、教職課程は自己点検・評価をしっかりやって、改善や質保証をやっているよねというのはあるのですが)

ということで、以前の再課程認定にちらっと関わったのと、何回か教職課程の設置申請にも関わっているので、あくまで体験的という形で書いてみます。

先生の業績は大丈夫だろうか?科目適合性はあるだろうか?

教職課程では業績の確認をすることが想定されます。通常の課程申請では過去10年の業績を見て、何かあればさらに10年前以上の業績を出すこともあります。

さて、今回の再課程では2027年に書類を出すとなると2027年から10年前の業績から科目を担当するのにふさわしい業績があるかが確認されます。

例えば、(フィクションですが)小学校課程の教員免許申請時に「3〜5年の内容の業績があるが、6年の内容を担うにふさわしい業績がない。追加で出すか、オムニバスか教員を別の人にするように」と言われることがあるのです。

そうすると業績がない場合は代わりの教員を探さないといけません(場合によってはそれも想定して、先にカードを何枚か持っておくこともあります)

各先生方には科目適合性からみて、業績を早めにチェックしてもらう(する)必要があるでしょう。

課題は特に非常勤(兼任)

専任の先生であれば、業績を積む場合に研究費や学内の支援もやりやすいです。しかし非常勤の先生にどこまで業績について求めるかは検討が必要です。

過去には、予算をとって、各兼任の先生がテキストをつくるようにしたという大学の話も聞きました。

シラバスは大丈夫か?

シラバスはコアカリキュラムからみてどうでしょうか?一部の科目はコアカリキュラムの原型すらなくなり、まったく別の内容の授業になっていないでしょうか?

教職課程の自己点検・評価でしっかりと点検していればいいのですが、全てできていない場合もあるでしょう。優先すべきは時間がかかる業績ですが、シラバスの確認も必要です。

予算はしっかりとろう

教職課程を存続させるには再課程認定を受けなければなりません。

どのようなことをやるのか知らない人はさっと書類を作って出せばいいと思うかもしれませんが、教職員が協働してやらなければならないものであり、負担も大きいものです。

できれば、外注出来る予算、派遣やアルバイトの補助なども考えておく必要があるでしょう。

情報収集はしっかりやろう

教職課程は、キャリア支援と同じぐらい横の繋がりが強い大学の業務領域だと感じています。

そのため、教職課程の勉強会に積極的に参加して横のネットワークをつくったり、オンラインでの情報交換を積極的にするといいでしょう。

<参考:大学教務実践研究会 >

また下記のシリーズなどで基本知識を修得することも必要です。

人材養成は組織的にやろう

教職課程は専門性が高い業務です。職員は異動で数年おきに変わってしまいますが、大学で1人は教職課程に詳しい教職員を置いておくべきです。

そういう人が情報収集したり、様々な計画策定や調整をしてもらえます。

また教職課程はしっかり手引きを読み込むことが必要なので、それが苦にならない人がいいのではないかと感じています。