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2022年~2024年の履行状況等報告書の指摘事項(是正・改善)について

大学や学部等を設置した際に原則完成年度まで行われる履行状況等報告(アフターケア)は毎年度指摘事項が様々な大学につけられています。

そこで2022年~2024年の履行状況等報告書の結果から、どのような改善や是正がついているかを見てみましょう。

今回は4年間分の改善や是正を読んで、主観ですが同じようなものはまとめて表にしたのが下記です。

先ずは是正からです。

是正 平均入学定員超過率が著しく高い。
平均入学定員超過率が著しく低い

是正は、入学定員超過率が1.5以上や0.47以下だとついているケースが多いです。

ただ近年は定員超過率ぐらいしかないようです。

多様な意見は改善で下記となります。

改善 専任教員数が設置計画から減少している。
定年規程に定める退職年齢を超える専任教員数の割合が高いことから、定年規程の趣旨を踏まえた適切な運用に努めるとともに、教員組織編成の詳細構想を策定し、着実に実行すること
専任教員数が設置計画から減少し、一部の教員に過度な教育負担が生じていると見受けられることから、学生への適切な指導が確保されないなど、教育の質の低下が懸念される。
多くの専任教員(基幹教員)が就任辞退又は辞任しているが、原因分析や改善策が十分でないため、教育研究水準の維持向上等に配慮した安定的な教員組織の編成のため、詳細な原因分析及びより効果的な改善策について検討すること。
入学定員未充足の改善に努めること
入学定員超過の改善に努めること
教育内容等の充実等を通じ、入学定員未充足の改善に努めること
入学者選抜の適切な実施等を通じ、入学定員超過の改善に努めること
分析結果から学生確保の見通しの再分析をする必要があり、再度アンケート分析を行うこと
認可時の附帯事項から3つの方針に改善が反映されていない
設置計画において専任教員が担当することとしていた教育上主要と認める授業科目を兼任教員が担当していることから、専任教員の配置計画を定め、それを確実に履行するよう努めること
研究室の確保や利用について、利用状況を踏まえて設置基準違反ではないが、研究を目的とした利用が少ないように見受けられる
共同研究費に関する学内規程が存在しない、研究成果報告書の提出を求めていないなど、研究に対する意識や取組が十分であるかかは疑義がある
教職科目のコースにおいて必要な修得単位数が多くなるが、既存のコースと教職の単位数の検討が不十分で履修指導や履修モデルを示すこと
比較的高い割合で退学者等が発生していることから、退学等の理由を踏まえた退学者等の減少のための効果的な取組を着実に実行すること

 

教員人事、充足率だけではなく、研究室や共同研究費、モデル、退学者といったことが指摘されています。
大学の内部質保証や認証評価の文脈からするとこの指摘を受けて改善がなされていないと内部質保証をやっているとはいえないのではないかという見方をすることもあります。指摘をされた場合(充足率関連は難しいですが)は内部質保証推進組織との連携は必要でしょう。