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教学マネジメント特別委員会第3回資料から見る教育改革メモ~2019年度私立大学等改革総合支援事業を見据えて~

「各大学等における教学マネジメントの確立に向けた方策(学修成果の可視化や情報公表の在り方を含む)について専門的な調査審議を行う」中央教育審議会大学分科会の教学マネジメント特別委員会の第3回が2019年2月13日(水)に開催されました。

第3回は「授業科目・教育課程(1)」の「カリキュラムの編成の高度化」「柔軟な学事暦の運用」「アクティブ・ラーニングやICTを活用した教育の推進」「主専攻・副専攻の活用」として、大学全体レベル、学位プログラムレベル、個々の授業科目レベルについて資料が出ています。

これらについては「政策誘導の私立大学等改革総合支援事業のタイプ1の教育の質的転換の設問に反映される可能性が高いと考えています。なお、2019年度文部科学省 予算(案)の発表資料一覧(1月)2019年度 私学助成関係予算(案)の説明によるとタイプ 1 「特色ある教育の展開」は175校程度と示されています。2018年に答申が出た事、選定予定校数が減る事などから考えると、設問が大きく変わり、2019年の私立大学等改革総合支援事業の選定はより厳しくなる可能性があります。

また私学の補助金の経常費に関わる教育の質の指標(以下、「H30教育指標」)については、2019年度以降は本格稼働とも聞きます。

そこで今回の第3回の資料から、私見ですが今後大学としてどうすべきかをメモとしてまとめます。



1.大学全体レベル

教育課程編成・実施と組織

教育課程編成・実施にあたって、「各教員や専門的なスタッフの主体的な参画を得つつ、大学及び学位プログラム全体で組織的に行われる必要があり、副学長や学部長を中心にふさわしい体制」とあります。

ここで課題になるのが専門的スタッフについてです。H30私立大学改革総合支援事業タイプ1(以下、「H30改革総合」)設問②では、専門的なスタッフは、「教員・職員及び常勤・非常勤の別を問わない」とされています。

またH30改革総合設問⑥では、カリキュラム編成にかかる教職員として、「カリキュラム編成のための専門知識を有する専任教職員がカリキュラム編成に主体的に参画」している必要があります。

では、専門的知識を有するとはどういう事をいうのでしょうか?

H30改革総合では、カリキュラム・コーディネーターとして雇用されているか、カリキュラム編成に関する画部研修を受講しているものと定義されています。

また専任職員か専任教員かで点数が異なります。現時点では、教育課程編成に関する委員会で専任職員を委員とし、カリキュラム編成にかかる研修を受け、知見を深めてもらうしかありません。(なお、該当する専任職員の学修歴で、カリキュラム・コーディネーターとみなせる場合もあります。)

(1日ないし数日間程度の研修でカリキュラム・コーディネーターとしてよいのかは甚だ疑問ではあります。)

大学共通の成果

「大学共通の成果を学位プログラム共通の考え方や尺度に則って点検・評価」が求められてくるようです。質的水準や具体的実施方法を定める必要とありますが、まず思ったのは質的転換答申のこの部分です。

成熟社会において学生に求められる能力をどのようなプログラムで育成するか(学位授与の方針)を明示し、その方針に従ったプログラム全体の中で個々の授業科目は能力育成のどの部分を担うかを担当教員が認識し、他の授業科目と連携し関連し合いながら組織的に教育を展開すること、その成果をプログラム共通の考え方や尺度(「アセスメント・ポリシー」に則って評価し、その結果をプログラムの改善・進化につなげるという改革サイクルが回る構造を定着させることが必要である。

今回の資料ではアセスメント・ポリシーという文言は提示されていませんが、3つの方針の義務化の際に消えたアセスメント・ポリシーをきちんと策定せよと厳しく出てきそうです。なお、アセスメント・ポリシーはH30教育指標で整備が求められています。
(ただし、ディプロマポリシーやカリキュラムポリシーの中に学修成果の評価に定めていればOKとされています)

 

2.学位プログラムレベル

教育課程とスリム化

学位プログラムの中では、「必要な授業科目を開設し、体型的に教育課程を編成する事が必要」とされ、方針の関係が明らかなでない科目は内容の見直しや科目削除の検討が必要とされています。

またカリキュラムマップやカリキュラムツリーの作成し学生に提示することや、履修順序や(科目を履修する際の)履修要件の検証が必要とされています。

なお、シラバスについても「他の授業科目との関連性の説明などの記述も含み」とされていますので、履修順序や履修要件を検証しておかないと、該当の欄を設けても形骸化してしまう可能性があります。

これらの議論から、多様な科目のカリキュラム編成ではなく、カリキュラムポリシーに沿った科目を配置(カリキュラムをスリム化)し、学生がディプロマポリシーを達成できるように分かりやすく科目を配置し、履修順序等を示す必要があります。

 

3.個々の授業科目レベル

個々の授業科目は、ICTの活用やアクティブ・ラーニング、またシラバスの記載内容について触れられています。気になるのは「実際の授業において、個々の教員によりシラバスの記載内容が着実に実施されることが重要」とあります。そうすると、シラバスにそって授業が行われているか確認をしていますかといった設問が来そうだなという印象もあります。