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大学とコストパフォーマンス

 子供が大学に行く、且つ親が学費を払う場合は、この費用は妥当なのだろうかと考えることがあるでしょう。これは大学に限った事ではなく、高等学校を選択する際も進学率なども見て、志望先を決めていくという事もあるかと思います。

 最近、「大学のコストパフォーマンス」というワードを聞くようになりました。またネットでもいくつかの記事も掲載されています。直近だと以下のような記事でしょうか。

dot.asahi.com

www.mag2.com

例えば、この記事でのコストパフォーマンスとしては、就職率と学費が主な視点ではなかろうかと思います。

就職率について

・AERAの記事では就職率の定義がきちんとなされておりますが、就職希望者数が分母なのか、全学生数が分母なのかを見る必要があります。また全学生の就職率が低いなと思っても、大学院に行く学生が多い分野もありますので、進学率といった数字も見る必要があります。

コストについて

・学費だけで本当に充分なのでしょうか?記事によっては、純粋に学費だけで比較しているものがありますが、入学金・施設設備費だけではなく、入学してからテキストや参考書代、実習費が含まれていない場合は実習費(実習が遠方の場合は宿泊費もかかったりします)などもあります。他に学費ほど高くはないですが、同窓会費とか保護者会費とか必要になる場合もあります。

 

 そもそもコストパフォーマンスで大学を見るのであれば、就職率で妥当かどうかはかなり疑問に思っています。個としてみるならば、就職率だけではなく、在学中において大学がどのようにお金を使っているか(教育経費にどのぐらいお金をまわしているか)、将来見込める仕事(資格取得を目指す学部)や生涯予測年収(このご時勢ではそんな予測をする事は難しいと思いますけど)、学位取得率(中退率やリテンション率)、大学の教育研究の取組みなども見て、総合的に個々が判断するのではないかと思っております。まあ学士を取りたいというのであれば、放送大学や通信制の大学や通信課程もある訳なんですよね。