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私立大学職員の人事評価・考課について

大学職員には、人事評価や考課がなく、年功序列という話をインターネットで聞きますし、そのように主張している大学職員もいます。ただ日本には大学と短期大学は、1,100以上ある中で決して年功序列ばかりではありません。

 

私が聞いている限りは、昇進や給料のいずれかに人事考課を用いている大学もあります。そこで私立大学職員の人事考課について少しまとめてみたいと思います。

(国立大学職員については下記なども参照。)

http://www.tokushima-u.ac.jp/cue/fd/docs/2015102900057/files/2011journal53-61.pdf

 

企業における人事考課と大学の人事考課

さて、私は(以前にもブログで触れたかもしれませんが)以前は企業におり、営業をしておりました。大学業界に来た際に、当時は人事評価については新鮮でもあり戸惑いもありました。(数字という客観的な指標がない以上、場合によっては考課者によって、恣意的に評価が変わってしまうのではないかという恐れもあります。)

 

企業での評価は、売り上げが基本であり、売り上げに応じて、翌年度の職能等が決まり、給与等が上がるか下がるかが決定しておりました。また賞与についても、地区ごと、支店ごとに目標予算の達成度によってランク付けがされ、ランクと自分の頑張り具合によって、賞与額が決定されていました。

 

つまり、自分だけが売り上げ目標を達成していても、所属支店のランクが低いと賞与はたくさんもらえるわけではなかったです)

 

さて、大学に話は戻りますが、大学職員は売り上げという概念は(一部の部署を除き)あまりありません。募集担当部署であれば入学定員充足率を達成したや、就職であれば就職率100%とかという数値を出しやすいですが、これは個人ではなく組織としての数値です。(ただ近年は募集担当部署は高校生を沢山入れればいいという訳ではなく、入学定員充足率を1.05倍など極力近づけると非常に繊細な歩留まりの読みが必要です)

 

大学職員の人事考課

さて古い資料もありますが、人事考課の事例について、下記が参考になるかと思います。

「Between2002年5月号 大学職員のキャリアアップ」の日本福祉大学の事例。

大学の戦略を各職員の業務目標に落とし込み、企画・管理能力の向上を目指す 日本福祉大学 Between 2002.5

「職員総合人事制度」を97年に新設。篠田常任理事は「大学職員としての基本業務の確立と共に政策企画・管理能力の向上を目指したもの」と説明する。この制度は、5段階に分けられた職能資格等級を土台としている。資格基準に沿って各職員が立てた目標をその達成度で評価するという、「目標による管理」(MBO=Management by Objectives)の手法を取り入れている。業務に対する自己管理意識を高めることが狙いだ。

本学でもありますが、目標管理制度や目標達成制度などの人事制度を採用している私立大学があります。例えば、個人の1年間の目標を所属部署等の目標から作成をし、1年間でどのように達成するかを考え、実施、最後に自分で評価をするという流れでしょうか。

 

目標管理制度は、日常の仕事ぶりや態度だけではなく、どのような成果を出して、大学に貢献するのかまで求められているとも言えます。(大学職員の仕事の量と質の変化もあるでしょう。

 

さて、私立大学の人事考課の事例として桜美林大学大学院の篠田先生の著書「大学戦略経営論」にいくつか記載されており、いずれも大変参考になります。そこでいくつか気になる所のみをまとめてみました。

・直接の上司(考課者)以外の管理職も含む合議考課

自己評価とフィードバック面接により、各自の能力開発も行うことを重視

・丁寧な段階的評価

・管理者育成の評価(部下から上司へのアンケートを行う)

・課全体で議論してからの個人の目標作成

 大切なのは公正性のある納得できる人事考課であり、そのための創意工夫を各大学はされているかと思われます。(その為に、考課者研修も大学は多いのではと思います)

 

今回は事例の紹介のみですが、数値目標を持ちにくい職員が納得性のある公平な考課の答えというのは難しい問題です。

 

また、職位や職能制度などとも絡む問題ではあります。一番大切なのは、各職員が組織や部署の課題を捉え・理解し、自分が今できる一歩より半歩先の目標を設定できるかだと考えています。

 

大学経営がバケツ勘定でもよかったのは一昔前の話です。近年は入学定員充足率抑制、消費税増率による支出増加、政策誘導と補助金の傾斜配分、IT機器の導入などによる支出の増加があります。つまり大学の収入が減少し、支出が多くなってきている大学も少なくはありません。

 

そうすると収入をどう増やすかと支出をどう減らすかを検討しなければなりません。その一つとして、人件費抑制の為に人事考課をより厳しくしていくのではないかと考えています。

(平成30年8月21日更新)