電車で就職活動だなと思うリクルートスーツを着た学生さんが最近は増えてきました。また学内でも就職イベントが行われているのも聞きます。
私立大学も毎年計画的に採用をしている大学もあれば、空きがあれば新卒あるいは既卒を採用する大学もあります。
今回、ふと気になって新卒を採用している大学は、どのような求める人材像を公表しているのかを調べてみました。
調べた大学は就活サイトからリクナビとマイナビの2つです(日経ナビは登録が必要だったため除外しています)また次の条件の大学をピックアップしました。
①学校法人である、②大学がある(中学校や高等学校のみの法人は除いた)、③求める人材像を掲載している
上記に当てはまる学校法人は22法人でした。
なお、本記事ではサンプル数はあまり多くないのですが、一つ一つの求める人材像についてピックアップするのではなく文章の語句を自動検出し、テキストデータを統計的に分析するソフトウェア「KH Coder」を用いて次の分析を行いました。
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頻出語上位
回答の中でどのような語句が使用されているかを示した表である。なお、全てを記載することはできない為、2回まで出た一覧表としています。
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クラスター分析
求める人材像で使用されている語句を対象に、抽出語の階層的クラスター分析を行い、デンドログラムを表示しています。
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共起ネットワーク
出現パターンが似通っている語を線で結んだ図表です。出現数に応じて語句の大きさが変化し、共起が強い場合は線が増えている。カラーは、比較的強くお互いに結びついている部分を検出してグループ分けを行っている。
さてまずは頻出語です。
目立つのは、上位頻出語に「大学」や「教育」があるのは当然ですが、「自ら」「行動」「積極」「変化」「改善」「コミュニケーション」は気になる語句です。また「チームワーク」「チャレンジ」「タフ」「情熱」といった従来の大学職員とは違うイメージの語句かなと思うものも入っています。実際、求める人材像を見ると、ほとんどの大学は事務屋ではなく、改革する大学職員を求めている内容が多いようです。(個人の印象では大規模大学ほど、そのように書いているかと思うのですが、サンプルがもう少し多くなれば、大学規模別に比較してもいいかもしれません)
続いてクラスター分析です。
「自ら」「行動」「考える」などは近く、「柔軟」と「対応」、「人」と「積極」がそれぞれ近くにあるのは興味深いです。「建」だけありますが、「精神」と結びついているので建学の精神かと推察されます。
最後に共起ネットワークです。
太い線ほど結びつきが強いのですが、今回は太線はないようです。また結びつき自体も、「努力ー成長」「コミュニケーションー能力」「自らー行動ー考える」は気になるところです。「感覚ー職員」はこれだけだとよく分からないのですが、求める人材像を見返すと、例えば経営(国際やバランス)感覚を持った職員と記載している為のようです。
各大学の求める人材像を見ていくと、これからの大学業界の厳しさと、事務屋ではダメだというメッセージを出している大学が多く見られました。大学職員は、人気職とも聞きますが大学(学校法人)としても「楽そう」という理由を求めてはいないようです。その大学の建学の精神を理解することを土台として、学生などのステークホルダーや学校法人に対してどのような事ができるかを考えないと内定を得るまでには厳しいのかなと思います。
余談ですが、今の就活サイトには採用方法に「グループディスカッションはありません」と記載してあるケースがあるのですね。そういうのを敬遠する学生はいかがなものなんでしょうね。