大学アドミニストレーターを目指す大学職員のブログ

大学や高等教育関連、法令の解説が中心のブログ

【スポンサーリンク】

中央教育審議会大学分科会第1回質保証システム部会のメモ  

2020年7月4日に中央教育審議会大学分科会質保証システム部会(第1回)が開催されました。今回はその簡易なメモになります。

なお、資料はこちらに掲載されております。また論点は資料5-2には下記としています。

◆質保証の仕組みである「大学設置基準」、「設置認可審査(事前チェック)」、「内部質保証」、「認証評価(事後チェック)」それぞれの機能と役割の明確化、バランスについて
◆定員管理の在り方(入学・収容定員か、学部・大学単位か、社会人・留学生等の取扱い等)について
◆情報技術の進展を踏まえた授業方法(オンライン教育・遠隔教育の在り方等)について
◆大学の活動を積極的に説明し、社会的評価を得るといった観点から、大学の教育研究活動等に係る情報公表の促進について

また本記事は部会を聞いたメモとなっており、発言録ではないのと、常に聞ける環境ではなかったので一部メモが飛んでいます。また資料をそのまま読んでいるところはメモをとっていません。

事前説明

・質保証システムで、システムや制度を考える部会である。

・本部会は2040年度の高等教育のグランドデザイン答申を受けたものである。

 

委員から出された質保証システムの課題や意見

永田先生

設置基準については昭和であり、今と合わないものについては見通しをして議論が必要。例えばICTと校地校舎など。

・大学の役割として研究については個人レベル以外では議論されない。(例えば学問や学部レベルなど)

・認証評価は大学が向上するためにからいうと国からではなく、大学側からスタートしたシステムである。国際通用性も高いので、認証評価自体をディスカッションする必要がある。

「単位とは何」を国際標準を踏まえて議論が必要

日比谷先生

・教学マネジメントの委員会では指針を策定した。

・教学マネジメント指針にあげたようなものがクリアされているような設置基準

・学位名称の在り方について考えたほうがいい

浅田先生

・制度は修正され、規制緩和されてきた、一方で規制強化も進んでいる(自己点検評価等)

・規制緩和は功罪がある。大学の多様化は進んだが、少子化が進んだ中で大学は増え、意識が低い大学が参入している。劣悪大学は淘汰されると考えられているが実際はそうでもなかった。(劣悪大学の社会問題化

・大学の議論は性善説と性悪説の議論が混在している。

・完成年度後の質保証(AC以降は認証評価だが、これは罰則がない)

・国立大学と私立大学では制度上扱いが違う。

・大学が撤退するプロセスが今回の議論に含まれていない。

飯吉先生

・各大学でオンライン教育をやっていて、課題はオンライン教育の質保証、オンライン教育で質保証。

杉谷先生

・評価と情報公表の目的は何なのか?(評価の情報を公表することは重要だが)

・事後評価は評価の方法や内容を現場がやりやすく簡素化や重点化が必要。

・学修成果の可視化が重視されているが、しかし期待されるべき成果と実際の結果の両方の意味があり、混同されがちである。

瀧澤先生

・大学では国際化を重視して、国際標準の教育をやっていただきたい。例えば海外の人と対等に議論が出来るなど

谷本先生

society5.0を見据えて、施設等の検討をしていく事になるが、一般的な大学で必要とされる施設・設備について議論を進められたらと考えている。

・短期大学は地域の文化や教育を担い、地域へ人材を送りだしている。地域社会と大学といった観点にも配慮いただきたい。

土屋先生

・オンラインのオープン化の役割(大学の教育研究を社会へ発信、保護者等への発信、教員相互理解)

オンライン教育と設置基準(オンライン授業の単位の限定が必要なのか?

・学部を越えた学部の3ポリについて(学部中心から学部を越えた大学へとなった場合は今の入学定員の管理でいいのか?学部から大学全体の入学定員の管理へ移行していく必要性)

・設置審では教員は年齢だけではなく、男女比についてふれていないが、これは触れなくていいのか?

長谷川先生

・テレワークでプロセスから成果やアウトプットによる人事評価が議論となっている。

・施設や教員数による質保証から学生が何を身に付けたかによる質保証へ移行すべき

・オンラインで海外大学とジョイントディグリーがしやすくなったと思うので規制緩和をしたほうがいいのではないか

授業の実施場所について、特にリカレント教育に関して柔軟に企業の施設とか柔軟にしてもいいのではないか

濵中先生

・質保証に対する意見は見えている景色によって大きく異なる印象がある。

質保証の議論は分かるけど、「一般教員からは自分達はこんなに頑張っているのに」という印象がある。

・質保証は何のためかを大学人で共有すべきではないのか。その為の努力が必要。

古沢先生

・設置認可について、事前の規制緩和と事後規制は大学の多様化はあったが、事前の規制についてはある程度重点的に見ていく必要があるのではないか

認証評価は大切であるが効率化と重点化が必要

・他大学や学部との流動性について

・23区の規制について、これまでにどのような影響を及ぼしたか検証が必要。

宮内先生

クリティカルシンキング教育の必要性

・society5.0の負け組とならない為の人材育成

大森先生

・大学の機能分化(機能は違うのに)と一律の質保証システムについて

・地方での大学の役割と質保証

小林先生

・大学生の保護者の世代は設置基準大綱化前で大学の進学率が24.6%で大学に行く事は価値があった→今は大学のユニバーサル化で大学の役割の変化。

・昔のままの大学のイメージを持つ人も少なくない。例えば情報公開が分かりにくい、比較検討が出来ないという点もある。また偏差値から学校選抜型など入学時の価値の多様化。

学部学科名称は外部の人が分かるような名称の必要性

・大学ポートレートは浸透していない。初期の頃は高校の先生は知っていたが今は知らない先生が多い。

・認証評価は何を保証してくれているのかを外から見た時に分かりやすくしないといけない。

林先生

認証評価は第3サイクルから内部質保証に大きく舵をきったが、これをモニタリングする必要性がある。

・プログラムごとに教育が出来ていて、質保証が出来ているか

・内部質保証がしっかり出来ていれば簡素な認証評価を行うなどもあるのではないか

・内部質保証をやれと言われても難しい。大学と社会で学習成果を確認するといった事もあるのではないか

前田先生

・入学定員が大学全体になった時にプログラムの学生と教員の数について

・認証評価は内部質保証を重視しているが、認証評価が大学の改善向上に資しているか?

大学の認証評価機関は5機関になったが、内部質保証が機能しているかについて機関で(厳しさの)差があるのではないか?