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2020年度の大学の入学定員の拡充〜申請から見る都道府県と分野別の増加数〜

2018年度に行われた大学入試は、入学定員の厳格化により模試がA判定でも落ちる、補欠合格(繰り上げ合格)が3月末まで続きました。

受験生からしても、大学側からしてもいつまでこれが続くのか不安に感じた所も多かったのではないかと思います。

さて、2019年4月8日に2019年(平成31年)3月末申請の大学の学部等の設置等認可の諮問収容定員の増加等に係る学則変更認可の諮問についてが公表されました。また2018年11月7日に平成30年10月末申請の大学等の設置認可の諮問についてが公開されています。

これらを見ると2019年度に実施される入試では日本の大学(専門職大学を含む)の受け入れ枠はどうなるか、地域別はどうなるかを少し見る事ができるかもしれません。

 

本記事で検討してみる事

そこで現時点で全ての申請が取り下げることなく審査が通るという事を前提として、

  • 2020年度の日本の大学の入学定員はどれぐらい増える見込みなのか
  • どの都道府県が入学定員の枠が増える見込みなのか
  • どの分野の入学定員枠が増える見込みなのか

 以上3つをまとめてみたいと思います。

使用するデータについて

今回の対象は大学とし、短期大学は除きます。また編入制の定員枠の増減も今回は対象外とします。また使用するデータは次のものを使用します。

・平成30年10月末申請の大学等の設置認可の諮問について

・平成31年3月末申請の大学の学部等の設置等認可の諮問について

・大学の学部等の設置等認可の諮問と収容定員の増加等に係る学則変更認可の諮問

なお収容定員の増加等については、増加分のみを計算に入れています。また今後は設置認可によっては、申請取り下げの大学もある事も考えられますので、申請時の数字となります。

※6月末に収容定員の総数の増加に係る学則変更の申請がありますので、2019年4月11日時点の内容となります。

 

2020年度の日本の大学の入学定員の増加数について 

今回、大学及び専門職大学の大学・学部等の設置認可や収容定員の増加の入学定員数の合計は次の通りとなります。

  大学設置 学部設置 定員増 総計
大学 380 2400 2592 5372
専門職大学 2294     2294
総計 2674 2400 2592 7666


なお、この申請に合わせて他学部他学科の入学定員を減らす場合もあり、大学全体として1,284人の大学の入学定員を減らしたり廃止がされています。(他にも専門学校や短期大学の定員減があります) そうすると実際の入学定員が増えるのは6,382人です。

 

また設置形態(今回は私立及び公立のみ)でみてみると以下となります。

  大学設置 学部設置 定員増 総計
私立 2650 2210 2592 7452
公立 24 190   214
総計 2674 2400 2592 7666

 

都道府県別の入学定員の増加数について

次は都道府県別にどれぐらい増えているのかを見てみます。今回は最新のExcelでは通常で使えるツリーマップを用いて視覚的にどれぐらい都道府県で偏っているのか出しています。(使ったデータは最後に示します)

最初は大学及び専門職大学を合わせたものです。

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これだけ見ると、2020年度に入学定員が増えるのは、東京都と大阪府がダントツですね。

では次は専門職大学がどの都道府県に多いのかを見てみます。

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圧倒的に東京都です。これは日本教育財団が2つの専門職大学を申請しているのがあるでしょう。最後に大学のみで出してみました。

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大学のみだと大阪府や関西が多いですね。大阪は学部の設置が多いのと関西の大学で収容定員増をかなりしているのがあるかと思います。

最後にExcelの3Dマップを用いて、入学定員の増加数についてヒートマップで出してみます。

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最後に今回の都道府県別のデータです。(その学部がある都道府県にしています)

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分野ごとで、どの入学定員が増えるのか

学部学科がどの分野なのかは、その大学でそれぞれの学位や申請書類を見る必要があります。ただ現時点ではできませんので、乱暴で恣意的ですが、学部学科名から分野を割り振っています。大学によっては学際系のカリキュラムもあるかと思いますので、あくまで参考程度にして下さい。

まずは大学と専門職大学を合わせたツリーマップです。

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今回は、看護学を除く保健衛生学関係が多い印象です。例えば臨床検査やリハビリといった名前が多く目立ちます。

専門職大学はと見てみると、看護学を除く保健衛生学関係が多いですね。これも日本教育財団の影響が大きいです。

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最後に大学のみです。大学はバランスよく申請されている印象があります。

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最後にここの表を貼り付けておきます。(これは個人の判断で割り振ったものです。実際は違う可能性は十分にあります)

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終わりに

ざっとですが、2020年に向けて、どの程度入学定員が地域と分野で増えるのかを見てみました。なおこれ以外にも短大の申請があります。新しく専門職大学を申請するにあたって専門学校や短大の定員を廃止・定員減としたケースもありますので、高等教育全体の受け入れ枠は少し増えるといった感じでしょうか。

なお6月の申請や今後確定の数字が出たらこの記事に追記する予定です。