大学アドミニストレーターを目指す大学職員のブログ

大学や高等教育関連、法令の解説が中心のブログ

【スポンサーリンク】

初めて議事録書く人や初心者が知っておくべき事

議事録の書き方と検索すると、執筆や記録の取り方のノウハウやテンプレート、議事録の目的などが出てきます。

どれもが間違いではないかと思うのですが、ツールやノウハウ論だけ見ても、自分が身を置く組織での議事録に全て適用できるかというと少し疑問ではあります。そこで、特に大学で議事録を担当する際に、これだけは押さえて欲しいなというポイントを並べておきます。

なお、本記事は先日の自分のツイートを拡大させたものです。

議事録の目的と活用

「議事録とは何か」という質問に「決定された事案について共有したり、記録として残す」と言う人はかなりいるかと思います。

でも議事録は会議を記録して備忘録として使うだけかというと、大学の場合は様々な根拠資料やエビデンスになることを忘れてはいけません。

例えば、地域における大学の振興及び若者の雇用機会の創出による若者の修学及び就業の促進に関する法律等での特定地域内での大学等の学生の収容定員の抑制では、例外事項の具体例の一つに「収容定員増等について、投資・機関決定を行っている場合」とあります。つまり議事録にきちんと記載されていることが必要でした。

議事録にその事項がきちんと明記されているかされていないかで、経営を考える上での分岐点となってしまう恐れがあったのです。

また補助金などのエビデンスでも議事録は活用されます。例えば、カリキュラムについて検討している、~を改善に活用しているなど議事録にきちんと明記しておくと私立大学等改革総合支援事業などのエビデンスとして活用できる可能性があります。

むしろ後で議事録をチェックした時に「なぜ、こういう書き方をしているのだ!」と頭を抱えることがありますので、議事録を作る際は何に活用されるかは出来る限りイメージしておいてほしいと思っています。

もちろん会議体や会議の位置づけで議事録の重要性や何を書くべきかは変わりますので、議事録の目的を考えるだけではなく、その後にどのように活用されるのか、何が必要なのかを知っておく必要があります。

一方で議事録ではなく、記録・メモレベルでもいい会議がありますね。

重要な個所と入れなければいけないもの

先ほども書きましたが、様々なエビデンスとなる議事録の場合は、入れなければならないワードというものがあります。

単に「議論した」と書くだけではなく、承認された、改善について検討したが現状のままで課題がないことが確認されたなど、状況に応じて入れるべき内容があることがあります。

議事録作成者の責任と正確性

会議での発言や会議での審議結果について、責任はその組織の長や会議のメンバーが負うことが前提です。

ただ後々議事録が原因でトラブルが起こった時、議事録作成者に責任があるかのように言われる可能性もあります。そのためには会議中は記録をつけ、記憶に頼ることはしない議事録作成が重要です。

また会議後の議事録チェック時に権力に屈しないことも必要です。よくあるのがこんなところでしょうか。

・実際は会議で言っていない内容を言い忘れたといって、議事録に入れようとする。

・都合の悪い発言を消すように言われる。

議事録のチェック時に他にも言われることがありますが、都合の悪い改変の責任は議事録作成者にも降りかかる危険性がありますので、議事録作成のプロセスについてもきちんと記録を取っておきましょう。

会議の発言の背景の理解の必要性

議事録を作る時に、単にメモした記録をまとめるだけではなく、議題の内容やその背景を理解してから議事録を作成するほうが重要な個所が分かるため、作りやすくなります。

会議での議題は初心者向けの事もありますが、そうでない事も多く、参加者はその背景について知っていることが前提ですので、議事録作成者も単に記録をまとめるだけではなく、議題の背景や全体像もふまえて記録を作成したほうが良いものが出来ます。

議事録の書き方は組織それぞれ

議事録のテンプレートはいくらでもインターネットにあります。しかし組織で議事録の内容や様式は異なりますので、その組織・該当会議でどのような議事録を求めているのかは事前に確認が必要です。

議事録は迅速に

毎月・毎週の定例会議であれば、議事録は出来れば次の会議には出してほしいものです。たまに半年後とかに出てくる場合もありますが、あれはありえません。

ただ、今までの経験からいうと政治的判断であえて議事録を出さないこともあります。これは議事録を出すとその発言が公式になってしまうので、あえて議事録を出さない牛歩作戦をすることもあるのです。