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コロナ禍における大学入学共通テストについて~萩生田文部科学大臣会見(令和2年11月27日)のメモ~

令和2年11月27日に行われた萩生田文部科学大臣の記者会見において、大学入試や大学入学共通テストに関する質問及び回答があったので、主な内容のメモをおいておきます。

なお、会見の全てを文字化はしてはいないこと、一言一句そのまま記録してはいません。また太字・赤字・下線は著者がつけたものです。

萩生田文部科学大臣会見(令和2年11月27日)の質問について

Q.春先に緊急事態宣言が出た時は原則休校になったと思うが、(緊急事態宣言が)出た場合のシミュレーションはどのように考えているのか?あわせて小中高だけではなく、大学入試もどのように考えているのか

A.新型コロナウイルス感染者の新規感染者が増えている。学校の設置者は感染拡大に最大限警戒する必要がある。学校の設置者におかれては衛生管理マニュアルなどに基づいた基本的な感染症対策が徹底されているか確認するとともに保健所と連携し、地域の感染状況の把握に努めていただきたい。

児童生徒の発症の割合は低く、学校で感染が広がっている状況ではないことから現時点では春先の様に全国一斉休校を要請することは考えていない。仮に緊急事態宣言が出された場合地方自治体等の設置者が休校の必要性を判断することになる。地域一斉の臨時休校は学びの保障や心身の問題から必要な場合に限定し、慎重に判断すべきだと思っている。

大学については共通テストは厳格な感染対策を講じたうえで予定通り実施する方向で準備している。このことについて10月15日の新型コロナウイルス感染症対策分科会において共通テストの感染予防対策を審議いただいた際は専門家のみなさんからも入試は他のイベントと異なって感染リスクは低い。すなわち席に座って、まず受験生同士はまずしゃべらない。みなさんは前を向いている大学受験は人生にとって重要でありまして、感染拡大のステージがあがった地域でも試験が実施できるよう準備して欲しい。

また感染がかなり拡大する場合でも事前の健康管理を厳格にすべきなど試験の実施を前提しっかりと準備していくことが重要という意見があった。

また11月19日に各大学団体を代表する学長との意見交換においても各大学の個別入試について感染症対策を含めて入念に準備いただくよう私から要請したところであり、地域ごとの感染状況や大学ごとの実情などをふまえて受験生に不利益が生じないよう最大限の配慮・努力を行っていただきたい。

今後は感染状況を注視しつつ引き続き受験生が安心して受験できるように大学入試センターをはじめ関係各所と緊密に連絡しながら準備をすすめてまいりたい。

Q.現時点では緊急事態宣言が出ても全国一斉休校までは考えていない、大学入学共通テストも緊急事態宣言下であっても実施する意向であるという考えでいいか?
A.そのとおりです。

会見を受けての所感

大学として重要なのは試験は対面でもしゃべらない、前を向いていればリスクは低いという見解が改めて確認されています。

ただ、大学入学共通テストの特性を大臣は踏まえていない気がします。それは高校ごとに試験会場が別れている(今年はどうかは知りませんけど)ということです。今年は既に総合型選抜などの入試が終わっていますが、まわりに知っている人がすくない、面接前の時間であるといった事から受験生同士が話をすることは少ないです。

しかし、同じ高校の人たちが一つの会場に集まる共通試験、昨年だとセンター試験ですが休憩時間中に友達同士で話し込む姿をみた大学関係者は少なくないはずです。そこの辺りは会場大学としてよく注意をしなければならないのでしょう。

また非常事態宣言下であっても大学入学共通テストは実施すると明言されましたので、大学関係者は会場につめてお仕事ですね。