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大学や高等教育の動向の情報を集めるにはどこを見ればいいか?~最低限のリンク集~

リクルート進学総研が発刊している「カレッジマネジメント」の Vol.225で東京都公立大学法人 理事、筑波大学名誉教授である吉武博通先生が「職員の貢献度を高めるための課題と方策 〜真の「協働」の実現に向けて〜」を掲載しています。

その中には意思決定の質の確保の中で下記の様に説明がありました。(吉武,2020)

※下線は著者

質の高い決定には組織的な情報の収集・整理・共有が不可欠である。そのためにも職員が学内外の動向に広く関心を持ち、何が重要な情報かを考え、教員・職員の枠や部署を超えて共有し、組織的に整理・蓄積することが重要である。

 職員が大学内外の情報にまで目を配り、共有することは大事だと思いますが、受け身だらけの情報収集だと常に後手後手になってしまいます。

そこで今回は、大学外の情報の収集、特に高等教育(含む高等教育政策)大学の情報を得る為に私が日々確認しているサイトをまとめています。なお、私自身は私学に勤務しているので国立や公立の人はあまり関わりのないリンクも含んでいます。

サイトについては毎回手動でチェックするのは大変なので、GoogleChromeを使っていれば、アドオンをつかって更新確認するほうが便利です。

自分はVisualpingを使って、チェックをかけていますよ。

chrome.google.com

文部科学省の各ページ

文部科学省はトップページだけでは十分な情報が集まらないので、いくつものページを確認する必要があります。

文部科学省の新着情報

まずは基本の新着情報です。審議会の情報や報道発表のリンクが毎日更新されていきます。このページは基本は日にお昼過ぎと仕事終わるぐらいの2回更新でしたが、最近は他の時間帯でも更新されていることもあります。

リンク:新着情報 最新1か月分の一覧:文部科学省

会議資料

文部科学省で行われる審議会等は昔は傍聴しないと資料が手に入らない、あるいはWEBにアップされるのは審議会が終わってから数日以後でした。そのため審議会に傍聴し資料を手に入れて、それをもって大学に営業する会社もありました。

しかし最近は審議会開催前には資料がWEBで公開されることが多くなりました。大概は下記の会議資料に掲載されていますので、チェックしておくと文部科学省でどのようなことが議論されているかが分かります。

リンク:会議資料:文部科学省

予算や決算

決算はともかく、予算案などは読んでおくと来年度はどのような事業があるのか、また補助金はどうなるのかについて大きな流れを把握することが出来ます。例えばニュースで来年度の概算要求などについて見かけたら、かならず一次情報として文部科学省のサイトでも確認しています。

リンク:予算・決算、年次報告、税制:文部科学省

大学や学部等の設置関係

学部学科等の設置は担当者にならないとあまり見る機会はないかもしれません。しかしどのような大学が設置されるのか、どのように設置するのか、設置した時や開設後はどのような指摘がされているかは情報を収集しておきましょう。

まずはどのような大学が開設されるのか大学設置・学校法人審議会の答申をみておきましょう。

リンク:大学設置・学校法人審議会:文部科学省

また開設したあとは原則完成年度まで行う履行状況報告書の結果も毎年度末あたりに見ておくといいと思います。

リンク:設置計画履行状況等調査の結果について:文部科学省

最後に概要関係などは事務担当者説明会の資料も参考になります。これは更新は11-12月が多いと思います。

リンク:大学設置等に関する事務担当者説明会:文部科学省

補助金(私立大学等改革総合支援事業)

先ほどの予算・決算とも関連しますが、補助金、特に私立大学だと私立大学等改革総合支援事業はどの部署であっても関わる可能性があります。

リンク:私立大学等改革総合支援事業:文部科学省

新型コロナウイルスに関する情報

文部科学省で大学・大学院・高専に関する情報がまとまっています。特に学生支援や教学に関する事項について確認することもあります。

リンク:大学・大学院・高専に関する情報:文部科学省

コロナ関連ではありませんが高等教育の修学支援新制度もたまにはチェックしておくといいかもしれません。

リンク:高等教育の修学支援新制度:文部科学省

国の機関のサイトやページ

文部科学省だけではなく、内閣府をふくめた機関のサイトやページも気にしてみましょう。

内閣府の各種ページ

近年は高等教育政策は内閣府の影響も多大に受けています。最たる例は地方創生でしょうか。特に東京の定員抑制策は大学の将来計画や募集に大きな影響を与えているかと感じます。

リンク:内閣府ホームページ

特に内閣府の中でも次の2つは必ず確認しています。まずは総合科学技術・イノベーション会議です。2020年11月時点だと数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度が気になっています。

総合科学技術・イノベーション会議 - 内閣府

続いて、褒章です。「何故、褒章?」と思うかもしれません。しかし大学の卒業生の中に褒章を受章することもあります。その場合は大学として色んな手配をする必要があります。(たいがいは事前に〇〇さんは受章すると連絡があって、最終確認に使うぐらいです)

リンク:日本の勲章・褒章(賞勲局) - 内閣府

文化庁の著作権のページ

2020年度は遠隔授業の実施により例年以上に著作権について気にした年でした。ただ文化庁ではなく、確認するのはSARTRASだけでもいいかもしれません。

リンク:SARTRAS 授業目的公衆送信補償金等管理協会

電子政府の総合窓口 パブリックコメント

パブリックコメントを見ておくと、今後の法令改正などの方向性についていち早くしることが出来ます。毎日見る必要はありませんが、定期的に文科省で範囲をしぼって見ておくことをお勧めします。

リンク:パブリックコメント|電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ

 会計検査院の検査報告

会計検査委員の検査報告がでると、 毎年税金の使用について話題になりますね。大学でもどのような指摘があったのかはぜひ見ておきましょう。

なお、私立大学の場合は検査の概要から不当事項で日本私立学校振興・共済事業団なども見ています。

リンク:最新の検査報告 | 検査結果 | 会計検査院 Board of Audit of Japan

私学団体のいくつかのサイト

私学関連団体のサイトもいくつか確認をしています。その中で見ているものをいくつか紹介します。

まずは私学事業団の補助金の配分基準です。

補助金の配分基準等|私学振興事業(助成業務)|私学事業団

あとは私大連と私大協でしょうか。

リンク:一般社団法人 日本私立大学連盟

リンク:日本私立大学協会

特に私大連の大学時報は毎号確認しています。

リンク:大学時報 – 日本私立大学連盟発行の高等教育に関する情報誌

各種認証評価団体のサイト

全ての評価機関のサイトを確認する必要はないと思いますが、所属機関が受審する団体のサイトぐらいは最低限見ておきましょう。

リンク:公益財団法人 大学基準協会|各教育機関への評価を通して質の維持や向上を目的として活動する機関

リンク:独立行政法人 大学改革支援・学位授与機構

リンク:公益財団法人 日本高等教育評価機構

リンク:一般財団法人大学教育質保証・評価センター(JAQUE)

リンク:一般財団法人 大学・短期大学基準協会 |

経団連の提言・報告書

経団連が大学や高等教育、採用に関して提言を出すことがあります。最近では9月入学についてが公表されていますね。

リンク:CSR、消費者、防災、教育、女性 | Policy(提言・報告書) | 一般社団法人 日本経済団体連合会 / Keidanren

企業等のまとめ・サイトなど

進研アドやリクルート進学総研などは大学の事例や情報を発信していますし、大学プレスセンターは大学の最新リリースを知ることが出来ます。特にBetweenやカレッジマネジメントは定期的に読んでおくと、他大学の取組み事例などを知ることが出来ます。

リンク:Between情報サイト

リンク:カレッジマネジメント|リクルート進学総研

リンク:大学プレスセンター - 大学通信の広報支援サービス

終わりに

これらはインターネットのサイト上から分かるもののみです。他にもSNS(特にツイッター)で大学・高等教育関連のニュースのリンクをツイートしている人のアカウントをフォローするといったことも情報収集として考えられます。

<参考文献>

吉武博通(2020)「職員の貢献度を高めるための課題と方策 〜真の「協働」の実現に向けて〜」