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9月6日の日曜報道THE PRIMEの文部科学大臣のコメントの一部に対する所感

毎週日曜の7:30 - 8:55に報道されているニュース番組「日曜報道THE PRIME」の9月6日の回で、大学に関する話題がありました。該当回は羽生田文部科学大臣が出ており、そこで大学のオンライン授業と対面授業に対するコメントが出ています。

www.fnn.jp

ただ上記のニュースと動画は一部だけしか出ておらず、「違和感」のみ強調されています。そこで該当の箇所に関してメモとコメントをまとめました。なお、大学のオンライン授業と対面授業の話題の後に教授会の話が出ており、昔からアップデートされていない教授会のイメージや学費についてコメンテーターから話題提供がありましたが、今回は取り上げておりません。

オンライン授業の現状と大臣のコメント

該当の番組ではある大学の部活動の様子や千葉工業大学のコロナウイルス感染予防対策が取り上げられております。

その上で、羽生田文部科学大臣のコメントの要約(一部)は下記となります。

  • 学ぶ意欲がある新入生でキャンパスに入った事がない人もいる、また友達が一人もいない人もいる。
  • 5月ではオンラインを実施している大学が9割。
  • 一方、オンラインと対面の併用は6割まで言っている。後期はハイブリッドも考えてほしい。
  • 対面の場合は密にならないように工夫をして欲しい。例えば1コマを2回で分けている大学(千葉工業大学)がある。
  • 後期でオンラインと宣言している大学もある。また後期にオンラインであることの違和感を感じている。
  • 後期に向けて大学の状況を調査中であり、文科省としても支援できるものは行う。

まずオンラインと対面の6割などの数字は令和2年7月1日時点の「新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえた大学等の授業の実施状況」が根拠となっています。(コメントの中に最新の状況を調査とありますが、この数字が7月1日、つまり2020年度前期の状況であることは留意が必要です。)

<参考>新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえた大学等の授業の実施状況 

ここまでのコメントを見ると、オンライン授業に違和感だけではなく、国としても調査を行い、支援の施策はするとも読み取れます。ただ、国の遠隔授業の環境構築の支援の補助金ですが前期に出したのにまだ結果が出ていないとも聞いていますので、そちらも早急に決定いただきたいですね。

今回事例として千葉工業大学が挙げられていますが、対面授業を密にならないように1つの授業を2つに分けて行うという案はありかと思います。また1コマを2教室(複数教室)を遠隔などで分けて行うといった案も聞きます。ただ前者の場合は特にコマの手当てをきちんとしないといけない課題があります。

例えば大学によっては専任教員は年間〇コマ、それ以上は超コマとして1コマあたり〇〇円と規定している大学もあります。また兼任教員も科目ではなく授業コマで計算をしています。人件費がかかるのはやむを得ないのですが、これは何年も出来ないのだと思うのですよ。

さて、コメントには続きがあり、こんな事をおっしゃっております。

  • 積極的な対面の授業実施を求める。
  • 対応は大学が施策をたて、やってほしい
  • 小学校中学校は工夫してやっている。会社員も通勤して普通に働いている。エリザベト音楽大学や千葉工業大学のように工夫すれば授業はできるはず。

対面授業がどこまで出来るかは大学によって違います。大学の立地、大学の規模、学部の(学問)分野、またそこに割ける資源(お金や人員等)などで出来る事、出来ない事があるでしょう。少なくとも多くの大学では後期は感染拡大防止をしたうえで出来る限り対面ができるように動いています。

また雲の上のような大臣は知らないかもしれませんが、私立大学では今週や来週から後学期が始まる大学もあります。その為、どの科目でどのように対面やオンラインでやるかは検討が終わり、その準備中です。このような発言は調査結果が出た7月上旬には出して、施策を出さないといけなかったと思います。後期は〇〇して欲しいといっても後出しジャンケンなのです。

 

大臣のコメントに対する所感

個人の所感ですが、文部科学大臣として発言するのであれば、大学だけではなく学生や保護者なども含めた大学の最新の状況の把握を踏まえて発言すべきであり、一個人の感想みたいなものをマスメディアで言うべきではないと思います。大臣として紹介されている以上、視聴者は大臣、しいては文部科学省の公式見解だと捉えてしまいます。

願わくは、大臣として学生・保護者・大学の現状を踏まえ、自分が悪者となることを避けるのではなく、真摯に、そして素早いご決断をお願いしたいと思います。