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令和2年度私立大学等改革総合支援事業タイプ1『Society5.0』の実現等に向けた特色ある教育の展開の留意事項メモ

2020年7月15日に令和2年度私立大学等改革総合支援事業の調査の依頼がされました。

令和2年度は4つの以下のタイプがあります。

  • タイプ1:『Society5.0』の実現等に向けた特色ある教育の展開』
  • タイプ2:『特色ある高度な研究の展開』
  • タイプ3:『地域社会への貢献』
  • タイプ4:『社会実装の推進』

本ブログでは令和元年度私立大学等改革総合支援事業タイプ1「特色ある教育の展開」からどう変わったかや気になる点についてメモとしてまとめます。

(2020年7月24日更新)

改革総合支援事業の概要の昨年度からの変更

令和2年度はコロナの影響も若干あってか、提出期限が昨年度より一か月遅い2020年11月30日(月)となっています。

これは新型コロナウイルスの影響もあり、基準日や〆切が1か月遅くしているそうです。

またタイプ名はタイプ1のみ冠辞がつきました。

  2019年度 2020年度
タイプ名 選定校数 タイプ名 選定校数
タイプ1 特色ある教育の展開 175 『Society5.0』の実現等に向けた特色ある教育の展開 110
タイプ2 特色ある高度な研究の展開 40 特色ある高度な研究の展開 50
タイプ3 地域社会への貢献 165(20-40グループ含む) 地域社会への貢献 165(20-40グループ含む)
タイプ4 社会実装の推進 80 社会実装の推進 95

また例年通り、大学は複数タイプの申請及び選定は可能ですが、全体の予算額は147億円から114億円に減っています。

各大学への補助額は一般補助は昨年度より増額、特別補助はタイプ1に限り収容定員規模別で変わるようです。

タイプ1 『Society5.0』の実現等に向けた特色ある教育の展開

タイプ1については、多少の設問内容の変更はありますが、昨年度のように大きなアップデートではなく、一部変更があります。ここからタイプ1についてまとめていきます。なお、タイプ1はカテゴリーとして

  • 1.教育の質向上
  • 2.高大接続
  • 3.データ活用による教育展開とデータ活用人材の育成
  • 4.多様な教育体制と社会との連携

で分かれています。また大きな変更があるものは赤字にしています。

※本内容や解釈は個人の考えに基づきます。

改革総合支援事業を見る上でのポイント

改革総合支援事業でよくやりがちや注意すべき点をまとめておきます。

  • 基準時点は確認したか?特に年度には要注意
  • 要件及び確認書を確認し、全てが適合しているか?
  • 根拠資料は例示はなくてもいいが、要件にあったものは揃っているか
  • 会計検査院に質問されても納得させられるエビデンスか?←重要

年度などは設問で異なるので、特に注意しておきましょう。今回の設問⑯の入試と初年次教育のように昨年度の募集要項が根拠資料となる場合もあります。

改革総合支援事業タイプ1の各設問

 1.教育の質向上

1.IR情報を活用した教育課程の検証

学長を中心とした教学マネジメント体制でIR情報を利用し、教育課程の適切性を検証しているか、方針を策定しているかに関する設問です。

これは基準日は令和2年4月1日現在なので、昨年度に該当の会議(委員会)が2回以上行われていることや専門的な支援スタッフを大学としてどのように定義しておくかが重要かと思います。

例えば組織の例として、全学協議会、内部質保証委員会、カリキュラム検討委員会・教育課程編成委員会などが考えられます。

委員会名が合っていても、委員会の規程から教育課程の検証をする委員会であることの明示が必要ですし、内部質保証委員会のように役割が多岐にわたる場合は委員会開催が2回ではなく、教育課程編成の検討が2回行っておく必要があります。

この委員会では構成員は学長や学部長の他に専門的な支援スタッフが必要とされています。この専門的な支援スタッフは、教育課程編成(に関する全学方針)について広い見識があるものと定義されています。

つまり、単に(教職員で)教務部長という人が教育課程編成を検証する会議のメンバーでもあっても「全学的な方針の策定について広い見識がある」と言える(エビデンスがある)人でないと厳しいです。ここのケースだと自分であればカリキュラムコーディネーターのような人をメンバーとして入れています。

カリキュラムコーディネーターは、例えばカリキュラムコーディネーターの養成講座を修了した人、教育課程編成に関連した業績がある人、学位が高等教育関連でカリキュラム等について学んだ人がいればエビデンスをきちんと用意できるかもしれません。そしてその人が昨年度にきちんと委員となっている事が必要です。

2.IR機能強化

昨年度と同様に大学にいるIR担当者教職員が外部のIR研修に講師派遣しているか、定期的に研修を受講しているかが重要となります。

IRの研修については今年はコロナの影響であまり多くありませんが、例年であればいくつかの業者や団体がIRに関連する研修を夏にやっています。今年はオンラインであるといいなと思っています。なお、IRの講師派遣は大学外の組織であればいいので、IR担当者間のネットワークを使えば、対応はさほど苦労しない設問であると感じます。(安全策として別法人からの招聘のほうがいいとは個人的に思っています)

3.卒業時アンケート調査

昨年度末等に卒業見込みや卒業時に行った卒業時アンケート調査に関して、確認事項として掲載ページURLからアンケート回収率に変更があります。

その他は求められる回収率は80%あるいは50%となっています。ただコロナの影響で卒業式も出来ない大学が多くあり、卒業時調査は郵送やオンラインで実施したけど回収率は50%もいってない大学をいくつも知っていますので、ここは点数を取るにはかなり厳しい設問です。むしろ地域差が出て、首都圏は回収率が低く、地方は回収率が高いという傾向が見られるかもしれないと思います。

また、卒業時調査を実施・公表するだけではなく、簡単でもいいので分析結果もきちんと公表しておきましょう。

4.アクティブ・ラーニング

ここの設問は昨年度と一緒でシラバスをエビデンスとしてアクティブラーニングがどれだけ行われているかが問われています。アクティブラーニングの例示として、PBLやグループワークなど昨年度と変わりませんが、今年は遠隔授業によるシラバスの変更があった場合はどこまで影響があるのか、遠隔授業を実施したことをふまえてこの設問を出したのかは気になります。

ただこの設問は実習とかが多い国家資格関連の学位プログラムだと多少有利なのですよね。

シラバスは授業形態の欄や各授業回にアクティブラーニングの関するキーワードがないかを探しましょう。私の場合はシラバスの授業形態欄のキーワード抽出、そこから弾かれた科目はシラバスを全て読んでアクティブラーニングに該当しているかどうかを確認しています。

5.情報リテラシー教育

情報リテラシー科目とは何か、具体例として「情報モラルに関する教育や、課題解決のために必要な情報を探索するもの(図書館利用法・文献探索・データベース活用法等)、情報を分析評価し整理するもの(情報処理、情報整理法等)、情報のアウトプットに関するもの(レポート・論文の書き方、プレゼンテーション技法等)」としていますが、これら全てをを1つの科目でやることは内容が盛りだくさん過ぎてあまり現実的ではなく、複数の科目が該当することが考えれるかもしれません。

また基準が10月末日のシラバスとなっていることは申請をする上で注意です。

6.ICT活用

クリッカーやタブレット、eラーニングを用いてとあり、シラバスなどが根拠資料です。ただ遠隔授業により、対面でクリッカーを使うことはほぼなくなりました。

そもそもコロナ禍でクリッカーを使う場合は授業毎に全てのクリッカーを消毒しないといけないですね。授業毎に数百台のクリッカーの消毒はあまり現実的ではないので、スマートフォンを使ったクリッカーへの移行なども検討したほうが良さそうです。

なお今年からQ12が追加され、自主学習支援は正課外の取組の実施も該当するとされています。ただ自主学習支援については大学が学生の学習状況を確認できる資料を準備する必要があります。

2020年度前期はオンライン授業でクリッカーなどを使っていないがシラバスには記載があるというケースもあると思います。自分の場合は検査でこれは対面で本当にやったのかと聞かれることを想定して、昨年度の後期科目を根拠としています。

(たまに遠隔授業だからICT活用なのかと聞かれますが、これはグレーではないでしょうか。少なくとも自分は遠隔授業したからここで点数が取れるという賭けみたいな判断は出来ません)

7.GPAの活用

GPAを成績不振者への個別指導の実施の基準や進級・卒業判定、科目履修に求められる成績水準の設定、教員間や科目間の成績評価基準の平準化に活用しているかが問われます。

これらは規程化している事が重要であり、例えば成績評価基準の平準化については(規程がある)会議・委員会で次第・資料・議事録などでGPAをもとに成績基準の平準化について議論をしたという根拠は不可欠でしょう。

さて、本設問は「全学部でGPA制度を導入していること」が前提条件ですが、GPAの各活用の取組は「全学部等で行っていること」とは書いていないことに留意すべき点です。

8.成績状況とCAP制の連動

履修科目の上限(CAP制度)がGPAと連動しているかが問われています。まず全学年にCAP制度があることです。ただしGPAと連動は、一部の学年でも構いません(Q17)。例えば今年からGPAとの連動制度が運用されていればOKとの事です。(要:規程等)

※昨年度と同じ設問で、内容に変更があるように思いますが、文章の入れ替えがあるのみです。

9.ティーチング・ポートフォリオ

ティーチング・ポートフォリオは、名称そのものの制度でなくても、教員が授業や指導の業績を「教育業績ファイル」のように貯めておく仕組みがあればおそらくは大丈夫です。(名称が異なっていても、目的がティーチング・ポートフォリオとあっていればおそらく大丈夫です)

ただそのポートフォリオを活用する仕組みはエビデンスがあることと明記されています。例えば内容に応じて学部長が面談するなどの仕組みが明文化されているとよいかもしれません。

10.教育サポートスタッフの研修

ここは昨年度と変更はありませんので、TAやSAに関して昨年の9月~定期的に研修をやっていれば大丈夫ですね。またQ&Aで研修でなくとも、活動について授業外に協議・検討を行うとありますので、これを研修とし、記録があれば該当します。

(学生への連絡は通知文みたいに堅苦しいものは今はあまりしないと思うのですがどうでしょう?大学のLINEとかで連絡する場合も聞きます。)

11.学修成果等の可視化

ディプロマサプリメントに関する設問です。ここも大きな変更はありませんがQ&Aで詳細に説明がされています。(例えば成績通知書は該当しないなど)

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ディプロマサプリメントをやるには、教育評価・アセスメントをしっかり行う事が前提ですね。

12.学修成果に関する産業界との協議体制

産業界と学修成果について協議するもので自治体などは除くことも昨年通りです。今回はWEB会議でもOKとQ30にあるので、大学のキャリアセンターと付き合いのある企業や法人とWEB会議で行うのがいいですね。

その場合は大学の学修成果や企業が学生に求める能力が必要か、採用時にどのような情報があるといいかをヒアリングしておけば大丈夫でしょう。

2.高大接続

13.一般選抜における多面的・総合的な評価

昨年と変わらない設問で、2科目以上の検査を行う入試が対象です。例えば私学だと3月に1科目入試を行っている場合がありますが、それは該当しないとQ34に明記されています。また募集要項には、面接や小論文をどのように評価することの明記が必要です。

ここでは次の点は確認しておいましょう

・2科目以上出題させる一般選抜が対象

・多面的・総合的な評価を行う事を募集要項に明記しているか

・例えば小論文を課すだけではなく、小論文で何を測るのか、どのように評価するのかを明記しているか

本来はポートフォリオなどを活用することが想定できたのでしょうが、入試改革は全体的に進んでいるとは言えないので、面接や小論文、面接などを組み合わせることが現実的ですね。

14.一般選抜における記述式問題の出題

昨年と変わらない設問ですが確認事項について、「文章やグラフ等により自らの考えを表現させる」記述式と明確に書いてありますので、募集要項に出題の意図と評価する能力を書いておきましょう。

ある大学では英文(長文)を読ませて、それについて自分の考えを日本語で書くという出題を昨年していました。また記述式問題は短答式ではないと明記されているので注意が必要です。

15.総合型・学校推薦型選抜における基礎学力把握

今年はQ&Aで推薦は公募だけではなく、指定校や附属校の推薦型入試なども含むと明記されました。確認事項は一部変更がありますが、大学独自の検査を実施していると書かれています。

では仮想ですが、事例で見てみましょう。下記の表で、総合型選抜は2回、学校推薦は2回(内1回は傘下校推薦)があるとします。

学部学科 総合型選抜① 総合型選抜② 学校推薦 学校推薦(傘下校)
A学部 B学科
  C学科
  D学科  
E学部 F学科  
  G学科    
H学部 I学科  〇

この場合はどの学部でも総合型選抜及び学校推薦で学科のどこかに〇がついていますが、

  • 総合型選抜及び学校推薦選抜は全て対象
  • 学部でやっているとは、全ての学科でやっている事

といった事が必要なので、A学部はD学科の学校推薦(傘下校)でやっていないので対象外、E学部も2学科の全ての選抜でやっていないので対象外、H学部は1学科で全てやっているから対象というように考えられます。

16.多面的・総合的評価に連動した取組(NEW!

新しい設問で、多面的・総合的評価とそれを伸ばす取組として初年次教育などを行っているかが主な内容です。なおこれは既に終わっている令和2年度入学者選抜です。

さて新規設問は今後Q&Aが出されて内容がつめられると思いますが、多面的・総合的評価と初年次教育の連動の解釈が難しいなと感じます。

例えば多面的・総合的評価で測るものを初年次教育で伸ばせるものをやればいいのか、評価で測った結果によって初年次教育を変えるなどの連動性も必要なのか、このあたりが曖昧ですね。また令和2年度入試(既に終わっている入試)が対象なのに、総合型選抜という名称を使うなど、表記に不思議な所があります。

ここからは個人の考えですが、ここで重要なのは全ての学部の全ての入試で多面的・総合的評価をやっているかであって、初年次教育はまあやってあれば、理由はこじつけでいけるかなと感じています。

なお初年次教育とは学士課程答申の用語集によれば次のように解説されています。

高等学校から大学への円滑な移行を図り,大学での学問的・社会的な諸経験を“成功”させるべく,主として大学新入生を対象に作られた総合的教育プログラム。高等学校までに習得しておくべき基礎学力の補完を目的とする補習教育とは異なり,新入生に最初に提供されることが強く意識されたもので,1970年代にアメリカで始められ,国際的には「First Year Experience(初年次体験)」と呼ばれている。具体的内容としては,(大学における学習スキルも含めた)学問的・知的能力の発達,人間関係の確立と維持,アイデンティティの発達,キャリアと人生設計,肉体的・精神的健康の保持,人生観の確立など,大学における教育上の目標と学生の個人的目標の両者の実現を目指したものになっている。

 しかも初年次教育は正課外でもいいとなっているので、少しでも点数はとれるかもしれません。

なお、昨年度実施した入試が対象で、多面的・総合的評価を入試で行い、評価方法を募集要項に明記していることが最低限の条件です。昨年度の改革総合支援事業タイプ1に申請している場合、設問⑬との整合性も必要です。

17.アドミッション・オフィサー

例年同様の設問ですが、今年は大学院のみに関わっているアドミッション・オフィサーはこの設問に該当しないと出ています。

アドミッションオフィサーは募集業務だけではなく、面接官として入っている・選抜の会議に入っているなどがエビデンスから確認できるといいと思います。あとはアドミッションオフィサーの講座や養成プログラムに参加しているとエビデンスとしてしっかりします。

18.「数学」「情報」の試験問題を出題(NEW!

令和3年度からの入試を対象とし、一部の試験形態に数学や情報における試験問題を出題することを募集要項等に明記する必要があります。

ただ理系学部とかは数学などがあれば、一部学部に該当して2点は取れそうなので、私立文系大学には厳しい設問です。

19.入学予定者への課題提示

入学前教育は12月以前に入学手続きしたものを対象として実施した場合が該当しますが、編入、社会人、留学生等は含めないと今年は明記されました。

20.高大連携強化

この設問はここ数年大きく変わっておらず、高校生との合同授業や高校との定期的な協議、人事交流や研修を行うことが求められています。

出前授業などの実施は今年度はかなり難しいと思うので令和元年度からあたったほうが良さそうです。

3.データ活用による教育展開とデータ活用人材の育成

21.IRに係る専門職の配置

IRに従事するIR担当者が専門性を証明できるかがカギの設問ですね。単にグラフ作成程度の業務だと「統計数理・データ分析の基本知識等」を有するIR担当者であることを証明するのは至難の業です。

ただIR及びIRに関連派生する業務に年間を通じて専従するもの(つまりIR部署所属でなくてもOK)であり、IR担当者としての証明は実績でもOKなのでいくらかやりようはあるのではないかと考えています。

22.卒業後アンケート調査等と活用

卒業後に就職状況の調査から教育改善に活かす取組が求められます。例えば調査結果を委員会で取り上げ、FDを行い教育改善に活かせればエビデンスとしては充分ではないでしょうか。

また変更として就職先・進路先への調査で、調査数の条件付け(卒業生数以上の数を調査しているか)というものがなくなりました。 

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23.選抜方法の妥当性の検証

これも数年続くものなので、入試に関する委員会でIR担当者が頑張れば終わりですね。

入試区分とGPA、中退率や留年率、就職率と複数年度の学生を対象にクロス集計をすることは最低条件で、この結果を大学入試委員会などで選抜の検証に活かして議事録をつくっておきましょう。

なお、分析については論文や事例報告は探せばあると思います。

 

24.数理・データサイエンス・AI教育

AIが昨年度から追加されている設問ですが内容は変わりません。要は統計に関する授業が全ての学部で開講されていれば選択科目でも2点取れます。

探してみると統計の内容を含む科目は意外とあるので、統計学という科目名称だけをエビデンスとするのではなく、他の科目名称やシラバス内検索で探してみましょう。

25.データサイエンス教員FD

これは近隣の大学とZOOM等で繋いで大学教育センターやFD委員会あたりが担当でやってしまえばすぐに点がとれる設問ですよ。

日々の他大学との繋がりが重要ですね。

26.情報教育における実践教育の実施

データサイエンス教育とあるけど、データを用いたPBL教育をやっているかどうかが判断する基準だと思います。ただきちんと協定が必要など条件はありますね。

(正課外でも点数が取れるので、何とかなりそうな感じもしますね)

4.多様な教育体制と社会との連携

27.分野・学部等横断的カリキュラムの検討体制

全学共通カリキュラムやそれを編成するセンターがあれば済む話ですが、小規模大学にはそういうにはない事が多く、大規模大学が点数を取りやすい設問だと思います。

28.分野・学部等横断的カリキュラムの実施(NEW!

これ、学部共通科目が1~2つあるだけではダメで、文理融合のカリキュラムがあることが条件ですね。条件としては学部横断のカリキュラムがある、自然科学系と人文・社会科学系の科目がある科目があることですが、学部に複数の学科がある場合は全ての学科でやっていることが条件です。

例えば教養科目で文理融合科目群が学部共通であれば、言い方しだいでいけそうです。

29.インターンシップ科目

ここは一言、コロナ禍で昨年9月~今年10月末にインターンシップ2週間以上を求めるのはかなり厳しいです。

また令和2年度はインターンシップ科目で全ての履修者が2週間以上のインターンシップをすることが求められています。

今まではインターンシップ科目で一部の学生が2週間以上やっていれば要件を満たせますが、今年からは無理になりましたね。

30.実務家教員の教育課程編成への参画

実務家教員のハードルは実はあまり高くないです。というのも実務経験年数は問われますが、実務経験後〇年以内は問われないのです。その為、教職や看護などは実務家教員が非常に多くなります。

ただこの設問が厄介なのは6単位以上を担当する非常勤であっても、教育課程編成検討会議に参画の義務付けが必要ですね。昨年も書いた気がしますが、出来ている大学はどうしているかが聞きたいです。

また今年はオムニバスの取扱について、Q&Aで示されています。

31.主専攻・副専攻制等

これは規程の改正などが必要なのですぐには対応できません。また補助金担当者だけではどうしようもないので、手を付けずに終わり

32.学事暦の柔軟化

31と同じ。(なお、編入は該当しないけど、大学院は該当するとあるのですそ野は広がりますね)

33.オープンエデュケーション

教育に外部のツールを使ってもらうのは大変なので、ねらい目は「1 自大学の教育リソースを広く提供・・・・」なんですよ。そしてそれを授業か、自主学習ツールに使ってもらうよう案内をするのです。

終わりに

全体としてコロナに関わる配慮は締切りや基準日でしていますが、設問はコロナ禍での授業対応に即したものではないと感じます。特にシラバスがエビデンスのものは授業の運用とシラバスが異なることもあり得ると思うのです。

あと選定ラインですが、コロナ禍で対応できない設問もあるので、(選定校数が減る事も加味しても)選定ラインは昨年度より少し上ぐらいではないですかね。