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自主的な勉強会が終わる時とは

大学を卒業するという事は学ぶ事を終わりにするのではなく、大学で身に付けた知識や技能・能力を活かし、さらに社会人になっても常に学び続けなければ今の世の中で生きていく事は難しい時代だと感じています。日々、仕事が楽だからといって作業のみ従事していると、5年後には錆びついた歯車になるだけです。

ただ自分で独学をするには、どのように学ぶか、何を学べばいいかが分からないといった事もありハードルが高いといった課題もありますが、(業界や職種によりますが)業務以外に勉強会を開いて学んでいる人もいます。

しかし自分も経験がありますが、企業や業界団体が行う研修とは異なり、学内あるいは学外で自発的に企画運営された勉強会は永続的に続けることは非常に難しいなと思っています。では勉強会が終わる時とはどんな時なのでしょうか?

なお、これは自戒も含んだ内容です。

勉強会のターゲットがいつも不明瞭

勉強会は立ち位置やテーマによって、ターゲットを明確にする必要があると思っています。例えば学内だと年代、職位なのでもいいと思いますが、不明瞭だと課題が出てくるときがあります。

例えば

  • 参加者は、この勉強会に参加していいか分からない
  • テーマとしては対象外、あるいは経験年数からみてターゲット外だけど参加してきて、議論をかき乱す人がいる可能性がある。
  • 参加してみたけど、レベルや内容的にやっぱ違うと悪印象を参加者に与える可能性がある

このままにしておくと、あの勉強会はハードルが高くて申込をしにくいや行っても無駄という印象付けがなされてしまうとあまりよろしくはないですよね。

ただがっちり参加対象を決めると、対象となる母数が減る事もあり、ある程度ゆるくでいいかと思うのですが、勉強会の立ち位置やレベルについては告知時には明確にしておく必要があるのではないでしょうか

勉強会の参加者が常連ばかりになる

勉強会を何回か参加していると、参加者の固定化がどうしても起こってきます。それは致し方ない部分はあるのですが、参加者の新陳代謝がないと内向きばかりになってしまい、新しく参加しようかなと思っている人の申込のハードルを上げてしまいかねません。

また常連が多く内向きな勉強会は運営するほうが楽で楽しいのですが、それではダメで、新しい人に参加してもらうための工夫(テーマ・広報・研修設計等)は常に必要だなと思います。

中心人物が抜けてしまう

学内であれ、学外の手弁当の勉強会の場合は、自分が知っている者では中心となる人物が1~少人数いて、そこがしっかりと運営をしているように思います

大学関連の学会として大学行政管理学会があり、そこの若手グループはきちんと組織化している勉強会だと中心人物が代替わりをし、継続的に勉強会の運営の維持がされているように思います。

一方、求心力があったり、勉強会内の調整をしてくれる中心人物が抜けてしまうとガタガタと勉強会は崩れてしまいますね。

組織が肥大化する

組織を弱体化する理由の一つには、組織の肥大化があるのではと思っています。数人でまわしていた勉強会に関わる人が増えていき肥大化していくと、勉強会を運営する際に色んな意見が出ていきます。これは多様化するというメリットですが、何かを決める時にスムーズにいかないというデメリットも出てきます。

きちんと組織化した勉強会であれば、デメリットは克服できると思いますが、手弁当でやるには覚悟と時間が必要です。

費用と対価が釣り合わない

有料で勉強会を行う場合は様々なプラットフォームが出てきて、有料勉強会の企画・運営がしやすくなりました。勉強会を運営するには、会場費や資料印刷などもかかりますので有料なのは当然かと思います。

ただ高額の勉強会の場合は、きちんとターゲットや勉強会のレベルを示しておかないと費用と参加した対価について不満が出るかもしれません。まあ無料、有料に関わらずに勉強会を行うのであれば一定の質は担保しないといけないですね。

勉強会外からの干渉

勉強会を運営している中で興ざめする理由のトップの方に位置する者として、ステークホルダーでもない組織内の人や(自称)業界の重鎮から「あの勉強会は〇〇をテーマとしてやるべきだよ。いや、やらないとダメだ」みたいに言われる事です。

勉強会を運営するという事は、例えば「自分が勉強するけど、どうせなら業界内で一緒に勉強しようと思ってやってみよう」と思ってやる事もあります。仮に指摘事項が正論であっても、自分が勉強しようと思っている事に外から突かれるとあまり良い気分ではありません。運営者のやる気を削ぐ一因にはなる事項ですね。
なお、勉強会は全て他人の為にやらなければならないと決まっている訳ではありません。自身の学びの一助になるからという理由もあってもいいと思っています。

ステークホルダーからの要求に答えるばかりで幹事は楽しくない

幹事側としては、そのテーマが自分達も勉強になるのか、知的好奇心を満たせるのかも重要だと思うのですよ。特に自主的な勉強会だと、自分達にもメリットは必要です。

 

終わり

勉強会を運営すると常に悩むのがどこまで参加者の要望、勉強会のホスピタリティ、そして運営者側の学びやメリットのバランスをどう取るかです。例えば地域に根差した勉強会の場合は、その地域の同業者や自分の組織の人のレベルアップを図るためにやっています。このバランスがどこか崩れると勉強会の存続は難しいのかもと思うのです。

また先日、Twitterをみていると理論より、ExcelのVBAなどを研修でやるべきだという呟きをみました。参加者からは、すぐに使える知識やスキルをやってほしいというのはよく聞く話です。でもググって調べて分かることは、勉強会でやるテーマなのかと思うことがあります。