自分が所属する部署内の話ならともかく、組織全体で何かを変える、新しく何かを行うとなると調整の仕事が重要になります。そもそも調整とは
調子を整えたり、ものごとの過不足などに手を加えて、つり合いのとれた状態、正しい状態にしたりすること。
"ちょう‐せい[テウ‥]【調整】", 日本国語大辞典, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2020-06-11)
といった意味があります。
さて(正しい状態かはともかく)組織の中で調整の仕事をするとは、組織としてあるべき姿やあるべき事業をする(減らす)為に、各部門や組織のメリット・デメリットや利益も尊重しながら、物事を新しくもしくは変える舵取り仕事ではないかと思っています。
ただ調整の仕事といっても、強烈なトップダウンの組織ならともかく、通知だけ出せばそれで終わりではありません。そんな調整の仕方をするのは国か、どうしようもない人だと常に思っています。
自分自身はどちらかというと全学の調整の仕事が多いので、そこでの心得として、新しく入ってきた部下に言っていることが今回のテーマです。なお、組織や立場によってこれは変わるので一参考事例としてになります。また自分自身も出来ていない事もあります。
伝書バトにはならない
調整の仕事では、各部門からの意見をヒアリングなりして、まとめることは不可欠です。ただたまにヒアリングしたものをそのまま「こういう意見が出ました」とだけ伝える人がいます。でも伝えるだけなら、誰でもいいのではないでしょうか?
ヒアリングをしたものは、横流しをするのではなく、それを情報や提案に変えることが必要で、さらに言うならヒアリングした結果から提案のカードを3~5枚ぐらいは準備が必要なのだと思います。
全てを丸投げしない
「〇〇と決まりました」とだけ通知し、「あとは各部門や現場でよろしくね」というのは、後々禍根が残ります。調整したプロセスにおいて、いくつもの業務が出てくることがあります。「この仕事は本来はお宅の仕事だから、全部やっておいてね」と全てをまかせるのではなく、こちらで出来る業務はやる(手伝う)など、一時的にでもいくつかの業務を行ったりすることは必要かなと思っています。
また手間な仕事や相手が嫌な仕事ほどやるべきです。ただ、これは自分の裁量がどこまであるかや上司にもよりますね。
組織がどう考えるかを予測する
調整した仕事の目的やゴールについて、常に組織がどう考えるかはふまえておく必要があります。そこには個人の価値観が大幅に反映するのはあまり好ましくありません。
組織(執行部)が今後どのようにしていくのかも踏まえて、調整業務をしていきます。
信頼関係
こんなツイートを先日しました。
あと自分が今の全学の調整系の仕事が出来ているのは、単に今の組織にいるのが長いからだけとも言える。 https://t.co/GGjMT5nAj2
— とある大学職員 (@daigaku23) 2020年6月10日
長くいるからこそ、学内の色んな部署の人も知っていますし、役職の方から現場の方まではやり取りをしたことがあるので、比較的調整の仕事がやりやすいのだろうと思います。
その上で信頼関係を構築していく事が不可欠であり、例えば他の部署からの依頼はすぐやるなど当然のことの積み重ねが必要です。
専門性を持つこと
最後は専門性です。いや、専門性は必要ではないかもしれませんが、その業務について背景や法令を理解しておくことは不可欠です。少なくとも、調整する人が常に「分かりません」では信頼すらしてもらせませんし、うまくいきません。その為には、日々勉強しかないのです。
終わりに
今回はコミュニケーションは書きませんでしたが言うまでもなく不可欠ではあります。自分は各部門や部署、キャンパスなどはフラフラして話をすることが多いのですが、テレワークになるとそういう事もできなくなり、文字でのやり取りが増えると別の方法が求められてきます。
また他にも大事だなと思うのは自分の為ではなく、組織・相手・他者の為に調整を行う気概ではないかと感じています。自分が楽したいというのが明け透けだと、何であんな奴のために何かしてやらないといけないのかと思いますね。