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第2回AI・業務自動化展で見た大学に導入できそうなもの

 大学でも業務の自動化でRPAなどの事例や早稲田大学であったり、近畿大学のチャットツールの導入がニュースになっていました。大学は専任の職員を減らしている大学もあり、入学定員の厳格化により予算も厳しくなっています。その中で業務の効率化や軽減は喫緊の課題です。

そこで、Japan IT Weekで行われている第2回AI・業務自動化展で大学に導入・活用できそうなものを見てきました。

AI・業務自動化展

 

デジタルファイリング

既存の複合機やスキャナと連携して、紙文書の書類あるいはデータから自動的にサーバー、指定されたフォルダにいれる製品で、ファイルの自動振り分け機能を使えば多くの会議資料の整理が簡単に出来、印刷や編集などの文書の利用制限も出来るそうです。

ただ事例を見る限りは製造現場や見積書・請求書等に活用されているようです。

 

データ分析ツール

大学のIR(Institutional Research)では、BI(ビジネスインテリジェンスツール)を活用している大学も多いです。例えば駒沢大学のファクトブックではBIツールを活用して情報が公開されています。

この展示会でも多くのデータ分析ツールが紹介されています。例えばExcelの機能をそのまま流用できるBIツールやインフォグラフィックを作れる機能を備えたBIツールがありました。BIではグラフなどがメインですが、インフォグラフィックでポスターのように作れる機能は、大学のホームページや広報などに活用できそうです。(ただまだ機能は開発段階なので操作性についてはどうなるか未定との事です)

テキストマイニングツール

このブログでもだいぶ前にテキストマイニングでKHCoderを使って簡単なテキストマイニングをした事があります。今回見たのは有償のソフトですが、テキスト分析で頻度・注目・特徴・時系列など分析が出来るテキストマイニングツールでした。デモはコールセンターの記録でしたが、地域ごとのテキスト分析を瞬時に呼び出せるなど、テキストマイニングツール×BIツールといった印象のシステムです。

これ大学より属性ごとにテキスト分析がすぐに出来るから研究に向いているかもしれないと感じます。

 

チャットツール

近畿大学でも活用しているSlackや、私も研究等のやり取りで使うChatWorkの展示がありました。連携機能も使えば、学生のIDでシングルサインオンもできそうという話をしてきました。

学内の他のシステムと連携出来る事がわかれば、チャットツールのほうがやり取りやタスク管理もしやすいのですけど、こればっかりは組織文化もあるので導入は中々難しいですね。以前、Office365のTeamsを使った事ありますが、意識してそちらを使ってもらうのは中々難しかったです。

 

リアルタイム議事録共有システム

意思決定は早い企業は会議中から議事録を作成して、会議が終わり次第、メンバーに共有し、すぐに行動すると聞いた事があります。

見てきたリアルタイム議事録共有システムは、議事の管理・共有、タイトル検索、タスク管理、ファイル添付やリマインド、承認、変更履歴機能などがついています。システムといっても、ユーザーベースで導入してIDを振り分けるシステムですね。チャットツールに記録や検索機能を強化した印象もありました。なお学校用のプランもあるようです。

 

チャットポッド(chat bot)

ある大学で学生窓口をLINEのチャットポッドで相談を受けるというニュースを見ましたが、それが気になり、今回チャットポッドのブースを色々と見てきました。

保険相談用などのチャットポッドは高機能で大学には向かないと思いましたが、シンプルなチャットポッドだと毎月の使用ライセンスが10万円からとのことなので、初期費用が多少かかることを考えても、業務の効率化が図れれば安いものではないでしょうか。

ただ初期は質問の準備などがかなり大変そうですが、例えば教務課や学生課などの窓口では受付のスタッフ用にマニュアルやQ&A集を作っていると思うので、それを流用すればある程度簡単に入れられそうですねと話をしてきました。

見てきた会社のチャットポッドは、殆どがLINEやFacebookのmessenger、Slackなどに対応しているようです。

活用としては学生の窓口だけではなく、受験生や卒業生なども考えられますね。チャットポッドの中には、RPAのように書類記入が出来るものがありましたので、アンケートなどにも使えそうではとも感じます。

また多言語対応のチャットポッドもありましたので、留学生が多いところが活用できそうです。

 

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)

単純なパソコン入力、特に繰り返し作業などを自動化できるツールなどがありました。ただ不向きな作業として申込書や各種申請書の作成があるそうです、それらはチャットポッドを併用して作業の省力化を行うシステムもありました。

またGoogle Chrome上の作業を自動化できるシステムもあり、大学としては色んなシステムを使う事が多いので、こちらのほうが活用できそうです。

 

おまけ:はてなのサービス「mackerel」

大学の業務とあまり関係ないのですが、このブログで使わせていただいている株式会社はてなのブースがありました。はてなは、ブログやブックマークから広告などのイメージが強かったのですが、ブログサービス等の今後を見据えて、インフラ管理や開発などにも進出しているそうです。特に開発は、京都にある有名なゲーム会社関連の仕事もしていると聞きました。