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読了記録:マネ研会誌「大学の部局マネジメントを考える」

大学マネジメント研究会の会誌「大学の部局マネジメントを考える」を読了しました。

会誌「大学マネジメント」 | 大学マネジメント研究会

 

今回この会誌での「部局」という言葉は、「教育研究組織のマネジメントを考える」とした意味で使われています。でも、この言葉は大学の設置形態や立場によって何をイメージするのは違うと思っています。(私が所属する組織では、部局という言葉は事務組織を示しますので、この言葉を使う時は、相手の立場や理解を考えて、言葉を使う必要があると思います)

 

さて、2018.6の会誌「大学マネジメント」では、立場や職歴が様々な方の記事が掲載しています。

例えば北陸大学の山本先生による「学部マネジメントと学部長の役割」、中央大学の元副学長の佐藤先生による部局マネジメント、関西学院大学 名誉教授の牧里先生の学部長経験からみた部局マネジメントはそれぞれの切り口が違い、非常に面白い内容です。

 

山本先生は、はじめに以下のように述べられています。

「学部とは、大学の組織の一部局にすぎない。しかし、教育面から見ると、実は学部単位で取り組むべきことがほとんどである。だからこそ学部改革は大学全体の成果を左右する重要な課題であるといえる」

確かにその通りだなと思いますし、自学においても学部は教育や研究、さらには募集、就職状況なども学部ごとに責任があり、大学によっては経営(収支等)も学部ごとに見られる場合があります。

さて山本先生の学部長として行われた事を読んでいくと印象に残るのは、記事内にも書かれていますが「強い学部長リーダーシップ」です。学部長は自分たちの利益代表者ではなく、学部長自らが汗を流し、例えば教育課程を教員個々ではなく、組織として考えていくのはあるべき学部長の姿の1つであるなと感じます。

ただその為には、(山本先生もおっしゃっておりますが)学部長を担う人材育成が不可欠で、教員の代表となり何もしない学部長の場合、これだけ変化がいろいろある時代だと直ぐに学部自体が急降下してしまいます。このご時勢だと、落ちたら再浮上はかなり困難です。だからこそ、大学としても学部長の役割や期待することを明確にしておき、学部ごとの改革を進められるようにしなければならないと感じています。

 

<参考>

部局マネジメントについて改めて考えるきっかけ(もしくは学部マネジメントを統制する動き)は、平成27年4月1日から施行された「学校教育法及び国立大学法人法の一部を改正する法律及び学校教育法施行規則及び国立大学法人法施行規則の一部を改正」ですね。

また当時、こんなチェックリストもあり、各大学はそれぞれ確認と、関連する調査にも対応されたかと思います。

内部規則等の総点検・見直しの実施について:文部科学省

 

<関連法令>

学校教育法 第93条

第九十三条 大学に、教授会を置く。
2 教授会は、学長が次に掲げる事項について決定を行うに当たり意見を述べるものとする。
一 学生の入学、卒業及び課程の修了
二 学位の授与
三 前二号に掲げるもののほか、教育研究に関する重要な事項で、教授会の意見を聴くことが必要なものとして学長が定めるもの
3 教授会は、前項に規定するもののほか、学長及び学部長その他の教授会が置かれる組織の長(以下この項において「学長等」という。)がつかさどる教育研究に関する事項について審議し、及び学長等の求めに応じ、意見を述べることができる。
4 教授会の組織には、准教授その他の職員を加えることができる。

 

 <引用・参考文献>

佐藤信行(2018)「教員の視点から見た大学の部局マネジメント 学部連邦制モデルと大学中央集権モデルの視点から見た学部長」,『大学マネジメント』2018年6月号, pp.32-37,大学マネジメント.

牧里毎治(2018)「大学の部局マネジメントを考える~教員の視点から見た学部マネジメント」,『大学マネジメント』2018年6月号, pp.38-41,大学マネジメント.

山本啓一(2018)「学部マネジメントと学部長の役割」,『大学マネジメント』2018年6月号, pp.22-31,大学マネジメント.