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IRと大学職員㉖組織内でのコミュニケーションの重要性

 IRを進めていく上でどのような能力や知識、スキルが必要なのでしょうか。IRの萌芽期においては、日本型IR人材の養成という研究テーマも見かけました。近年は大学評価コンソーシアムの「評価担当者が自らのスキル、能力を把握し、今後の向上を図るためのルーブリック」が開発もされています。

大学評価コンソーシアム

 さて、IRに必要な知識などに関する研究は管見する限り、アメリカのIRのTerenzini氏の3つの知性が多く紹介されているかと思います。この3つの知性については、下記のセミナーの記録で山形大学の浅野先生が紹介され、3つの知性は次の通りです。

大阪大学 経営企画オフィス URA部門|大学のこれからを考える|IRの深化とIRとの共創

この3つの知性は次の通りです。 

 Technical/Analytical Intelligence
→調査設計や統計手法等、調査・分析に要する専門的・分析的な知性
 Issue Intelligence
→組織内の課題、意思決定における重要度等の理解に要する知性
 Contextual Intelligence
→高等教育政策全般、組織の歴史や文化等の文脈理解に要する知性

 またこの3つの知性について、福岡大学の佐藤先生はIR担当者の問題点を述べるともに、組織として持つ必要があるとしています。

<参考>大学評価コンソーシアム情報誌「評価とIR 第4号 (H27.12.30)」

「IR人材に求められる力量からIR組織に求められる知性へ-テレンジーニ(Patrick T. Terenzini)による3つの知性論の再検討-」福岡大学 佐藤先生

大学評価コンソーシアム [ 情報誌「大学評価とIR」 第4号]

 

 さて、IRを行う上で、3つの知性は必要であると関連業務を担当していた自分も感じています。ただこれらの3つの知性すべてを兼ね備えている人はそう多くはないでしょう。そこで佐藤先生がおっしゃるように、組織、例えばIR室内で互いに補完しあっていればいいと思っています。例えばこんなイメージでしょうか。

 

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 ただ各人がそれぞれ得意な部分があってもコミュニケーションがないと、上の図のように各自が知性やスキルを持っているだけになるかもしれません。また分析が得意な人は文脈をふまえず分析をしたりといった事があるかもしれません。まあ一人が、全ての知性を持つように勉強すればいいのでしょうけど、人脈

 組織としてIRの業務を行う上では各自が持っている知性やスキルを補完し合って発揮できるようには、それぞれのコミュニ―ケーションやマネジメントが必要だと思っています。

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 IRにこだわらず組織内のコミュニケーションやマネジメントは重要だと思いますが、IRも同様にデータや情報だけではないと思います。またIR組織内だけではなく、他の部署とのコミュニケーションもしていかないと、自分よがりの内輪だけでのIRになってしまうのではと危惧しています。