第3期認証評価は、内部質保証がきちんと出来ているかが問われると言われております。内部質保証については、以前、こんな記事を書きました。
そこから、内部質保証について冠が手要ると、最近思うのは自己点検評価、アセスメント、外部評価、分野別評価、コンプライアンス、監査、Institutional Effectiveness(IE)の意味や役割をわかっていて、それをマネジメントもしくは橋渡しできる人材が必要だなと感じています。これらは別々のようで、一部重なっていたり、内包していたり、1つのシステムだったりします。また大学の組織や文脈になっても、これらについてどのように捉えるかが変わりますので、その機関の文脈や組織文化に通じている必要があるかと思います。
さて、内部質保証を構築・推進する上で自己点検・評価やPDCAサイクルがセットとなっています。PDCAサイクルの問題提起はこれらの本が参考になるかと思います。

- 作者: 藤本夕衣,古川雄嗣,渡邉浩一,井上義和,児島功和,坂本尚志,佐藤真一郎,杉本舞,高野秀晴,二宮祐,藤田尚志,堀川宏,宮野公樹
- 出版社/メーカー: ナカニシヤ出版
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- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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PDCAサイクル、3つの誤読―サイクル過程でないコミュニケーション過程による評価活動の提案に向けて (シリーズ「大学評価を考える」)
- 作者: シリーズ「大学評価を考える」第4巻編集委員会
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さて、自己点検・評価を行っていく上で、最近感じる疑念は「自己点検・評価」ではなく、「自己点検・検査」、「自己点検してからの集中砲火や吊るし上げ」という事が起こっていないかという事です。自己点検してからさて評価しようとすると、外から検査される、揚げ足取りされてチクチク言われる、詰められる、何故出来ていないのかと責められるといった事が起こっていないでしょうか。例えば1つの指標が達成が出来ていないと、内部質保証が出来なかったと言われる事があるかもしれません。
しかし、そもそも内部質保証が出来ているとは何を指すのでしょうか。アウトプットであるのか、アウトカムであるのか、常に方針に沿って改善を行うプロセスなのか、内部質保証を進める組織や体制構築なのかといった事を組織で議論しないといけないと思っています。出来なかったら、出来なかった理由が現場かそもそも方針やプランの立て方に無理があったのかもしれません。そして、自己点検をきちんと行い、悪いことを正直に言う組織が馬鹿を見る内部質保証になってはいけないと感じています。
<内部質保証を考える上で参考になる書籍・書類>
教育の内部質保証に関するガイドライン(平成29年3月31日)大学改革支援・学位授与機構・質保証システムの現状と将来像に関する研究会
http://www.niad.ac.jp/n_shuppan/project/__icsFiles/afieldfile/2017/06/08/guideline.pdf

内部質保証システムと認証評価の新段階 ─大学基準協会「内部質保証ハンドブック」を読み解く
- 作者: 早田幸政、工藤潤(編著)
- 出版社/メーカー: エイデル研究所
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