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平成30年度私学助成予算(案)~概算要求からの相違点メモ~

平成30年1月16日に文部科学省のホームページで、平成30年度の予算の資料が掲載されました。ここでは、平成29年8月に出された概算要求と比較してどうなったかをメモしていきます。

平成30年度概算要求 私学助成関係の説明(平成29年8月)

http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2017/08/30/1394955_2.pdf

平成30年度 私学助成関係予算(案)の説明(平成30年1月)

http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2018/01/16/1400425_2.pdf

まずは大きく概要のみを8月と1月で比較しましょう。

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一覧を見ると、設備関連の耐震化は減っていますね。あと「私立大学等教育研究活性化設備整備事業」の記載が1月にはなくなり、そのぶんは「私立大学等教育研究装置・設備」になったと思われます。また私学助成改革推進委託事業の記載がなくなりました。これは「私学助成を通じた私立学校への効率的・効果的な支援等を行うため、経営強化に向けた連携方策や私学助成の効果に係る分析、各都道府県が実施している私学助成の実態等について調査研究を実施するとともに、私立大学等改革フォーラムを開催し、好事例の展開、政策の定着を図る」を対応とした「私学助成改革推進委託事業」の記載が1月にはありませんでした。私立大学改革の調査やフォーラムに関する費用でしたが、先日、友人をこの件について、「なくなるのでは」と話をしておりましたが案の定ですね。

 

 それでは各事業について、金額以外のいくつか気になった変更について見ていきます。また今回は大学に関するものだけを記載します。

○私立大学等改革総合支援事業

・特別補助交付額が明記されました。

「タイプ1~4及びタイプ5(スタートアップ型)は1校当たり1,000万円程度、タイプ5(発展型)は2,000万円程度を想定(各選定校数等により変動)」

・タイプ5について追記

「自治体が私立大学等への支援が充実できるよう、自治体が私立大学等と協定を締結・連携して実施する雇用創出・若者定着に係る取組に対し、特別交付税措置(予定)」が追記

・選定校(グループ)数の変更

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・「活性化設備費、施設・装置費を一体的に支援」の記載がなくなる

 

○私立大学研究ブランディング事業

・「施設費・装置費・設備費と経常費を一体的に支援」が記載されず。

・新規選定が「50~60校程度」が「50校程度」と記載。

 

○私立大学等経営強化集中支援事業

・支援対象校が、「最大100校程度」から「40~50校程度」と記載。

・タイプA(経営強化型)とタイプB(経営改善型)の記載がなくなる。

・イメージ図に「事業委員会・私学事業団」が追記。

 

○私立大学等の学生の経済的負担軽減

・対象者人数が当初は7.3万人から7.1万人へ。

・授業料減免の配分方法の変更

 

私学助成は、私立大学等改革総合支援事業の採択校の減少や設備関係がだいぶ厳しくなりました。でも、こういうのを見ていると私学において、補助金と政策縛りはいつまで有効なのでしょうか。一定を下回ると、補助金なくても経営できるのではと思う大学もあるかと思うのですけど。