私が学生の頃は、大学が行う調査は授業アンケートが学生生活調査でした。近年は、学修行動調査をはじめ、調査が増えております(学生に対する調査も増えていれば、学外から大学に対しての調査が増えていると思うのは気のせいでしょうか?)
さて、毎年あるいは数年おきに実施している調査は、刻々と変化する実態がある場合は経年変化という事も鑑みながら、調査そのものや質問を一部変える・見直すという事が考えられます。
この「見直す」という作業において、たまに違和感を感じる事があります。それは、「見直す」事の目的が、「良い分析が出来ないから、良い分析が出来るようにしたい」というものです。自分の中で引っかかる点として、いくつか挙げると以下のようなものです。
・良い分析とは何か?(結果が綺麗に出る分析なのか?)
・どのような分析か(記述統計?推計統計?)
・良い分析は何に基づくものなのか?(担当者の主観?体感?経験?リサーチクエッ
ション?何らかのモデル?)
・その分析は、分析者の自己満足や知識欲や承認欲を満たすだけではないか?
・ その調査は、分析ありきの調査なのか?(点検評価の組織レベル(マクロ~
ミクロ)に応じて、実は集計レベルでいいパターンもあるのではないか?)
・本当に、組織として必要なのか?
調査の設問を見直す場合、当時どうしてその設問にしたのかを深堀していく必要があると思っています。分析ありき論ではなく、調査そのものについてどうするかを検討するのであって、IRが調査そのもの検討に関わるかは、各大学がそれぞれIRに何を求めているかによるでしょう。IRは、大学内のデータについて把握し、理解している事は必要だと思います。ただ、分析について、現場や大学としての方向性もなく、分析することのみで調査を見直すのは、どうなのだろうと感じます。(むろん、的確な指摘はあるでしょう。)
最後に、分析手法も含め、データや情報に関する全てをIRが管轄や統制しようとする危うさというのが実はあるのではないだろうかと思っています。