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IRと大学職員⑰そのIR業務は何の為?

 IR部署の人だけではなく、総務、教学や企画系などのどの部署でも、データや情報の提供及び分析、各種調査対応といった仕事があるかと思います。(今回の話とはずれますが、特に調査対応は、国からだけではなく、各企業や研究関連もあり、対応している部署には頭が下がります。大学のHPやポートレートを見て、分からない所だけ質問してはどうかと思いますが、そうはいかんのでしょうね)

 

 さて、IRをやっていく上で、「これはどうなのかな?」と思うことがあります。それは「データや情報の業務のみを専門的にやっていく事」です。(特にIR担当が1名しかいない大学を想定)むろん、クライアントからのオーダーであれば、詳細であったり、難しい分析が出来たほうがいいのですが、ここで言う意味は、次のようなことです。

・データや情報の持つ背景が分かっていない(理解していない)。

・その集計や分析依頼の意図や背景が分かっていない・聞いていない。

・背景や意図が分からないので、無駄な作業が発生している(もしくはどこまでやればいいかや何を求められているかが指示されていない)。

 

つまり、「データや情報のみを向き合い、その背景や周辺にあるものへ目を向けていないとか、理解しようとしていない姿勢」でしょうか。

 

 1つ事例を挙げてみましょう。私立大学の多くでは、私立大学等改革総合支援事業のタイプ1に採択されるために、IR室の立ち上げやIRを担当する職員を置きました。加えて、近年では高大接続の観点から、入試区分とGPAの分析を行っている大学も多くあると思います。

 

 この入試区分とGPAとの関係の分析は、「意味がない!」とか言われたり、入試方法の評価をやるためといっても要領を得なかったり(他に方法もあるのではないでしょうか)します。もしくは大学によっては、私立大学等改革総合支援事業の点数を取りたいから、証拠のためにやったという事もあるかと思います。IRを担当するものとしては、大学がどのレベルまでを考えているかは、把握し理解しておかないといけないなと思っています。

 

 その為には、必要なものはコミュニケーションや、データや情報に関する事以外の学びでもある訳です。(私自身の体験としては、IRはデータや情報との対話は50%、クライアントとのコミュニケーションや関連領域の学びが50%ぐらいかなと思っています。また先日九州大学で開催されたIR/IEセミナーでも話が出ましたが、IRはチームとして機能を担保してはと話があり、私もそう考えています。例えばIR室長が調整や提案などを行い、部下の仕事のエフォートはデータ集計分析業務を高くするなどといった事が考えられます。)

 

 

 このブログでも何回も書いている気がしますが、IRはクライアントあってこそであり、自己の興味に基づくデータ収集や分析は、業務ではないと考えています。その為には、IRを担う誰かが学内外の情勢やら、依頼事項の背景や意図に目を配らないといけないなと思っております。

 

 

 ○IRを担当する大学職員や関係者のオンラインコミュニティを発足させました。

コミュニティ内では、他大学の事例の共有や疑問点の解消、担当者が参考になった書籍の紹介といったコンテンツが現在はあります。

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