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IRと大学職員⑭何も知らずにIR担当部署に異動した時に

異動シーズンはもう終わったと思うのですが、例えば自分がIRとは何も知らずにIR担当者になった時に何をすればいいか分からない!とならない為にはどうしたらいいのだろうと思うと、知識とネットワークなのかなと思います。

そこでIR初心者の立場に自分がなった際に何をするかをメモしてみます。この記事のキーワードとしては、大学・IR・初心者・何も分からない・職員といったものになります。

 

①IRとは何かを知る。

ⅰ・IRに関する本を読んでみる。

 分かりやすいおすすめの本としては、次ですね。

大学のIR Q&A (高等教育シリーズ)

大学のIR Q&A (高等教育シリーズ)

 
大学のIR:意思決定支援のための情報収集と分析

大学のIR:意思決定支援のための情報収集と分析

 
大学IRスタンダード指標集 ―教育質保証から財務まで― (高等教育シリーズ)

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  • 作者: 関東地区IR研究会,松田岳士,森雅生,相生芳晴,姉川恭子
  • 出版社/メーカー: 玉川大学出版部
  • 発売日: 2017/03/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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IR実践ハンドブック 大学の意思決定支援 (高等教育シリーズ)

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  • 作者: リチャード・D・ハワード,大学評価・学位授与機構IR研究会
  • 出版社/メーカー: 玉川大学出版部
  • 発売日: 2012/03/19
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 ⅱ・データ分析に関する本を読む 

一度過去記事にまとめたので、それを参考。

ビジネス向けの統計解析本も分かりやすいのですが、調査関連の本も読んでおくといいと思います。

as-daigaku23.hateblo.jp

 ⅲ・ネットで見られる情報、例えば事例報告などを読む

まずはウェブで読めるカレッジマネジメントやBetweenの過去のIRや関連領域の特集を見てみましょう。

souken.shingakunet.com

Between情報サイト

また大学評価コンソーシアムの情報誌にも参考になる投稿がたくさんあります。

大学評価コンソーシアム

ⅳ・情報を検索してみる

大学で働いているので、論文検索や有料データベースも活用しましょう。

例えば論文検索では次などがあります。

CiNii Articles - 日本の論文をさがす - 国立情報学研究所

https://scholar.google.co.jp/

検索する際も、「IR」だけではなく、「Institutional Research」やカタカナ表記などいくつか試してみます。データベースについては、各所属機関の図書館に聞いて下さい。

 

②IRに関するセミナーや勉強会に参加してみる

そもそも何処で情報を得ればいいのか。次のあたりを押さえておけばいいのではと思います。どこもメールやSNSで情報発信をしています。特にASAGAOは配信数は多いですが、様々なセミナーや勉強会の情報が流れてきます。

ASAGAO kyoto-u メーリングリスト

広島大学高等教育研究開発センター

東北大学 高度教養教育・学生支援機構

 

名古屋大学 高等教育研究センター

 

③IRのネットワークを作る

最後は人です。私は、人見知りなのでセミナーなど聞くだけのものは、積極的に名刺を配ってネットワーク構築に勤しむ事はしないのですが(そういうネットワークは名刺だけ手元にあっても、意味のないものが多いのですよね)、ワークショップなどで一緒の班になった場合は、その後も色々情報交換などが続く事が多いです。

既に紹介したものも再掲しますが次があります。(なお、職員が参加しやすいと思われるものをピックアップしてます)

大学評価コンソーシアム

SPOD – 四国地区大学教職員能力開発ネットワーク

 またツイッターでも、IR関連で活躍している人のアカウントがいくつかあります。(そういえば、私のIR関連のネットワークの半分ぐらいが、ツイッターかブログがきっかけです)

 大学という組織は、他大学にも聞くと色々教えてくれますが、「クレクレ君」は辞めましょう。聞いたら、何かの機会にお礼はする事は必要です。(お礼は別にお礼状とかお菓子とかではなく、知識や情報でも良いのではと思います。自分は同年代の10人ぐらいのIRや関連する人達と様々な情報や知識を毎週やりとりしています)

 またIRは常にデータや情報と向き合う仕事ではなく、人と向き合う仕事だと思います。学外だけではなく、学内の組織や人ともきちんと向き合う事は必要です。

 

④IRという文言に囚われない

大学がIRに期待している事や方針が明確化していればいいのですが、そうでなくともIRという言葉だけではなく、自学のIRを俯瞰し、関連領域も調べてみましょう。例えば、データ分析・インフォグラフィック・経営・財務・評価・アカウンタビリティ・アセスメント・質保証・情報公開・学修行動調査・データサイエンス・テキストマイニングなどいくらでもあります。

 

最後に、私はIRという業務は、データや情報を用いて大学を俯瞰し、コミュニケーションを取ることだと思っています。中には、データを使って、「分析!さらに難しい分析!」なるケースも聞きますが、そういう場合はそもそもIRとは何かを再度見直す必要があるのではないでしょうか(研究ではないのに、使えないデータ分析をするのは業務や仕事ではないのではと思います)