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IRと大学職員⑨その大学のIRは何を目指すのか

 IRに関する研究会に参加していると、どのようにIRを活用するかといった議論がよく出てきます。本ブログではこの点について、IR担当者と大学執行部では活用の捉え方は違う事や、IRを活用するのではなく、データや情報をどう活用するかと検討する必要があるとしてきました。

 また〇〇型IRとつけることで①IR室の機能の制限、②IR室がアクセスできる情報への制限などが出てくる恐れがあると提起した事もあります。

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 大学のIRは、例えば教学IR、EMIR、経営IR、財務IR、一元化IR、分散化IRなど、IRの前に様々な語句がつく場合が今も多くあります。確かに類型化する事で、その大学や取り組みがどのような位置づけなのかは分かりやすいという利点も否定はできません。そして〇〇型IRの取組事例もよく目にします。

 ただここで感じるのは、〇〇は機能や目的なのか、組織形態なのかという事です。

例えば

機能面や目的例として(もしくは考えられるものとして)次のようなものがあります。

〇GPAを使った分析事例を中心とした教学IR

〇中退目的等を目的としたEMIR

〇入学時の学力調査や学修行動調査、GPAを基に学生を類型化し、適切な支援を行う学生支援IR

〇経営、特に運営管理を目的としたIR

〇研究に関する分析(論文の引用数)を目的とした研究IR

〇財務分析を行うIR

 

そして組織面として、こんなものが考えられます。

〇一元化IR(例えば評価室、IR室、高等教育センターやFDセンターが担当)

〇分散IR(各部局や部署がそれぞれIR業務を行う)

〇コンソーシアム型IR(大学IRコンソーシアムに加わり、共同の調査を行う)

 

この〇〇IRは、その事例を一言で表すには良いかと思いますが、個人としては機能と組織をきちんと示すべきではないのかと考えています。例えば「教学分散型IRや、一元化学生支援型IR」などと表してもいいのではないでしょうか。このへんは先行研究の蓄積と分類が必要ですね。