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平成28年度私立大学等改革総合支援事業タイプ①の昨年度からの主な変更点Ⅱ

平成28年度の私立大学等改革総合支援事業の平成27年度からの主な変更点をまとめた第二弾です。第一弾は下のリンクからご覧ください。 

www.daigaku23.com

 

 

3.多様な取組に関する評価

⑮学修成果の把握

新:学生本人が、自らの課程を通じた学修成果を把握するために、アセスメントテスト・学修行動調査・ルーブリック・学修ポートフォリオ等をいずれかで行っているか

旧:課程を通じた学生の学修成果の把握

 今年度は把握する主体が変わったように読み取れます。例えば学修行動調査を実施しても、報告書の公表だけではなく、例えば1年次と3年次に調査を実施した場合は学生個人に経年変化も記載した帳票を渡すなどが考えられます。アセスメントテストも結果を学生個人に返却することが前提ですね。一番いいのは、学修ポートフォリオでしょうか。そもそも学生が個々でポートフォリオに入れていきますので、本人が学修成果を把握できていると言えるでしょう。

 

⑱大学ポートレート

新:学内の委員会等において、大学ポートレートで発信している情報の内容や種類に関わる検討・見直しを実施しているか

旧:大学ポートレートに参加しているか

 大学ポートレートに大学の情報が記載されていればよかったのが、組織として大学ポートレートに関与しているか、そして内容を検討しているかが問われています。大学関係者では、大きい大学ほど、大学ポートレートの内容が自学HPのリンクだけといった事がよく見られるよねと話をしますが、そういう事もあっての変更かもしれません。(そもそも大規模大学は、私立大学等改革総合支援事業には申請をしにくいのですが)

 

4.高大接続

⑲アドミッション・ポリシー(以下「AP」)

新:APを示しているか

3つのポリシーのガイドラインを参照することとありますので、何を記載するかはそちらを確認ください。

 

⑳入学者選抜について

新:APに基づき、一般入試で学力検査以外に小論文・面接・プレゼン等々で学力の3要素を多面的・総合的に評価しているか

  一般入試で記述式問題を出題するか

  AO入試で基礎学力の把握(独自の検査、評定平均値など)

 気になるのは記述式問題でしょうか。記述式も単語を応えさせるのではなく、センテンスを書かせるものと聞いており、要件としては思考プロセスが自覚的なものとなり論理的な思考力・表現力の発揮が期待できる問題や思考力や表現力の発揮が期待できる問題という事です。

 

㉑アドミッションオフィス

新:アドミッションオフィスの整備

旧:アドミッションオフィスの整備・強化

 既にアドミッションオフィスを整備していた大学は強化とは何かで昨年度は苦慮されたことかと思います。このように整備だけになったのは分かりやすくなりました。(そもそも強化とは、人員なのか、質なのか、基準が曖昧だったためです)

 

㉒H29入試で多様な背景を持つ受験者を受け入れるための定員枠を設けているか

新:上記の通り

 

今年度のタイプ1は、高大接続に関する設問の新設があり、得点も昨年度より多く配点されています。今回は気になる箇所のみの記載ですので、Q&Aも含め、読み込んだほうがいいかと思います。

高大接続については、入試は平成29年度でも既に決まっていることがおおく、多くの大学は対応に苦慮しそうですね。

 

タイプ1の選定ラインですが平成26年度は78点/100点、平成27年度は88点/106点でした。今年は質問項目の見直しや得点配分が変わったのがありますが、個人の予測では86点/102点あたりではなかろうに考えています。