9月6日(日)に関西大学で開催された大学行政管理学会(以下、「学会」)の第19回定期総会・研究集会に参加してきました。(正しくは5日の夜には現地入りをして、色んな方と情報交換しておりました)
<参考>大学行政管理学会 第19回定期総会・研究集会
私は学会の会員ではありませんので、気が向いた時に参加しております。今回は友人が登壇者である事やいくつか気になる発表があったので、2日目のみ参加しております。
学会総会2日目の午前中は分科会が開催され、分科会1「学外での SD に意味はあるのか?-最もコストの高い「大学院進学」を話題に-」に参加しております。(議論等はTwitterのハッシュタグ「#juam2015」で検索いただくと多少なりとも議論が追えるかと思います。)会場から質問もかなりあったようで、司会が会場を巻き込みながら議論は興味深いものでした。
さて、今回はこの分科会の議論を受け、私自身の状況や環境から少し考えた事をメモしてみました。
大学院進学はSD(スタッフディベロップメント)なのだろうか?
SDの定義は様々ですが「職員の資質向上」と今回は定義します。この定義であれば、大学院進学はSDと言っても差し支えないように思います。
また以前、こんな記事を書いた事があります。
記事の図を再掲します。
人材育成として、SD(スタッフディベロップメント)⇒SD(セルフディベロップメント)⇒PD(プロフェッショナルディベロップメント)の紹介でした。この図を見て、大学院がどこにあたるかを考えてみましたが、大学院の学位授与方針によって異なるのでしょう。また大学や高等教育政策そのものの大学院や、MBAやその他の領域の大学院か、該当者がどの段階にあるのかによってもSD・SD・PDのどこになるかは異なるでしょう。
大学院進学の主体
SDは組織が責任を持って行う事が必要と考えています。そこで主体といった観点から次のような図を作ってみました。
SD(スタッフディベロップメント)は、SD(セルフディベロップメント)・PDを包む概念としていますが、主体と言う観点ですので、分けて記載しています。この図に大学院がどこにあたるかを赤枠で囲ったのが次の通りです。
今回、6箇所だけですがいくつか文章化してみると次のような事が思い浮かびます(大学院進学されている方々に聞いた例も参考にしております)
①SD制度の一環であり、組織が責任を持って大学院進学に関与(協力)する
②個人が主体となり、業務として大学院進学を行う(ほとんどないケースではあるでしょう)
③セルフディベロップメントの一環であるが、組織が学費等の支援や業務の調整等を図ることができる
④セルフディベロップメントの一環であるが、院進学等への理解を図り多少の便宜がある。
⑤組織として院進学を勧めるが、業務・学費等の支援は一切無し。プライベートの時間を使って進学するように言われる。
⑥個々が大学職員としてやファカルティディベロッパーなどの専門性を高める為に進学する。
まだまだあるでしょうが、私が思うのは組織が主体(特にSDとする)となるのであれば大学院進学に関し何らかの便宜が必要でしょう。逆に個人主体であれば、登壇者からの「プライベートの時間を使う事と組織の関与」についての発言は賛成です。(プライベートを大学院に行くから関与するのは可笑しい話ですよね)
ただ思うのは、大学院に行く=学位を取ることがゴールではなくて、大学院は自身のキャリア及びライフプランの中では過程でしかないのですよね。また学び・知見も使う所がないという受身ではなく、どのように活かせるかを考える事が必要なのではと思いいます(自戒をこめて)