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大学職員の人材育成~SDとOD、短長期の視点から~

以前、SD(スタッフ・ディベロップメント)とPD(プロフェッショナル・ディベロップメント)について本ブログで紹介をさせていただきました。

組織のSDだけではなく、個々のPD(Professional Development)へ - 大学アドミニストレーターを目指す大学職員のブログ

 

また先日のSPODの報告では、追手門学院大学の米澤先生の発表を一部紹介させていただきました。

○部下・若手職員の育成(追手門学院大学 米澤先生)

・能力開発の3類型(SD、OJT、OFFーJT、(SDはスタッフではなく、セルフ)

・行動を最終的に変えるのは、組織や上司でもなく自分自身である。

・セルフディベロップメントは、若手・中堅・管理職によって、能力開発に必要な割合が異なる。中堅・管理職ほどSDが必要。

 

そこで、大学職員の人材育成の視点から、SD(スタッフ、もしくはセルフディベロップメント)とPD(プロフェッショナルディベロップメント)について、自分なりにまとめました。

SDのスタッフとは

まずSD(スタッフ)ですが、SDは大学職員の職能開発や能力を高めるなどと一般的に解釈されているのではないかと思います。

 

例えば、中教審大学分科会の組織運営部会の審議まとめでは、SDについて下記のように記載されています。

URAやアドミッション・オフィサー,カリキュラム・コー
ディネーターをはじめとする,高度の専門性を有する職種や,事務職員等の経営参画能力を向上させるため,大学が組織的な研修・研究(スタッフ・ディベロップメント(SD))を実施することも重要

これを見ると、SDは非常に幅広い概念ではないかと思います。

そして、SD(スタッフ)とSD(セルフ)、そしてPDについて、以下の図のようにまとめてみました。

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SD(スタッフ)とSD(セルフ)とPDですが、まったく別々のものではなく、関連性や包括性があると考えます。特にSD(スタッフ)は包括的な概念かと思いますので、SD(セルフ)やPDも含む概念として大きな枠組みとしています。

その中にSD(セルフ)やPDがあるわけです。また一つの研修でもSD(セルフ)だけではなくPDの側面もあるものもあるかと思います。そこで分かりやすいように、知識・スキルなども中に記載してみました。

まず次の3つを挙げました。

  • ①社会人として必要な知識・能力等
  • ②大学職員として必要な知識・能力等
  • ③専門性の3つ

これらはどう配分するかにもよって、SD等の目的も変わるかと思います。

また下に「若手や中堅、管理職」と書いていますが、職員の経験年数や職位によって必要なSDやPDの割合が変わると考えます。若手は社会人としてのスキル習得の割合が大きいですが、管理職ぐらいの職員であれば、PDやSD(セルフ)の割合を多くして、職員としての専門性を高める必要があります。

 

SD(セルフ)やPDの検討の必要性

さてSD(セルフ)やPDについては、組織としてどのように手当てをするかを検討する必要があるかと考えています。自己投資も必要ですが、例えば申請を出せば費用を一部負担するなどの制度、そしてその制度の積極的な活用の推進などを検討する必要があるかと思います。

 

「あの若手職員(写真)は○○の研修に行ったのに、まったく使えない!」

これ、大学業界に関わらず耳にする言葉かもしれません。

 

そこで今回は外部の研修にスポットをあてて、SDをどのように考え(捉え)たらいいのかを考えてみたいと思います。

 

まず外部の研修といっても、大学関係やビジネス研修でも、様々な種類のものが開催されています。

(参考)

SDの外部リソース~セミナー等について)(今後更新予定) - 大学アドミニストレーターを目指す大学職員のブログ

例えば大学職員全般の基礎知識から問題解決を行うものから教務・広報・学生支援・総務など分野も行われているかと思います。 (例えば大学職業指導研究会)

 

さて、外部に職員を研修に行かせる目的として、例えば下記が考えられます。

  • ①研修により、現場ですぐ身につけられる技能や知識を身につけて欲しい
  • ②学外のネットワークの構築をしてほしい
  • ③職員(または社会人)として必要な知識・能力等を身につけてほしい
  • ④組織力を上げるための人材育成として

 

ただ一つ思うのは、大学としてSDに行かせる目的と、管理職のSDの期待度は必ずしも一致しているのかという事が挙げられます。

もしかしたら管理職は部下がSDに行くことでこのような事を期待しているかもしれません。

①学外のネットワークで、分からない事は聞けるようにしてほしい

②研修で学んだ事をすぐに業務に活かしてほしい

③そもそも管理職が使えると捉えるレベル(基準)は、非常にハードルが高い、もし くは管理職自身ができない事を求めている。

③はSDへの期待とはちょっと違いますが、人材育成という観点ではなく、現場で役に立つかどうかへの期待の割合が大きいのではないかと思っております。

 

まとめるとこんな感じになるでしょうか

○大学が職員へSDに行かせることの期待

現場での活用≦人材育成

○現場での職員にSDへ行かせることの期待

現場での活用≧人材育成

 

おそらく、このあたりの不一致が冒頭の言葉に関与するのではないかと考えます。

 

そもそもSDは、非常に幅広い言葉ですので、人材育成もあれば、現場ですぐ役立つスキル(例えばPCスキル)習得も含みます。私個人としては、SDに行ったから、職務や人材育成に役立つかといえばそうではないと思います。

参加後にきちんと振り返りを行い、自分(大学)ならどうするかを噛み砕きつつ考えながら、実践する(もしくは実践できる場を与える)事が非常に重要ではないかと思います。

 

最後に、例えばAという仕事を、そのままAとして出力するのではなく、背景や問題点を踏まえながらA´にしていく事が専任職員の役割でもあると思います。(A⇒Aをやるのであれば、専任職員でなくともいいわけです。そしてこれができない職員は今後淘汰されていくのではとも考えております)

 

まあ最後に思うのは、職員がSDに自ら取り組むのは、学生や組織の為や自分自身のキャリア等の為など、様々な要因があるかと思います。

その割合は人によって異なるかと思いますので、例えば自分自身の為という理由が大半の人がいてもいいかと思います。

ただ何故か大学業界は、自己の為というと職員間であまり良くないイメージを持たれてしまうのは残念な事です。(教員からは勉強結果等をアウトプットすると、共感いただいて、応援していただけるケースが多いと経験から思います)