先日行われた教育ITソリューションexpoに参加してきました。(ここ数年は欠かさず行っています)
お付き合いのあるいくつもの業者さんから招待状をいただき、途中から廃棄するしかなくなってしまうのとも毎年のこと(・・・もったいない)
さて今年行われた出展ブースを一通り見てまわって、単純に思ったのは、「タブレット」と「電子黒板」が非常に多い!
もちろんITソリューションですので、当然なのですが、数年前はアクティブラーニングに使えますよという新製品が多少はあったはずなのですが、今年はこの2点に関するものが非常に多い。(例えば、管財や施設関連のブースは減った気がします)
さて、たくさんのタブレットを利用しての教育についてのブースを見ていて思うのですが、確かにタブレットを用いた教育というのは先進的なイメージがあり、教育効果も高そうな感じです。e-ラーニングや、ポートフォリオの運用も手軽に出来そうです。大学教育のIT化ということで先進的な感じもします。とまあ、学生や世間からは良いイメージが強いかもしれません。
既に青山学院大学のある学部をはじめ、いくつもの大学が取組まれていますね。
iPhone/iPadで変わる大学教育:寝る前でも気軽に復習、電子カルテで学習の状況を分析《ニューストレンド》
しかし、その予算はどこからでるのだろう。もちろん学生の学費からですので、ただ単にタブレット購入だけでは、あまり意味がありません。きちんと使用方法や教育内容、効果について検証や測定が必要です。(費用対効果があるのかは、このご時勢厳しく求められると思います)中には補助金を使えばいいという声もありますが、今日締切の「大学教育再生加速プログラム」の補助金をはじめ、タブレットを補助金で買って学生個人へ渡すなどという使用はできません。
タブレットでどこまできるかという課題もあります。何かを見たり、システムにアクセスしたり、PDFにメモを書くぐらいは便利かと思いますが、レポート作成には、キーボードなどとあわせないと、やりにくいです。
iPad、大学での利用には力不足? - Computerworldニュース:Computerworld
(あと(本学の話ですが)学内の調査などを見ると、実は学生のPC所有率はあまり高くないのではないかと推測しています。まずはタブレットの前にPCではないかと。)
またインフラの整備の問題もあります。特に無線LAN環境や充電スペースの確保などが必要でしょう。
最後に、人の問題です。IT化は便利になりますが、運用までのコストや運用後は、誰がどのようにサポートするかも課題となります。またタブレットや電子黒板を活用できる教員やそれをサポートする職員の育成も不可欠です。
ただ単にIT化といっても、大規模な事業になることが多く、「人、金、物」と総合的にまとめられ、調整力や問題解決力が必要になります。そういう事ができるようになるのが、今後職員として求められることではないかと考えています。
最後に、教育ITソリューションexpoは、物見遊山ではなく、様々な紹介ブースを見て、本学ではどのようにできるか、そしてそれをやったらどのような効果があるかを考える場所だと思っています。実は教員とペアで行き、話をしながらブースを見てまわるのは、良いのではないでしょうか。