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大学職員として押さえておくべき大学設置基準②~第2条「目的、入学者選抜、教職連携・協働」~

 大学設置基準シリーズの第2弾です。今回は大学設置基準第2条を取り上げていきます。では、第2条には何を書いてあるかを確認してから、関連法令や通知なども見ていきましょう。(以下大学設置基準第2条)

(教育研究上の目的)

第二条 大学は、学部、学科又は課程ごとに、人材の養成に関する目的その他の教育研究上の目的を学則等に定めるものとする。

(入学者選抜)

第二条の二 入学者の選抜は、公正かつ妥当な方法により、適切な体制を整えて行うものとする。

(教員と事務職員等の連携及び協働)

第二条の三 大学は、当該大学の教育研究活動等の組織的かつ効果的な運営を図るため、当該大学の教員と事務職員等との適切な役割分担の下で、これらの者の間の連携体制を確保し、これらの者の協働によりその職務が行われるよう留意するものとする。

第ニ条について

  さて第2条の最初は、所謂学位プログラムごとに教育研究上の目的を学則にきちんと定めないといけない内容です。ここでは①学則②学位プログラムごとの教育研究上の目的について取り上げたいと思います。

 ①学則についてですが、関連の法令として学校教育法施行規則第2条及び第4条を見てみましょう。

第二条 私立の学校の設置者は、その設置する大学又は高等専門学校について次に掲げる事由があるときは、その旨を文部科学大臣に届け出なければならない。
一 目的、名称、位置又は学則(収容定員に係るものを除く。)を変更しようとするとき。
二 分校を設置し、又は廃止しようとするとき。
三 大学の学部、大学院の研究科、短期大学の学科その他の組織の位置を、我が国から外国に、外国から我が国に、又は一の外国から他の外国に変更するとき。
四 大学における通信教育に関する規程を変更しようとするとき。
五 経費の見積り及び維持方法を変更しようとするとき。
六 校地、校舎その他直接教育の用に供する土地及び建物に関する権利を取得し、若しくは処分しようとするとき、又は用途の変更、改築等によりこれらの土地及び建物の現状に重要な変更を加えようとするとき。


第四条 前条の学則中には、少くとも、次の事項を記載しなければならない。
一 修業年限、学年、学期及び授業を行わない日(以下「休業日」という。)に関する事項
二 部科及び課程の組織に関する事項
三 教育課程及び授業日時数に関する事項
四 学習の評価及び課程修了の認定に関する事項
五 収容定員及び職員組織に関する事項
六 入学、退学、転学、休学及び卒業に関する事項
七 授業料、入学料その他の費用徴収に関する事項
八 賞罰に関する事項

  これらから、学則は文部科学省に届出をしなければならないものであり、その記載すべき項目は学生が教育を受ける上に関する重要な項目を入れなければならないと学校教育法施行規則第4条に定められています。なお学則の変更は、その内容によって文部科学省への届出時期は異なります。学部学科の改変とかでなければ、学則を変更としようとする時ですので、おそらく3月に学則変更届を出すのではと推察されます。なお、学則の変更の際の届出の詳細は下記の通知をご覧ください。

私立大学等の学長決定及び公私立大学等の学則変更等の届出等について(通知) :文部科学省

 学則はその大学の最高規程と言い換えてもいいかもしれません。学則はその大学の中で一番上にあり、そこに色んな規程がぶら下がっているというイメージしたほうが良いと思います。規程は学則と矛盾してはいけませんし、学則を否定するような内容であっては原則としてあってはなりません。また規程と同じ感覚で安易に変更はしてはならないものだと思っています。また大学職員になって(入職して)、所属機関の学則に必ず目を通しておきましょう。

 

 続いて②学位プログラムごとの教育研究上の目的です。ここの条項はもともとは情報の公表に定められていおりましたが、情報の公表に関する内容は学校教育法施行規則になりました。その関連の通知は下記のリンクから見て下さい。 

学校教育法施行規則等の一部を改正する省令の施行について(通知):文部科学省

 さて本内容の理解を深める上で、関連する学校教育法施行規則を見てみましょう。

第百六十五条の二 大学は、当該大学、学部又は学科若しくは課程(大学院にあつては、当該大学院、研究科又は専攻)ごとに、その教育上の目的を踏まえて、次に掲げる方針(大学院にあつては、第三号に掲げるものに限る。)を定めるものとする。
一 卒業の認定に関する方針
二 教育課程の編成及び実施に関する方針
三 入学者の受入れに関する方針

 

第百七十二条の二 大学は、次に掲げる教育研究活動等の状況についての情報を公表するものとする。
一 大学の教育研究上の目的及び第百六十五条の二第一項の規定により定める方針に関すること
二 教育研究上の基本組織に関すること
三 教員組織、教員の数並びに各教員が有する学位及び業績に関すること
四 入学者の数、収容定員及び在学する学生の数、卒業又は修了した者の数並びに進学者数及び就職者数その他進学及び就職等の状況に関すること
五 授業科目、授業の方法及び内容並びに年間の授業の計画に関すること
六 学修の成果に係る評価及び卒業又は修了の認定に当たつての基準に関すること
七 校地、校舎等の施設及び設備その他の学生の教育研究環境に関すること
八 授業料、入学料その他の大学が徴収する費用に関すること
九 大学が行う学生の修学、進路選択及び心身の健康等に係る支援に関すること
2 大学は、前項各号に掲げる事項のほか、教育上の目的に応じ学生が修得すべき知識及び能力に関する情報を積極的に公表するよう努めるものとする。
3 第一項の規定による情報の公表は、適切な体制を整えた上で、刊行物への掲載、インターネットの利用その他広く周知を図ることができる方法によつて行うものとする。

  3つの方針、特にディプロマポリシーと教育研究上の目的とごちゃごちゃになる場合がありますが、第百六十五条の二を見ると教育研究上の目的から3つの方針があり、それぞれ別々のものであることが分かります。またこの教育研究上の目的は、学則に入れるとともに、大学として公開しなければならないものでもあります。

 

第ニ条のニについて

 この項では入学者選抜について述べられています。近年は入試がいろいろあるけど「入試を公正にやってね」と言えばそれまでなんですが。入学者選抜については高大接続改革に現在進行中であり、追手門学院大学をはじめとして様々な入試が実施されてもいます。

高大接続改革:文部科学省

また入学に関連する法令も載せておきます。

学校教育法

第九十条 大学に入学することのできる者は、高等学校若しくは中等教育学校を卒業した者若しくは通常の課程による十二年の学校教育を修了した者(通常の課程以外の課程によりこれに相当する学校教育を修了した者を含む。)又は文部科学大臣の定めるところにより、これと同等以上の学力がある*1と認められた者とする。
○2 前項の規定にかかわらず、次の各号に該当する大学は、文部科学大臣の定めるところにより、高等学校に文部科学大臣の定める年数以上在学した者(これに準ずる者として文部科学大臣が定める者を含む。)であつて、当該大学の定める分野において特に優れた資質を有すると認めるものを、当該大学に入学させることができる。
一 当該分野に関する教育研究が行われている大学院が置かれていること。
二 当該分野における特に優れた資質を有する者の育成を図るのにふさわしい教育研究上の実績及び指導体制を有すること。

あと入学者選抜は、文部科学省から入学者選抜実施要項が公表されています。各入試の注意事項等も記載されておりますので、入試と関係なくとも一度読むことをお薦めします。

入学者選抜実施要項:文部科学省

 

第ニ条の三について

 教職協働について、基準として定められた内容となります。近年は業務の高度化に伴い、職員が担う役割も作業屋や事務屋から積極的な役割を担い大学運営に関わることが求められており、それらを反映させた条文となっております。

<参考>関連通知

大学設置基準等の改正について(諮問):文部科学省

 この議論の経緯は、大学教育部会の第44回の資料1をご覧ください。

大学教育部会(第44回) 配付資料:文部科学省

 教職協働に対する論考や意見については、個人の感覚ですが、設置形態や所属する組織、その人のそれまでのキャリアや立場によって違うと思います。ただ私立大学等改革総合支援事業では「専門的な専任職員」について求めている例もあります。

  そもそも何もしないで「教職協働」と言うのは虚しいものだと思いますので、まずは大学業界で働く上での最低限の知識と、自身が得意とするものをきちんと持っておくことが最初だと思います。

  入職して数年ぐらいであれば次の本あたりでしょうか。

大学事務職員のための高等教育システム論―より良い大学経営専門職となるために

大学事務職員のための高等教育システム論―より良い大学経営専門職となるために

 
大学マネジメント論 (放送大学教材)

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*1:学校教育法施行規則第百五十条を参照