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平成30年度私立大学収容定員増申請とその影響(明治大学を例として)

 前回の記事の続きです。 

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  今回の申請で、目立ったのは明治大学が1,030人も定員増の申請をしてきた事があるかと思います。入学定員が1,030人というと中規模大学規模ですし、小規模中規模で働いている場合は、「そんなに増やすなよ」という感想を抱く人が多いと思います。

 とはいっても明治大学は定員超過率の抑制で厳しいのだろうなとも考えられます。

<参考 定員超過に関する過去記事> 

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 そこで、明治大学が公開している情報を基に、この入学定員が増える事はどうなのだろうと考えてみます。まずは明治大学の公開情報をもとに、平成27年と平成28年の入学定員と入学者数(4月入学で該当年度の5.1現在の数字)を出してみます。

www.meiji.jp

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※明治大学公開情報より筆者作成

 平成29年度は、来月に公開されますので、今回は平成27年と平成28年のみです。何故この2年を出したかと言うと、大学の定員超過抑制のため、私学助成不交付基準を厳格化するのが平成28年度からの為です。(本当は学部新設が不認可となる定員充足率もありますが、学部ごとに出したりとややこしくなるので今回は触れていません。

 

 しかし参考として大学全体の各年度5月1日時点の入学定員超過率は、平成26年1.10倍、平成25年1.09倍、平成24年1.02倍です。)平成27年から比較すると約500人も減っています。収入からすると単純計算で年間で5億以上は減収です。

 さて理解を進めるため、超過については次の記事をご覧ください。

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 上記の記事をご覧いただくと、補助金をもらうには大規模大学の明治大学は平成28年度の入学定員超過率を1.17倍以下にしないといけません。そして平成30年度には1.10倍以下とする必要があります。

 そこで今回の定員増の申請が全て通ったと仮定して、1.09倍の学生を入学した場合が次の表となります。

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 学生数は、8,458人となります。ここ平成27年度の明治大学の入学者と比較すると644人増となります。実質的な1,000人増ではなさそうですが、それでも、小規模大学ぐらいはすっぽりと入ってしまう増加分である事は変わらないようです。(今回、数値を見ていて感じるのは、そんなに無茶な入学者を受け入れていないなと感じます。)