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補助金申請書類作成における大学職員が押さえておくべきこと

先日こんなつぶやきをした。

 補助金の申請書(特に文章の箇所)は、教員が作成する大学もあれば職員も作成する大学もあるだろうと思います。そこで本記事では、職員が補助金申請書(特に物品や設備系の補助金)を初めて書く場合は何をすればいいかを経験を踏まえてまとめてみます。

①高等教育政策の理解と補助金の趣旨の理解

 まずはこれからだろう。高等教育政策の理解は、中教審の答申や、各種部会の報告書と言い換えてもよいです。この読み込み、そして背景や語句の理解が不可欠であって、語句の理解で分からない場合は、答申にある用語集や次の本(特に後半の用語集や資料)も参考になります。 基本的に補助金は高等教育政策に基づいて設定されているので、ここで主となるキーワードは押さえておく必要があります。

※2番目は絶版ですが、手に入るなら各部署に1冊は欲しい本です。

 

 2.所属機関の取組を広く情報収集し、分析する

 所属機関では今までにどのような取組をしていて、何が問題になっているのか。もしくは長所を伸ばすためには何が必要なのかを情報収集します。文書で残っている場合もあれば、教員や各部局へヒアリングする場合もあるでしょう。○○が欲しいとかやりたいだけではなく、今までの大学の取組と今後がどうなるかを見据える作業が必要です。(要は現時点だけの欲望を出さないという事ですね)

3.数量的な数値は何かあるかを検討する

 (個人的には)申請書を書く際に、大学の課題・長所は定性的なものだけではなく定量的なエビデンスも必要と考えています。まあ補助金申請によって、「この数字を補助金によって、ここまで伸ばします」と無理な目標を立てると自身の首を絞めることになりますので、無理は禁物です。各部局や学部学科で補助金申請に活用できる数字はないかを調べておきましょう(学生調査とか、学修行動調査とかは使いやすかと思います)

4.書類を書く際は、大学自慢を延々と書かない!

 これたまに聞くのですが、所属機関の取組の自慢話だけ書いて、肝心の補助事業の内容を記載するスペースが短くなり、内容が薄くなってしまう例です。押さえておくのは補助事業と関係あるものを記載するです。

5.外部の目線を入れる

 本人だけが分かった文章では意味がありません。何回も推敲して自信あるのは分かりますが、第3者が読んだ場合でも分かりやすい文章とするため、数人には見てもらいましょう。

6.補助事業の評価・成果をどうするかを考え、打診しておく

 最近の補助事業は、やって終わりではなく、成果はどうだったかが求められます。補助事業は申請以外にも、実施報告書が必要ですので、成果をどのように把握するのかは予め検討しておく必要があります(補助金申請書にも概要を記載する場合はあります)

7.他大学の事例を見る

 他大学に知り合いがいれば、昨年度の補助金の申請書を見せてもらいましょう。(おそらくこれが1番勉強になりますが、1・2はやっておかないと真似っ子で終わってしまいます)

8.補助金申請書作成要領を読み込む

 ざっとですが8点に整理してみました。いずれも基本的な事項ですが、ここから始めるのがいいのではと今までの経験から感じています。(中には業者に申請書のコンサルタントをお願いする例もあると聞くのですが、大学としての力が身につかないので、きちんと学内で申請書を作成できる人材養成が不可欠であると思います)