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参加録 大学教育改革フォーラム2016 基調講演「高大接続」について

愛知大学名古屋キャンパスで行われた大学教育改革フォーラム東海2016に参加してきました。

本ブログでは、大学入試センターの大塚先生の「高校と大学の双方が信頼できる高大接続のあり方」について、気になった点についてまとめました。
 
なお、分科会については、感想等をTwitterでつぶやいております。
 
○センター試験が果たす役割
・センター試験は大学が大学入試センターと共同して行う。
 
 
○高大接続の中間まとめの骨子について
・①高等教育学校改革と②大学入学者選抜改革、③大学教育改革を行う。
・①はアクティブラーニングの導入、②基礎学力テストなど。
・基礎学力テストはCBT方式を検討。(高校の情報処理室でできる?)
・③は3つのポリシーやカリキュラムマネジメントの確立など。
・3つの改革の中で大学入学者選抜をどう活かすのかが課題。入学者選抜はアドミッションポリシーに即して、多面的な評価が必要。
  参考資料
 
○個別入試の新たなルールについて
・現行の大学入学者個別選抜は、AO入試、推薦入試、一般入試の3つに別れている。
  参考資料
・新しい入試では学力を問わない入試(AO等)になっている、一般入試では知識重視になっていることから、個別入試に新たなルールを入れていく。
・この3つの入試の分類はやめていこうという方向性。例えば学力不問のAO入試から学力も大事にする入試へ。
・個別試験の試験科目数は、科目数は適正にしなさいとされる予定。また小論文や記述問題についても検討する必要がある。(私立大学では受験科目が1科目でもいいというケースがあるため)
 
○大学入学希望者学力評価テスト
・アクティブラーニングに即した試験に変えていく。
・問題を発見したり、定義できるか、情報を統合・構造化して判断できるか、それを表現できるかということを評価する試験になる。
    →次期学習指導要領をふまえ、特に思考力・判断力・表現力を構成する諸能力を評価
・英語は4技能の内、スピーキングはどう評価するのか(4技能ではなく、多技能という考えをする)
・マークシートの改善についても答申で言及される。
・多数の正解がある問題はどのように採点するのかが課題。
・記述式の導入→生徒の能動的な学習をより重視した授業への改善が進むことを期待されている。
    実際は、記述式が現実に実施できるのか?(期間などの問題もある)
   採点が大変なので、条件付記述式なども検討されている。
 
○記述式試験について
・採点のバラツキが課題(ルーブリックを用意しても採点のバラツキは不可避)
・労力や時間がかかり、コストも上がる。
・自動採点システム等が必要(技術的に開発できるのか)
・条件付記述式とは、採点の明確化の為に条件設定、条件に合うものがあれば点数がつく。
 
まだこれから移行ですが、入試についてはかなり前から各大学は検討する必要があります。既に2017年度入学の為の入試要綱も既に各大学は作成に入っていることでしょう。この講演を聞いていると、高校の教育もどうしているか、そしてどうなっていくかを入試担当者(関係者)は把握しておく必要があるなと思います。